
yasuokaの日記: 名の変更における「弥」と「彌」
日記 by
yasuoka
『家庭裁判月報』のバックナンバーをチェックしていたところ、昭和26年10月号のp.130に妙な記事があるのを見つけた。
昭和26.9.3日記第329号福島家庭裁判所事務局長村田三良照会
親の名の文字を取り命名したが、その文字が当用漢字表になかつた為止むなくその文字に代え、当用漢字表の文字を使用して届出たところ、本年5月25日内閣告示第1号により、右文字の制限が一部緩和されたので命名通り変更したき場合、これをもつて戸籍法第107条第2項の所謂正当なる事由に該当するかどうか御見解を承りたくお伺いいたします。
例「矢四知」を「彌四知」と変更したい。昭和26.9.7最高裁判所家庭甲第152号事務総局家庭局第二課長回答
当用漢字表にないため止むを得ず、子の名に用いなかつた文字が、その後人名用漢字別表に提げられたとしても、他に特別の事情がない限りは、戸籍法第107条にいう正当な事由には該当しないものと考えます。
人名用漢字の新字旧字: 「弥」と「彌」にも書いたが、昭和26年9月の時点では「彌」は人名用漢字じゃなかったはずだ。なので、この例はたぶん
例「矢七」を「弥七」と変更したい。
だったのを、家庭局の都合か何かで改変してしまったのだろう。ただ、この最高裁判所回答の影響力は非常に強かったようで、たとえば京都家庭裁判所では、昭和26年(家)第1349号・第1439号・第1701号など、このテの「名の変更許可申立」を軒並み却下したようだ。うーむ。
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