minetの日記: テイルズシリーズにみるL1ボタンの文法と進化
まずテイルズシリーズがどういうゲームかというと、アクションRPGである。
プレイヤーによるコントローラーのボタン操作によって、主人公らキャラクターが様々な動きをくりだし、敵を倒すのである。
「通常」と「術技」という2種類の攻撃があり、これはコントローラーの2つのボタン(デフォルトでは右手側)にそれぞれ対応している。
主人公らがレベルアップすると新しい術技が使えるようになるのだが、
単に2ボタンによる操作体系だと、使える術技は一種類だけということになる。
そこで、左スティック(古くは方向キーであったが、現行ゲーム機のアナログスティック標準な時代に入ってからはスティック操作になった)を入力した状態で術技ボタンを押すと、異なる術技を出すことができるようになっている。
ニュートラル、上、左右どちらか、下、の4パターンであり、これで、最大4つの術技を組み合わせて戦えるというわけだ。
しかし、このテイルズシリーズ、1人のキャラが、4つどころではなく多種多様な術技を覚えるのである。
使いたい。でも全部は同時にセットできない。だから、術技を吟味する必要が生じる。
さて、右スティックの登場である。
現行のテイルズシリーズでは、右スティックに「ショートカット」という役割をもたせている。
これは、右スティックの入力4方向に、自キャラあるいはパーティーキャラの術技を割り当てることができるというものだ。
(微妙にややこしいことに、左スティック入力には左右の区別はないが、右スティック入力は左右が区別される。)
ここに全て自キャラの術技を割り当てるとすれば、最大で8種類の術技を設定できるということなる。
なかなか多彩だ。だがまだまだ足りない。
ちなみにCPUに操作を担当させる場合、セットする術技の数に限りはない仕様となっている。
するとどうだ、CPUキャラの方が、プレイヤーより多彩な術技使いに映るではないか!
これはフラストレーションだ。もっと術技を!モア術技!
さて、もう方法はないのか。
あった。異なるボタンとの同時押しである。
テイルズに新たな操作が加わることになる。それはテイルズオブヴェスペリアのPS3版で追加された。
L1ボタンを押しながら術技またはショートカットを操作することで出せる、もう一つの術技セットという考え方だ。
これで、セットできる術技の最大数は倍、16に増えた。
さて、この時点では、L1ボタンとは、術技の別セットを指定する意味しかなかった。
それが、その後のシリーズで、L1を押しながらの操作で「通常攻撃の動作が変わる」という概念が加わった。
L1ボタンの「攻撃にバリエーションをもたせる」という概念を一般化させたのだ。操作体型に新たな文法が生まれた。
テイルズオブエクシリアでは、これは単に、通常攻撃に便利な1パターンが加わる、というものだったが、テイルズオブエクシリア2で役割がやたら増えた。
「L1と通常攻撃ボタンと左スティックの組み合わせで動作が変わる」「L1とフリーランボタンあるいはターゲット選択ボタンを同時押しすると武器を持ち替える」「L1を押しながら秘奥義(必殺技)を発動すると、自キャラではなく別キャラで発動する」といった具合だ。
さながら、L1ボタンのカンブリア爆発である。
さてさて、
このように、操作体系に新しい文法が加わったのは、どちらも「前作の戦闘システムを引き継いだマイナーチェンジ」タイトルである点が興味深い。
おそらく、戦闘システムを一新するときには、複雑さを増すような操作変更は取り入れにくく、
既に前作での実装があり、バランス調整の時間が取れるマイナーチェンジ版での方が取り入れられやすいのだろう。
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