juanの日記: 独自ビルドのSecond Lifeビューアを公開していた人が、GPL対応に苦慮し公開停止 1
Second LifeのビューアはGPLライセンスでソースが公開されており、その気のある人は自分でまだ公開されていない最新版をビルドしたり自分で改造したりできる。また、将来公開されるであろう新機能が含まれるブランチなどもあり、一般ユーザーの中にも興味を抱く人は多い。
去年から知られてきたバージョンにShadow Draftと呼ばれるものがある。これはSecond Life内のオブジェクトやアバターが落とす影をきちんとレンダリングするものだ。いままで影がなく、建物の中でも太陽光が当たっていたセカンドライフの世界では、このビューアのインパクトは強く。正式公開が望まれている。これはFBOを使うもので、影が描写されるほかに、今まで最高8個(太陽と月を除いて6個)しか使えなかった照明の数を飛躍的に増やす機能も持っている。
ただし、いまのところGeforce 9000世代のGPUでも描写が重く、動きがカクカクになる状態で、まだまだ実用的とはいえない。
このビューアをビルドしてバイナリを公開していたKirsten Leeという人がいる。同様なことをしている人は他にもいそうだが、この人が配布元として知られるようになり、また、独自に改良を加えたりして評判になったものだから、ソースの提供を求める人が増えてきたのだそうだ。
ところが、どうもまめにバージョン管理を行うタイプの人ではなかったようで、要求されたバージョンのソースがもうなかったり、さまざまな理由で十分にソース提供要求に応えられる状況ではないらしい。
というわけでKirsten Leeさんは最終的に独自ビルドのビューア提供をやめてしまった。この件を報じたサイトによると、GPLの3b,3cを満たすためには、最低三年間ソースを保持しなければならず、それが重荷だったらしい。
なお、Kirstenさんが配布していたビューアで、元のソースに改変を加えているしていることがはっきりしているのはShadow Draft版ではなく、通常版を高速化したものだが、結局すべて公開取りやめになっている。個別にメールなどで要求されることにうんざりしていたらしい。各バージョンのバイナリを公開するたびにソースも公開しておけばよかったんだろうなあと思うのだけど…