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codeslingerの日記: 気持ち悪さ

日記 by codeslinger

最近量産されるアニメや漫画やゲームに対して感じる「気持ち悪さ」はなんだろう。

主人公の内面世界(近接世界)が、そのまま世界全体に影響するという、セカイ系。
これで最初にブレイクしたのはエヴァンゲリオンだったか。

生まれつきもつ特殊能力で、すごい活躍をしていく。
努力や苦労という過程無視のバトルを広めたのは、ドラゴンボールだったろうか。

この二つの流れをより強く受けまくって、最近のアニメや漫画・・・「テニスの王子様」や「ガンダムSEED」等・・・が出来ている。
これらの作品自体の出来不出来はさておき、そこから感じるもの。
あるいは、そういう虚構に強く共感している若者たちから、感じられるもの。

それはこの日本社会において、若者が感じる閉塞感と同質のものではないのか。

日本全体が貧乏だった世代と違い、
バブル時代に育った子供達は、特に苦労もすることなく育っていく。

そのなかで子供達は、自分の中で、自分だけの価値観を育てていく。
それは、機械いじりや工作だったり、
それは、アニメの声優に対する興味だったり、
それは、絵を書くことだったり、
そういう「自分が好きだと断言できる、自分の中の価値観(だいじなもの)」
しかし一部の例外を除いて、それで食べていけるほど、世の中は甘くない。
社会の価値観を受け入れた時、自分に残るのは、「平凡かそれ以下の能力の、ただの子供」でしかない。

そこで健全な精神を持つ子供なら、社会と自分の価値観の軋轢なり葛藤なり苦労なりがあり、
そこから努力で這い上がることで、社会に自分の価値(居場所)を認めさせられる。
(たとえそれがどんなにささやかな価値(場所)でも)

だが、そこで軋轢に耐え切れず、葛藤にまけ、苦労や努力を避けようとする子供達。
むしろ社会を敵視し、自分の価値観に閉じこもり、見なかったことにすることで葛藤をさける。

そういう子供達が多くなるのは、もちろん若者の精神的弱さもあるのだろうが、
日本社会で若者へ希望が見えにくいことが大きいせいではないか。

 自分とその近距離だけでセカイが完結する漫画。(外の世界が存在しないか、無価値)
 選ばれた天才で苦労しらずの主人公が大活躍するアニメ。(外の世界を無条件に従属させる)
 無条件に自分を「癒す」パートナーがいるゲーム。(自分の価値を認めないのは絶対敵)

これらが人気がでるのは当然なのかもしれない。
が、やはり、どこか気持ち悪さを感じることにかわりは無い。
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私は悩みをリストアップし始めたが、そのあまりの長さにいやけがさし、何も考えないことにした。-- Robert C. Pike

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