ca-ttyの日記: SAGAIA レビュー 1
SAGAIA とは DARIUS II を海外向けに改変したものである。 version 1 と 2 が存在する。
海外市場向けにプレイサイクルを早くするため、国内版よりステージが短く、難易度が高めに調整されている。
─公式の説明より
具体的にどのように違うのか実際にプレイして確認してみた。
…というていで愚痴を書いただけの文になってしまった。あらかじめ警告しておく。
□ SAGAIA version 1 相違点 □
ゾーンの分岐が違う。 太陽系の惑星を順に巡る構成にはなっていない。 舞台設定が太陽系ではなくなってるかもしれない。
1面と最終ステージのみ大幅に違う。
1面マップのみ新規に起こされている。
2面以降のステージは、本家の高難易度ステージを短めに切り貼りしたもので、新規性は薄い。 敵の配置も概ねそのまま。
本家でゾーン道中で出現した中ボス艦は ver.1 では出てこない(例外あり・後述)。
ゾーンの最後に出てくるボス艦が、非常に柔らかい。
余談だが1面のボス艦が変更されているので冒頭のパイロットのセリフに矛盾が… と思いきや、ボスのコード番号のほうが差し替えられていて無理矢理辻褄合わせてあって吹いた。あと回ってる奴柔らかすぎだろ!
最終ステージは中ボスが出る。 柔らかくもなっていない。 最終ステージのマップには独自性があるが、 敵キャラの量を盛って雑に無理矢理難易度をあげたかんじで特に面白くはない。 最終ステージのボス艦は道中の艦ほどは柔らかくない。
■本家のダラIIをクリアできる人なら最終ステージだけ練習すればクリアできる内容。 最終ステージまでの道中は、本家のおぼろげな記憶があれば新たに攻略を作らずともアドリブで対処できる程度。 単にクリアしておく程度なら本家の腕前に悪影響を及ぼさずにできるので、 ダラIIやった人ならやっておいて良いかもしれない。 感動まではしないが、話の種にはなる。 steam版ならば、ただ漫然とクリアするだけでランキング一桁に乗れてしまうのでお勧めだ。 もしやるなら、できるだけ覚えないようにして短期決戦で挑もう。
□ SAGAIA version 2 相違点 □
ゾーン分岐や舞台設定は ver.1 同様。
こちらも1面は新規。
2面以降のステージも新規部分が多い。 もっとも素材の流用で作られてるので、それほど新しくは感じない。 敵の配置については後述する。
中ボス艦は1面と最終面のみ出現。
ボス艦も ver.1 同様に柔らかいが、挙動が違う艦が多い。 ネタバレになるので書かないが、初遭遇では驚く艦もあると思う。
■本家及び ver.1 との最大の違いは、悪意を感じる配置が非常に多いところ。 本家にもムカつく配置は多々見られるが、何らかのガイドラインに基いてやりすぎないよう一定の範囲内に抑制されているのがプレイしていてわかるし、そのような箇所も練習すれば再現性のある攻略が実際に可能であった。 が、ver.2 は無制限、開き直った悪意溢れる敵配置になっている。 いくつか例示する。
アイテムキャリアを盾にする。 本家でも盾にはするが、キャリアを傷つけない射線を考えたり、どのタイミングで射撃を止めるかといった攻略を考える余地がある範囲にとどめられていた。 一方、ver.2 は開発者の想定する解が想像できないレベル。 後方からアイテムキャリア、核トーチカをはさんで前方から強力な敵編隊と対空砲台、みたいな場所が普通にある。
アイテムをとり逃していなくとも、敵の数を盛りすぎてショットパワーが足りない箇所も多くある。 いわゆる撃ち返し弾や出現即発砲してくる敵も混ぜられていて、最善の行動をしていても被弾してしまう箇所が普通にある。
