パスワードを忘れた? アカウント作成
288214 journal

WindVoiceの日記: 話題のグルーポン 2

日記 by WindVoice

あんまり話題なのでWebサイトを覗きにいってみたんだけど、宣伝効果がありすぎるという雰囲気はちょっと感じられなかったな。

なんだろう、つまりアメ横みたいな人だかりの商店街で、たった5個の特売品(といいつつ冷静に見ると特価とは言い切れないようなもの)を、店のおっちゃんが「さぁお値打ちだよ!5個しかないよ!」なんて威勢のいい声を張り上げると、つい「買った!」とか言っちゃうような、そういう雰囲気なんだろうか。写真と実物が大きく違った場合はこの例えは正確じゃないかもしれないけど、ほかの商品はそんな雰囲気かな。

いまの日本のような、安売り競争でデフレになりかねないような状況で、7割8割引きでペイする(しかもグルーポン側にもうまみがある)という商品はなかなか無いと思う。宿なら空き室になるよりはマシとか、宣伝費がかからないという理由で赤字覚悟とか、投売りでも在庫を処分したいとか、そしてそもそもそんな価値は無いとか、そんな感覚なのかな。でも流行るということは、口コミも(これまでは)悪くなかったということだよね。どういうことだろう。

なお、日経新聞の記事によれば、立ち入り検査の時点では食品衛生法上の問題点は見つからなかった模様です。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • たとえば、ここに飲み屋があるとしましょう。開店したてで、まだあまり知られていません。

    経営予測的には「平日の夜に30組の客が来る」事になっていて、供給能力的にまさにそれに合わせて店舗を作っているとします。今はまだ知られていないため、20組の客しか来ません。でも、50週かければ客は徐々に30組へと増えていくでしょう。
    で、この経営予測は正しい、と仮定します。

    50週の間、この店舗の供給能力は過剰です。積分の結果、50週で合計300組分の供給能力が使われないとします。

    「この50週を20週に縮めてご覧に入れましょう。結果、使われない供給能力は 100組分で済みます。
     ただし、埋まった200組分の供給能力から上がるはずの利益のうち、1/3 をグルーポンが頂きます。
        残った 2/3 の利益のうちさらに50%…ですので利益の1/3は、お客様に割引の形で還元してもらいます。
     最後の 1/3 が御社が追加で得られる儲けになります。
     で、その「還元」対象になるお客様はうちが独占的に供給させてもらいます」

    これがグルーポンの「本来の」ビジネスモデル。安定的な供給能力に対し、需要が追いつくまでの一時的なギャップ部分…本来無駄になるはずの部分を、店舗・お客・グルーポンの3者で分ける方法を提供しましょう、というもの。

    なので、そもそもが「すでに需要も安定的」な場合や、「おせち料理やクリスマスケーキのような一過性の需要/供給モデル」に対してはグルーポンのビジネスモデルは非常に脆弱。うかつに営業をかけてそんなところで売上を伸ばそうとすれば、そもそも存在しなかった供給能力をヘッジしていたことが露呈して、店舗・お客・グルーポンの3者が痛み分けしてしまうに決まっているのです。

    というわけで、今回のグルーポン・おせち問題は起こるべくして起こっただけの話。

    .

    一方、グルーポン自体の会社規模をうかつにも大きくしたために、営業…というかこの会社における営業って実は 仕入れ なわけですが…が品物を見る目を持たないまま後先を考えずに、供給能力という名の 先物商品 を仕入れてしまい、価格下落をヘッジするために「嘘の割引率」をあみ出したと。この「嘘の割引率問題」は実は「おせち問題」とは全く別の性質(ただし、仕入れの目利き能力が腐っていたという点では同じですが)のものです。

    --
    fjの教祖様
typodupeerror

長期的な見通しやビジョンはあえて持たないようにしてる -- Linus Torvalds

読み込み中...