念のため、いくつかの対立軸について雑駁に整理します。
フリーソフトウェア 対 オープンソース・ソフトウェア:
定義の文面は違えど実質的には同じものであり、「使用、配布、改変、改変物の配布が自由にできること」がその主な内容です。
フリーソフトウェア運動 対 オープンソース運動:
フリーソフトウェア運動はソフトウェアにおける自由を推し進める運動であり、主要なアクターはFSF、その設立者であるRMSです。これに対してオープンソース運動は、自由なソフトウェアの技術的な優位性に力点を置いた運動であり、主要なアクターはOSIです。
オープンソース運動はフリーソフトウェア運動の分派とみなすことができます。RMSはオープンソース運動を、自由を軽視するものであるとして批判しています。
コピーレフト 対 permissive:
改変物がフリーソフトウェアあるいはオープンソースであることを要求する配布形態がコピーレフトであり、改変物が非自由であることを許容する配布形態がpermissiveです。フリーソフトウェア=オープンソースのライセンスのうち、コピーレフトな物にはGPL, LGPL, AGPLなどがあり、permissiveな物にはBSDライセンス、MITライセンス、Apacheライセンスなどがあります。
RMSは自由を推し進めるための武器として、コピーレフトの重要性を主張しています。このため、FSFが推進するGNUプロジェクトでは、主としてコピーレフトライセンスであるGPLが採用されています。