本家では後方や画面上下からの攻撃は、一定の敵をさばいた後のタイミングで行われるように配置されているので、捌ききれずに押されているシチュエーションでなければ追突されることは基本ないと考えてよいが、ver.2 では理不尽と感じる後方からの衝突・攻撃が非常に多い。
最終ステージにて中ボス艦が全力射撃している状況下では画面の一番左で避けざるをえないが、 その状況でも真後ろから普通にゾロゾロ出てくる。 前方からも有力な戦闘機がゾロゾロ出てきてモリモリ撃ってくる。 だが自機の弾はすべて中ボスに吸収されて届かない…みたいな、詰んだ状況が多々ある。
ダライアスII本家の敵の「盛り」がプロの仕事だとしたら、ver.2 はステージエディットできるゲームで遊んでる小学生みたいな雑な盛りと言わざるを得ない。
■もう一つ ver.2 独自の特徴として、見辛くすることで難易度を上げる手法が挙げられる。 本家も古い時代のゲームなので現代ほど配慮してデザインされているわけではないが、 ver.2 は完全に別次元といえる。積極的に見えなくすることで難易度を上げている。 本家でも明るい背景は、演出上やむをえない最終ステージ等の一部に見られるが、度を越している。 紫色の背景に同系色の紫や赤黒の弾、くらいはマシな方で、もう全力で明るいクリーム色の背景に同色の弾が前方から飛んできて、それを必死に見切っていると、後方から出てきた敵が白い1ドットの弾をこっそり撃ってくるみたいな、なんでシールドが減ってるのか、現場を見てもプレイヤーが理解できない、というようなレベル。 今撃ったの誰だ!!!!!1
他にも、アーケード稼動当時ダラIIといえばラスタースクロールの演出が話題になったが、見づらくするためにそれを悪用しているシーンがある。 非常に明るい背景がラスタースクロールしながら色相をサイケデリックに変化させ、その背景上でボス艦から弾が飛んでくる。 目が悪くなりそう…
難易度を上げるためでないと思われる箇所でも、本家のデザインラインからは外れるような色使いやセンスの箇所が見られ、世界観・統一感的に若干の逸脱が感じられる。 ギャラクシアンくらいの大昔、コピー基板の改造品で変な色になってるやつがあったが、そこまで酷くはないものの、そういうの連想しちゃうような。 ただしそのような演出に、続編の「ダライアス外伝」の幻覚ステージ等の演出につながったと見られる部分が存在することに気がついた。 ネタバレになるから具体的には書かないでおく。
■レインボーをガチ対戦すると本家スト2が弱くなるのは明らかだろう。 SAGAIA version 2 にも同じことが言える。 難易度としては絶対攻略不可能なほど理不尽なわけではないが、これをマジメに攻略してしまうと本家ダラIIの腕前に差し支える。 また、攻略中たえず開発者のむき出しの悪意に晒され続けるため、やっているとダラIIごと嫌いになってしまう可能性さえある。 私はあまりにも理不尽な配置に遭遇し、攻略途上で最早娯楽ではなく苦行になっていると感じた。 従って ver.1 とは逆にやらないことをお勧めする。 ver.1 同様ただクリアするだけでランキング一桁に載れるというメリットはあるが、その場合でも本家と ver.1 を先に攻略するべきだろう。
ダライアスシリーズ歴代の演出手法について研究したい等、何か事情があって ver.2 をやるのであれば、練習モードを使用して全部機械的に丸暗記するのが最も早く心理的な負担も少ないと思われる。 あるいはプレイヤー性能に自信があればエナドリを使って短期記憶に入れてしまうか。
以上です。
─来年はダライアスIII
ダラ外ネタ追加 (スコア:2)
書くの忘れてたので追記。ver.2 で改変された金魚ちゃんの誘導弾の軌道、これもダラ外の誘導弾につながってる感じがします。避けてるときのフィーリングがそっくりで、初めて避けたとき、あっこれは…ってなりました。