Takahiro_Chouの日記: 若先生、「シグルイ」を語る
遅きに失した感も有るが、7/1に、WowWowのノンスクランブル枠の特番で、山口貴由氏が「シグルイ」について色々語っていたので、印象に残ったセリフとかを。
なお、全文テキスト化は、暇も気力も無いのと、著作権上、問題が有りそうなので、やりません。
あくまでも、一部のみ。
後、原作(「駿河城御前試合」)を読んだことの有る人間からすると、今後の「シグルイ」の展開に係わりそうな事も言われてたので、おいらの感想も無し。(「駿河城御前試合」を読んでない人へのネタバレを、うっかり書いてしまう可能性が有るので)
「シグルイ」と言う作品について
南條範夫先生が50年前に書かれた「駿河城御前試合」。中の「無明逆流れ」と云う一篇が、初めて読んだ時に、凄く、美しかった、と。
ま、普通の小説読んでも、何にも、絵が浮かぶ事が無いんですけれども、この小説だけは、ちょっと絵が浮かびまして。
それが10年前だったんですけども、それから5年程経って、南條範夫先生に、当時の担当と、御挨拶に行って、とても短い作品だったんで、脚色して、タイトルなんかも、こう、少し変えさせて頂く、って云う事を、ええ、もう、本当にしどろもどろに成りながら、南條先生に話した時に、
「ま、好きにおやんなさい」
と言ってもらって、そして、劇画にして、描くように成りました。
「シグルイ」とは?
元々の語源は、「葉隠」と云う武士の道徳の本が有るんですが、その中に、
武士道とは死狂いなり。一人の殺害を数十人にて、しかねるものなり。
って云う所が有ったんですね。
非常に、人間の能力・可能性を大きくする、そう云う言葉だと思うんですね、「死狂い」。
「狂う」って事で言えば、当時の剣客は、その、芸事をやる人は皆そうかもしれないけども、その段階を経て、初めて境地に達しますから。
また、「死ぬ」って事も、まぁ、人間に訪れる季節の一つ、と云う、そう云う考えでいると思うんです。
だが、今、その言葉を漢字で書くと、印象が僕の考えているイメージと、全然違う物が育ってしまうので、カタカナで「シグルイ」と。そう、なってます。
残酷について
「残酷」って云うのは、その、何でしょうね、血が出るとか、人が、たくさん死ぬと云う、その事を指して言ってるように思われてると、思うんですが、僕の方としては、その事は、その時代が持っていた、そう云う事実だから、残酷と云う感覚は無いんですが、ま、善なる者が、報われない、一生懸命努力した人が報われない、とか、そう云う世界である事が「残酷」だな、と思います。
「残酷無惨時代劇」と云うのは、そこの所を、やっぱ、指してると思うんで。
ビュジュアル的な事は、あまり。そこが主題では無いし。そこは、仕方無く描く、と言うかね。そんな風に考えてます。
劇画とアニメに関して
劇画で表現できる事は、全部、アニメで再現できと思います。
それ以上の感動を与える事が出来るのがアニメって云う、そんだけの懐が有ると思います。
アニメの浜崎監督に、初めて、お会いした時に、
「僕は『シグルイ』判ってるよ」
そう言われて、ま、その顔を見た時にね、 自分と同じように、自分の、人生のほとんどを机に向かって きた奴、ペン持ってきた奴って云う、その、雰囲気が有りましたから、
「ああ、これ『シグルイ』できるだろな」
そう思いましたね。そこで、初めて思いました。
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