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yuriの日記: 急には冷えない原子炉 18

日記 by yuri

放水を始めてからもう2週間以上経つけどまだ全然冷えないのなんでだろ~

と思う皆様。

そんな風に考えていた時期が私にもありました。

でも、学校の理科の授業で習ったことを思い出してみてください。

原子炉の核反応による熱の生成は、太陽光の放出と同じなんです。

そんなに急には冷えないよね。。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by tt (2867) on 2011年04月03日 21時09分 (#1930115) 日記
    臨界じゃなくてもたくさん熱を出す、というのを説明してみた例 [twitter.com]。厳密には核種とかによって違うんですが、「この世の果て」までいける程度には熱は出続けます。
    --
    -- Takehiro TOMINAGA // may the source be with you!
  • by manmos (29892) on 2011年04月03日 21時38分 (#1930132) 日記

    地熱の方が近いです。

    地熱は、地球が出来たときにぶつかり合って出来た熱ももちろんあるのですが、崩壊熱によっても維持されています。

  • 太陽の場合は核融合ってのは置いといても、燃料がいーっぱいあるからまだ燃え尽きてないだけ。

    原子炉の場合は核分裂で、重い原子核をバラバラにするときにエネルギーが解放される。ウランやプルトニウムの核分裂では最初の、ウランやプルトニウムを割るときに解放されるエネルギーがほとんどなんだけど、ウランやプルトニウムを割ってできた核は不安定なので安定核種になるまで勝手に割れてく。この時に解放されるのがいわゆる崩壊熱。

    ウランやプルトニウムは比較的安定なのでそれらを割る反応には中性子が要るから中性子を吸収してやれば反応を抑制できる。このとき中性子を吸収するのが制御棒...なんだけど、その後の反応は核自体が不安定で勝手に分解していくので制御できない。

    だから主反応が止まっても暫く冷やしてやる必要がある...というわけだったのさ。

    • 解説コメントありがとうございます。

      いったん反応が始まった(不安定で連鎖反応が止まらない)状態を止めるのに冷却も一役買っているんだと思っていましたが、間違ってましたか・・・?

      親コメント
      • 原子炉の分裂反応を止めるのは、中性子を吸収する事です。そのために制御棒を、燃料棒の間に差し込みます。制御棒は中性子を吸収するホウ素でできています。

        化学燃焼は熱を遮断することで(引火点以下にする)止まりますが、核反応は全然違います。化学燃焼の火種に相当するものが中性子です。

        ちなみに、ウラン分裂反応は高速中性子(核分裂でできたその物の中性子)では確率が低く(核分裂断面積が小さい、と表現します)熱中性子(回りの温度と同じエネルギー速度まで減速された中性子)でないとダメなのですが、水は中性子減速材として非常に有効です。
        軽水炉にとって、水は臨界維持のものであって、熱交換媒体はそのついでかもしれないです。

        #ここのところ、「制御棒ネタ」は封印中。

        親コメント
      • うん。間違ってる。
        核反応は冷やしても止まらない...絶対霊度付近とかだと違うかもだけど、まず無理。

        核反応は温度で見るとものすごい高温なので、放熱しないとどんどん温度が上がる。で、ジルコニウムの鞘が水と反応して水素が出たり、もっと高温になると燃料が熔け落ちて圧力容器の底に溜まって臨界越えたりする。これがいわゆる再臨界。そうなると主反応が起きて発熱が崩壊熱の100倍くらいになって圧力容器を熔かして...これがいわゆるひとつのチャイナシンドローム。

        親コメント
        • by Anonymous Coward
          絶対霊度の変換に私の中のなにかがインスパイアされた気がしました
      • by Anonymous Coward

        呼ばれもしないのに補足すると、放射性元素は確率的に崩壊して熱を出します。崩壊熱と言います。
        いつ崩壊するかはわかりません。半減期というのは、崩壊確率が50%になる期間です。

        いつ崩壊するかわからない元素をかき集めることで秒間の崩壊数を高め、十分な熱源になるようにしたのが核燃料です。
        原子炉の中ではもっとたくさんの熱が出るように、崩壊が連鎖するように設計されています。
        崩壊によって中性子が放出されます。中性子が他の燃料に当たるとそれも崩壊してまた中性子を出します。
        崩壊が連鎖して、発生する中性子数が元の中性子数を上回った状態を臨界と言います。こう

        • ぎょええええ~!!
          超詳しい解説、ありがとうございます。

          いつ崩壊するかわからない元素をかき集めることで秒間の崩壊数を高め、十分な熱源になるようにしたのが核燃料です。
          原子炉の中ではもっとたくさんの熱が出るように、崩壊が連鎖するように設計されています。

          崩壊が連鎖するように設計。。。そんなことができるんですね('0')

          私がうろ覚えで知っていた知識は

          • 放射性物質がある時点の半分の放射線を出すようになるまでの時期が半減期

            (これが崩壊という現象で説明されることは知りませんでした)

          • 臨界状態が続くとヤバい

            (臨界が制御できないことがヤバいのであって、臨界自体がヤバいのではない…ですよね)

          という感じです。

          そして、種火が消えることはない&まだ高温状態だとすると、やはり冷却し続けないといけないんですね。。今の状況がだんだん分かってきたような気がします。。

          高校の理科で物理を勉強したはずなんですが、核反応についてはゼロからお勉強し直した方が良さそうですf^^;

          親コメント
          • 十分な量の燃料を一箇所に集めるだけで臨界に達して、連鎖反応が始まります。
            東海村のバケツでウラン事故は正しい手順を守らなかったためにこれが起きました。

            停止した炉で発生する崩壊熱を放置して冷やせないと、燃料集合体が溶け落ちて、制御できないまま臨界する量が底に溜まってしまうことになります。
            連鎖反応が始まると崩壊熱よりさらに大きな熱と放射線を発するようになるので、今よりもさらに近づけなくなります。
            というわけで、停止した炉が再臨界になるのを防ぐべく冷却を続けながら、電源修復を試みているのです。

            親コメント
  • by Anonymous Coward on 2011年04月03日 16時10分 (#1929961)

    太陽は核融合、原子炉は核分裂。
    今起きてる福島第一原発での事故は崩壊熱ね。

  • by Anonymous Coward on 2011年04月03日 17時41分 (#1930004)

    「焼け石に水」という諺もあったり。

    ライターに水をかけるのと、木炭に水をかけるのとでも違うわな。

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未知のハックに一心不乱に取り組んだ結果、私は自然の法則を変えてしまった -- あるハッカー

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