金属強度を最大10倍にできるナノテク技術 23
ストーリー by hylom
次のブレークスルーはナノテクからか 部門より
次のブレークスルーはナノテクからか 部門より
taraiok 曰く、
シアトルのスタートアップ企業「Modumetal」が、ナノスケールでの金属の構造を制御することにより、鋼等の金属強度を最大10倍にできるだけでなく、腐食耐性も向上する技術を開発したそうだ。この技術を使用した部品は、現在、腐食性の高い硫化水素などの化学物質を取り扱う油田などでフィールドテストを行っている最中だという(MIT TechnologyReview、Slashdot)。
同社の技術は、バイクのマフラーなどで使用されている電気メッキを応用したもの。金属部品を複数の金属イオンを含む化学浴槽に浸漬し、電流を正確に変化させることにより、異なる組成の金属を厚み数ナノメートルの層状構造にすることができるという。最終コーティングは数センチの厚みにまで増やすことができる。これにより、オリジナルの材料特性を変化させることが可能だとしている。
ほこたて (スコア:2)
ほこたて思い出す。
Re: (スコア:0)
日本刀みたいなのも作れるのかな
中用に衝撃拡散ように柔らかめにして
外はばっちり切れるように固くするとか
叩かずに業物作れたら刀匠涙目ですが
Re:ほこたて (スコア:1)
ダマスカス刀みたいな感じになるのかな?
Re:ほこたて (スコア:1)
というか, もっとミクロレベルの話みたいなので, 例えば炭素鋼 [ms-laboratory.jp]の共析によって生じるパーライト構造を, 浸炭 [asahi-nets.com]・脱炭を繰り返すことで, 方向性を持って作るみたいなものだと思います.
耐蝕性についても, トタンの犠牲防食をミクロ化するような感じで, 特に配管などで問題になるピンホール腐食を防ぐのに効果があるのだと思います.
古いネタ (スコア:2)
なんだ金属か (スコア:1)
電波強度を最大10倍に見えた
#電脳コイル
Re: (スコア:0)
Modumetal (スコア:0)
バンド名ぽい名前だな
Re:Modumetal (スコア:1)
『グレイテストな私達』(わかつきめぐみ, 白泉社)に登場した女子高校で水葩が愛して止まないおじいちゃん先生を連想する。かわいい。
カーボンナノチューブ殺し? (スコア:0)
コスト、性能、どちらが上かね?
Re:カーボンナノチューブ殺し? (スコア:1)
これって鋼鉄の剛性とか降服強度が最大十倍になるのではなくて、耐食性が十倍のように読めます。
元記事には、「ある種の原油は硫化水素など高い腐食性の化学物質が含まれていて、すぐに設備にダメージを与える。新しい技術は、設備の寿命をとても長くすることができる、そしてとても安い。」 といった説明があります。
腐食の影響が少なくなる前提で、肉厚を薄くする、塗装を薄くするといった設計で、多少の軽量化も可能でしょうが、構造材としてのカーボンファイバーとかカーボンナノチューブ辺りが狙う分野とは異なると思われます。ステンレスの置き換えとかひょっとしたら耐食目的のチタンの置き換えといった分野ではないでしょうか。
Re: (スコア:0)
うん、とりあえずModumetal社は耐サワー性の追求しかしてないように読めるね
「この技術を使ってナノレベルで組織制御ができれば、亀裂伝播を抑制してへき開破壊抵抗を増加させ、鋼の高強度・高靭性化が達成できるはず」という理屈は書かれてるけど
10倍とか書くならその定量的根拠も書いてくれんかな>MIT
Re: (スコア:0)
捕捉
MODUMETAL は複合材料の新しい成形の仕方だと考えてよいと思われます。将来的には、輸送機械や建設分野に革命的を起こすことを目指しているようですが、恐らく分野に合わて耐食性を上げるとか、比強度を上げるとか、異なる原料を使った MODUMETAL を利用するものと思われます。
Re: (スコア:0)
一般に普通の鋼線では引張強度700Mpaとかで、70GPaのカーボンナノチューブの1/100とか言われるけど、いわゆる高張力鋼なら2.3GPaとかいくからその10倍だとすれば1/3くらいまでは差をつめられる
逆に言えば最大限に楽観的解釈でもCNTのほうが3倍程度強い
コストはメートルオーダーのCNTが売っていない以上比較不可能じゃないの
Re: (スコア:0)
説明を見た限りだとCNTとは想定される用途が違うのでは?
金属部品を複数の金属イオンを含む化学浴槽に浸漬し、電流を正確に変化させる (スコア:0)
ホール・エルー法+三層電解法によるアルミの電気精錬や電解鉄以上のコストがかっていそう。
Re: (スコア:0)
エネルギー的にはどうということもないと思う。所詮はメッキだからね。ただ、一層ずつ重ねようと思ったら繊細ではあるだろうね。これ、要するに金と銀を交互に分子1枚分ずつメッキしたら、(物質量比)50:50の合金ができるぜ!って話だから。
厚さ (スコア:0)
>最終コーティングは数センチの厚みにまで増やすことができる。
えっ? 単位間違ってない?
Re:厚さ (スコア:1)
> The final coating can be up to a centimeter thick and can greatly change the properties of the original material.
筆者が勘違いで書いていない限り、センチで合っているみたい。
電気メッキで数センチってすごいな。
Re: (スコア:0)
しいて指摘するなら数センチではなく最大1センチと言っていますね。
(個々のメッキに関しては several nanometers thick と言っている)
ちょっと違う気がする (スコア:0)
>電流を正確に変化させることにより
「電流」じゃなくて「電圧」のような気がするんだけど。
#電気化学はよくわからんけど、一応金属系の関係者(汗)
Re: (スコア:0)
電流が先か、電圧が先かの話ですよ。
Re: (スコア:0)
メッキ(電解製錬)で重要なのは電子の個数(電気量、クーロン)なので、電流だと思います。
対象を水溶液に漬け陰極に繋ぐ→
水溶液に亜鉛の電極(陽極)を差して電気を流す→
水溶液に鉄の電極(陽極)を差して電気を流す→
水溶液に亜鉛の電極(陽極)を差して電気を流す→
水溶液に鉄の電極(陽極)を差して電気を流す→
…
このとき、電流と時間が正確にわかっていれば、対象にメッキされる亜鉛原子と鉄原子の個数(物質量)をリアルタイムでコントロールできるってことじゃなあいでしょうか。電圧は正負が逆転しない限り、あまり関係ないと思います。