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日記

yasuokaの日記: 黒沢ビルのトロッコレール

日記 by yasuoka

現在のクロサワビルを訪れた方から、壁面に突き刺さったレールについて、御報告をいただいた。実は、『タイプライターに魅せられた男たち』を書くために、以前、私(安岡孝一)もクロサワビルを見にいったのだが、このレールについては、いまだに謎が残ってしまっている。

壁面に突き刺さったレールのうち、段付レールの方に関しては、小黒康弘・三橋博巳「黎明期の鉄筋コンクリート構造」(『施工』1981年4~6月号)に詳細な報告があって、1903年ドイツPhoenix社製で東京鉄道から払い下げを受けたものだ、という見当がついている。しかし、トロッコレールの方は、「B.1A」という刻印が認められるだけで、どういう来歴なのかよくわからないのだ。化学分析の結果、段付レールとは組成が全く異なっているし、そもそも車輪接触面に摩耗がない。刻印からすると、八幡製鉄所のものでないのは明らかで、輸入品(可能性としてはドイツBurbach社製9ポンドレール)ということになる。しかし、海外から輸入するのなら、黒沢貞次郎としては丸鋼や角鋼を輸入すればすむし、実際そうしているのであって、わざわざトロッコレールを黒沢が輸入する道理はない。

すなわち、このトロッコレールは、日本国内の軽便鉄道か何かに使うべく輸入されたものが、実際には使われずに、黒沢が買い取ったものである可能性が高い。しかし、それがどこなのかがさっぱりわからない。うーむ…。

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