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Takahiro_Chouの日記: ある映画に関する昔話―もしくは愛国者とは北朝鮮の手先の事か? 1

日記 by Takahiro_Chou

※:一部脚色はありますが、エイプリルフールじゃありません。

むかし、むかし、ある北の国独裁者(以下、首領様)に、映画マニアのドラ息子(以下、将軍様)が、おりました。
「むかし、むかし」と言っても、ドラ息子の将軍様は、残念ながら、まだ、御存命にあらせられますが。

ある時、将軍様は、映画マニアが昂じた挙げ句、部下に命じて、南の国映画監督を拉致させました。
オタクやマニアが、何かの間違いで権力を握ってしまった時に、良くやらかす所業ですね、はい。

件の拉致られた映画監督は、将軍様に映画を作らされました。
その中に、怪獣映画が有りました。
海を渡った日出る国より有名な映画の特撮スタッフが呼ばれ、壮大なセットが作られ、人命軽視の軍事独裁国家ならではの、迫力有る(火薬の量が半端じゃない)爆発シーンが撮影され、ついに、この怪獣映画は完成しました。

ですが、出来上がった怪獣映画のストーリーは……
怪獣が、圧政者から民衆を救う……までは良かったんですが、その怪獣の主食が鉄だったせいで、世の中が平和になった後、民衆達は、その怪獣に、鉄器と言う鉄器を食わせなければならなくなり、鍋釜包丁農具その他を失って、エラい目にあいました、と言う内容でした。

昔は英雄、今は傍迷惑な糞野郎。
当時(1980年代)の北の国の人達の身になって、考えてみましょう。
この怪獣は、誰を象徴しているのでしょうか?
もちろん、件の映画監督は、この映画が完成した直後に、南の国に亡命しました。

そう、この映画監督は、将軍様をだまして出させた制作費で、将軍様の父上である、偉大なる首領様を、おちょくる映画を作った挙げ句、トンズラこいたのです。
もちろん、北の国では、この映画は上映禁止となりましたが、いかなるルートを通じてか、この映画のフィルムが、国外に流出してしまいました。
かくして、偉大なる首領様をおちょくった怪獣映画は、北の国で作られた映画にも関わらず、北の国では観れないのに、他の国では観る事が出来るようになってしまいました。

そして、首領様と将軍様を騙くらかした、彼の映画監督の快挙と、自分をおちょくった映画を上映禁止にした首領様と将軍様の尻の穴の小ささは、世界中の映画マニアの間で語りぐさになりましたとさ。
めでたし、めでたし。

しかし、ここんこと、この話を素直に笑えなくなったんだよな。
例の映画「靖国」の上映中止騒動のせいで。
将軍様の尻の穴の小ささを、嘲笑えば、その嘲笑の一部―ほんの一部かもしれないにせよ―は、日本に帰ってくる。
だって、映画「靖国」の上映中止騒動ってさ、北朝鮮の怪獣映画「プルガサリ」が、当の北朝鮮で上映できなくなった経緯を連想させる要素が多すぎるんだもん

愛国心に満ち満ちた、人格高潔な皆様方のせいで、北朝鮮ネタの馬鹿話の1つを、素直に楽しめなくなりました。それも、多分、一生。映画「靖国」関係の騒動についての記憶が、オレの脳から、消え去らない限り。
おい、愛国心豊かな糞野郎共、どうしてくれるんだ!!??
愛国心のせいで、北の国の将軍様を嘲笑えなくなると言うんなら、オレは、愛国心なんざ、喜んで、ドブに投げ捨ててやる。

でも、まだ、映画「靖国」の上映を予定している映画館が、大阪に有るようだ。
本当に小さい希望であるが……。
仮りに、日本人が北朝鮮の将軍様を嘲笑う資格を失いかけているとしても……
少なくとも、今、この時点では……
日本は、まだ、断じて、北朝鮮にあらず。
ここが砦となる。

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  • by chao.m (35707) on 2008年04月03日 0時07分 (#1324049)
    愛国心に満ちた方達はこの国を北朝鮮にしたいんじゃねえですかね?
    かの国の首都に並ぶ帝冠様式もどきの建物みてると
    ああ、北の人民はこんなにも大日本帝国の統治を懐かしんでくれてるのねって
    つくづく思いますんで
    多分、中国人も似たような思いを抱いてんでしょうが
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