Claybirdの日記: LZH形式への個人的な擁護 5
日記 by
Claybird
Micco氏はLZH形式に対し、いくつか(後方互換性をある程度保ちつつ)拡張を行っている。
その結果、2006年頃からLZH形式は、
・UNICODEファイル名への対応(2006年3月、Unlha32.dll Ver 2.39 α)
・4GB以上の大容量ファイルの格納(2001年6月、Unlha32.dll Ver 1.56)
にも対応している。[Unlha32.dll添付のドキュメントを参照]
将来的に実装される予定だったのか、暗号化のためのヘッダ領域も予約されていた。
ZIPにおいてUNICODEがサポートされたのは2008年のWinZIP 11.2や2006年9月のPKZIP(ZIP仕様書 Ver.6.3.0)であり、LZHが半年以上先行している。
4GB越えの大容量ファイルがサポートされたのは2001年8月のPKZIP 4.5と2004年のWinZip 9.0であり、LZHが若干先行しつつZIPもほぼ同時期に対応している。
こうしてみると、LZHはZIPと比較して決して劣っていたわけではない。優れた技術が広く使われるとは限らないが、逆に広まった技術が優れているとも限らないのだ。
LZHはマイナーな"ガラパゴス規格"だから駄目な規格だと決めつける人には、果たして本当にそうなのか一度考え直して貰いたい。
LZHは「ガラパゴス規格 *だ*か*ら* 」駄目なんですよ (スコア:2, すばらしい洞察)
LZHは純粋に技術的に見れば ZIPよりも優れた規格です。
しかし、それを広めるための用意…ドキュメントを英語で用意し、それを数多くの配布サイトに置き、さらに多くの人に「海外とのデータやりとりでも使ってもらえるようお願いする」
という非技術的な努力が全くなされていない規格でもあります。
結果として ZIP が広まり、LZHはマイナーなままにとどまった。
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「ガラパゴス規格」というのは「技術的に比較して優位かどうか」という話ではありません。単純に歴史的に見れば、その大半は先行している。
しかし、技術的な側面は優れているのに、それ以外が全く努力されていないという、実に日本的なというか、3割の理系におんぶにだっこしている7割の文系国における典型的な「おんぶにだっこされている側が仕事をしない」結果として、技術的に孤立したものを「ガラパゴス規格」と呼ぶのです。
技術的優位性を比較して「だから駄目だなんて言うな」というのは、比較の仕方として間違っています。
「これだけ優れているのに、使っている奴らはどんだけクレクレ乞食なんだ。
こいつらのせいでこれがガラパゴス規格になった」
と怒るのが正しい。
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オープンソースなどにおける「ユーザー」が日本ではただの使う人の集まりなのに対し、アメリカが普及活動をし、問題点を見付け出してフィックスする人達の集まりである、というのと同様の違いですな。
fjの教祖様
Re:LZHは「ガラパゴス規格 *だ*か*ら* 」駄目なんですよ (スコア:1)
技術的に孤立した結果シェアが減って淘汰される、という点では、ZIPに標準対応したWindows XPの発売によってほぼ決着が付いたと思っています。
今回のLZH問題が無かったとしても、LZHのシェアが次第に減少する事は避けられなかったでしょう。
技術が淘汰されて滅びるのは世の常なので、それは構わないのです。たとえ原因が海外に普及させる努力をしてこなかったことだとしても。
ただ今回、(遠因に技術的に孤立した結果の日本固有化があるとはいえ)アンチウィルスの放置によって唐突に"終わらされてしまった"事が残念でなりません。
端から見れば規格の死が数年早まっただけかも知れませんが、もう少し緩やかに終わりがくると思っていただけに、ショックが大きいのです。
その意味では、このエントリは弔辞です。
LZH問題について、表面的な「ガラパゴス化」という言葉を使い、「日本発のマイナーな規格だから技術的にも劣っている」かのような言動を行う人を何度か見かけたので、LZHの名誉を回復したかったのです。
別に駄目規格だとは思わないが (スコア:0)
本当に必要なのか、絶滅危惧種として保護しなきゃいけないのかってのは考え直して貰いたい。
Micco氏はLZH自体の作者でもなんでもない (スコア:0)
> LZHが若干先行しつつZIPもほぼ同時期に対応している。
×LZHが
○Unlha32.dllが
でしょ。
適者生存の原則 (スコア:0)