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yasuokaの日記: 2004年8月以前生まれの「凛」ちゃん

日記 by yasuoka

『新しい常用漢字と人名用漢字』(三省堂、2011年3月)の読者から、青木人志の「悪魔とマンハッタン」(『法学セミナー』No.670 (2010年10月)、pp.014-017)を読んでみてほしい、と連絡をいただいた。読んでみたところ、「悪魔ちゃん命名事件」の解釈については特に異論はなかったが、その前のマクラの部分に妙なことが書かれていた。

私の身内に「隼一」、「駿」、「洸介」という3兄弟がいる。また、教え子のお嬢さんに「凛」ちゃん、年長の同僚に「彪」さんがいる。じつは、この5人の名は、いずれも戸籍法施行直後には使用が認められていなかった漢字を含んでいる。「隼」が人名用漢字のリストに入れられたのは1976年、「駿」と「洸」は1981年、「凛」と「彪」が認められるようになったのは1990年のことである。1948年から1990年までの40年以上の間、凛ちゃんも彪君も誕生しなかったはずなので、わが同僚の彪教授は戸籍法施行以前(1947年以前)のお生まれであることがわかる。

『新しい常用漢字と人名用漢字』のpp.107~108にも書いたが、「凛」が人名用漢字に追加されたのは2004年9月27日だ。1990年4月1日に人名用漢字に追加されたのは、「凜」であって「凛」ではない。

では、2004年8月以前に生まれた「凛」ちゃんがいないかというと、これがどうも、かなりの数いるらしい。役場の窓口が「凜」と「凛」を混同してしまうケースがあって、その場合「凛」と書かれた出生届でもいったん受理されてしまえば、そのまま戸籍に登載するしかないのだ。たとえば、『広報 別海』No.482 (2003年12月)のp.13には、1歳半の「凛」ちゃんの顔写真が載っている。あるいは、『広報ひらた』Vol.558 (2005年5月)のp.14には、3歳児健診で虫歯が1本もなかった「凛」ちゃんが紹介されている。もちろん、これらの広報には誤植も含まれうるので、ちゃんと裏を取る必要はあるのだが、さてこのあたり、実際はどうなんだろう?

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