ca-ttyの日記: 今更 Kingjim XMC10 PortaBook レビュー
入手したまま放置していたのだけど、 レッツノートにアルコール消毒薬をこぼしてぬっ壊したのをきっかけに存在を思い出した。 今更であるが感想を記す。
■ デメリット ■
- ストレージ 32GB は少な杉竜!
といっても USB にフラッシュメモリをさすとか SD カードをさせば良いので、実際には問題にはならないのでは? …そういう風に考えていた時期が私もありました(うろ覚え)。
Windows10 の更新は C: に大量の空き領域を要求するので、インストールはできても update は絶望的であると知った。
21H2 の場合、クリーンインストール直後の状態でフォーマット後容量 28GB のうち空きは 6GB だった。厳しい…
- SD カードスロットに問題がある
それでもデータを逃がすくらいには使えると思っていた SD カードだが、スロットに問題がある。 ロック機構がなく安っぽい上にカードが盛大にはみ出る。 Mac のノートもこういうかんじだけど、さしたまま移動すると脱落したり壊したりしそうで怖い。
- キーボードやマウスにデバイスドライバが必要
BIOS は一応対応しているものの PS/2 や普通の USB HID ではないようで、デバイスドライバがないと動かない。 なのでクリーンインストールを行うには外付けのキーボードやマウスが必要になる。
- USB ポートが1基しかない
…にもかかわらず USB ポートが1基しかないので USB ハブも必要になる。
- ポート類に蓋がついてる
ポートに何かさすには蓋を開けっ放しにする必要があるが、 その蓋が本体の下敷きになる構造なので、強度・安定的に不安になる。
- 液晶のヒンジに角度制限がある
一定以上開けない。 完全に開いて一枚板状態にしてタブレットのように使ったりはできない。 せっかく小型なのにねっころがって使うには向いてない。
- 充電が電力消費に負けがち
USB ポートにハブを接続し、そこにキーボード、マウス、バックアップ用フラッシュメモリをさすと 本体を AC アダプタに接続した状態で使用しても電池が減っていく。 update をかけて放置したらクリティカルなタイミングで電池が切れて起動不可能になった。 のちに電源を供給できるハブに変更したが、それでもプラスにならず減った。 強力なアダプタを用いれば防止できるのかもしれない。
- BlueTooth / wifi が干渉している?
BT mouse を使うと VNC が激重になる。 これは私の環境の問題である可能性もある。
- バスが弱い
wifi, SD カードが弱い。 同時に使うとさらに弱い気がする。 intel が提供している atom のチップセット側の問題かもしれない。 あるいうは私の環境の問題かも。
- 公式サイトにデバイスドライバが一部しかない
ストレージの少なさや Win10 のアップデートの制限により、クリーンインストールせざるを得なくなる場合が多々あると思われるが、 公式サイトにドライバが揃ってないので作業がさらにめどくなる。
これは intel との契約的な問題なのかもしれない。 atom 系はそういうのが多いと聞く。
■ メリット ■
- モバイルバッテリーで充電できる
継戦能力が高い。 この点は大きなメリットであると思う。
このメリットを生かせる用途を見出すことができるかどうかがこのハードの価値を決定付けるんぬ!
■ 総評 ■
デメリットにより実用に供するのが難しい。 SD カードや USB の取り回しの悪さがストレージの不足を補い辛くしている。 性能が低いことで用途が限定される。
ブラウザでウェブベースのサーバのインターフェイスを操作する用に使おうと思ったのだが、 ある程度の時間操作したり、 複数のアプリを起動して操作しているとメモリ不足か何かでブラウザの表示が更新されなくなる現象が発生した。 また同様に複数のアプリを起動しつつサーバを VNC で操作しようとしたところ、 VNC が豪烈に重くなり使用不可能なレベルに速度が低下した。 ssh 端末としては問題なく使用できるが、ブラウザや VNC 程度は気兼ねなく実用できてほしかったのが正直なところ。
Win10 で使用するのは諦めて Linux を入れてみるかと考えたが、それも簡単ではないようだ。 検索してみるとグラフィックまわりで苦労している人の話がいっぱい出てくる。
■ 実用例:ダラ外 ■
steam 版 DariusCC を導入し「ダライアス外伝」を実行してみた。 一応動作するもののカクカクでまともには遊べなかった。 ガジェットを全部切って最も軽そうなドットバイドットを選択したが、根本的には解決せず。
また何故か USB サターンパッドが認識されなかった。 メガドラミニパッドは完全に動作した。 USB 周りが微妙にあやしい…
■ Windows10 update について ■
最新状態にするまでの経緯を殴り書いておく。
まずインストールされたデバイスドライバを単純なファイルコピーによってバックアップ。 次に「USB 回復ディスク」を作った。 さらに出荷状態に戻す操作を行った。
その環境上で 21H2 の上書きアップデートを実行中、電池切れで Windows の起動が不可能に。 21H2 をクリーンインストールに方針を変更。 導入できたが公式にデバイスドライバが供給されていないため、 Windows名物「不明なデバイス」を一つ一つ手で解決するはめになった。 バックアップ重要。
intel のサイトには自己診断プログラム的なものがあり、これを実行するとハードとソフトを診断し、 必要なドライバへのリンクも示してくれるのだが、 チップセットとwifiのドライバがインストール済みでなければそもそもダウンロードも実行もできないという問題がある。 いわゆる「缶詰の中の缶切り」である。
手動でインストール後に診断プログラムを実行したところ「すべて最新である」との評価を得た。
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