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okkyの日記: Sandpile on the coaster モデル 2

日記 by okky

これは大昔の本で読んだモデル。
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ビールジョッキを置くコースターというのがありますよね。紙でできてたりする、冷えたグラスの外側に付く水滴がテーブルに垂れるのを防ぐ、丸っこいやつ。あれが宙に浮いている状態を想像してください。

上から砂が少しづつ落ちてきます。砂時計の砂が落ちてくるみたいな感じ。さらさらした砂です。これが少しづつおちてきてコースターのほぼ中央に当たります。

砂はコースターの上に徐々にたまっていきます。

よくみると、砂はまずある程度真っ直ぐつみあがり、あるポイントで積みあがった砂が崩れる、という事を繰り返すのに気が付くはずです。で、全体として円錐形に砂が積みあがります。

やがて砂はコースター全体を埋め尽くし、その上に1つの円錐形を築きます。砂が崩れると一部は山に引っかかるものの、残りはコースターの縁から下に落ちていきます。

コースターの上にどれぐらいの山が築けるかは、砂の性質に依存します。コースターが円形なら、円錐形の頂上の角度は砂の性質にだけ依存し、ここれとコースターの面積から自動的に積み上げることができる山の高さが決まります。

さらさらの砂であれば頂上の角度はあまり鋭くなりません。湿ったような、粘々した砂の場合、頂上の角度は結構鋭くなります。

これが Sandpile on the coaster というモデルです。

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「ある個人がどれぐらいの問題を解けるか」を定性的に説明するときに Sandpile on the coaster モデルを使います。

コースターの面積はその人がどれぐらい物を知っているのかを表します。面積が広いほど、モノを良く知っている。

砂の性質は、その人が自分が持っている知識に対してどれぐらい応用力があるか、を表します。粘っこいほど応用力があり、さらさらしているほど応用力が無い。

そして砂山の高さはどれぐらい複雑な問題を解けるか、を表します。

物をよく知っている人はコースターの面積が広いので、たとえさらさらの砂でも相応の高さの山を築けます。応用力のある人は砂が粘っこいのでコースターの面積が狭くても、相応の高さの山を築けます。
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あなたの周りに頭の良い人がいて、ほとんど何も知らないのに問題をすいすい解けるとしましょう。この人は多分、砂が粘っこいのでしょう。彼と同じぐらい問題を解くにはどうすればいいか? コースターの面積を増やせばよいのです。そうすれば、愚鈍な頭でも同じぐらい問題を解けるようになります。

コースターの面積を増やすのに、自分の頭の中に全部記憶するのは得策ではありません。本を多く読み、どこに何が書いてあるのかを把握し、その本をきちんと確保して、必要になったらいつでも参照できるようにしておくこと。それによってコースターの面積を広げ続けることができるようになります。

ようするに馬鹿ほど予習が大事と言うことです。
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じゃぁ、逆に。粘っこい砂の持ち主の場合は?

コースターの縁の辺りを良く見てください。多くの場合、さらさらした砂は縁を超える砂粒は見つかりません。これに対して粘々した砂の場合、半粒分ぐらい砂が縁をはみ出していることがあります。

そう。応用力がある人は、コースター自身の面積より「ほんの少し」ですが大きな面積に対して円錐形を築いているのです。

そこで、コースターを板状のものではなくレース状の…つまり小さな穴の開いたものに変える事を考えます。

さらさらした砂の場合、穴から砂は落ちていきます。穴の分山の高さは低くなってしまう。下手な穴の開き方をしていると、あるポイントから先は、コースター上に砂がちょっぴり乗っているだけで、残りは全部穴から落ちていくため高さが稼げない…と言う状態になったりする。

しかし、粘っこい砂の場合、砂が互いに互いを支えあって、砂の穴を埋めてしまいます。その上に山を築いていきます。結果、コースターに穴なんか無かったかのように振舞う。

これは何を意味しているかと言うと、応用力のある人間ほど、基礎が大事、と言うことです。基礎が判れば応用は自力で利かせることができる。だから同じだけコースターの面積を広げるならば、徹底して基礎を学ぶ。そうすることでコースターの面をレース状に拡大する。小さな穴がたくさん開いている状態のほうがあいていない状態よりも同じ面を埋めるのに必要な面積は少なくて済みますから、その分早く埋め尽くせる。

逆に応用の効かない人間は、あちこち手を広げずに、じわじわと学習を進めるしかない。
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コースターの面積を広げたとします。さらさらした砂の人の場合、砂はすぐコースター上に散らばり、山の高さが高くなり始めます。すぐまた縁から落ち始めますが。

粘っこい砂の場合、砂はなかなかコースター上に散らばりません。時折山が崩れてコースター上に広がると、なかなか高さが稼げなくなったりする。なまじっか従来のパターンが高効率だったので、コースターを広げるとむしろ一時的に効率が悪くなる。

このため、粘っこい砂タイプの人はなかなかコースターの面積を広げようとしない。つまり、応用力があるタイプほど知識の集積をないがしろにしがちで、それ故に微妙なところで成長が止まりやすい。なまじっか賢い上に、面積を増やしてもすぐ結果につながらないのでいらいらするわけですね。

応用力の無いタイプは、新しいことを学習すると即、それが成果につながるので、いったんそのことを自覚させればゆっくりと学習し続けるようになる。その代わり、このタイプは急速に成長することがありえない。
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自分の砂のタイプをどうやって変えればいいのか、このモデルでは説明してくれなかった、と記憶しています。コースターの面積を効果的に広げろ、としか。

私がいろんな本に手を出しながら、ずーっと本を読み続けるようになったのは、このモデルの話を何だったかの本で読んでから、です。英語で覚えているので、多分小学校3,4年の頃読んだのだと思います。

ふと思い出したので、書いておくことにしました。

この議論は、okky (2487)によって ログインユーザだけとして作成されたが、今となっては 新たにコメントを付けることはできません。
  • そもそも、「さらさらの砂」と「粘っこい砂」っていう違いが、砂遊びの経験が無いと理解できないでしょ(昨今は衛生上の問題があるからと、子供を砂場で遊ばせないようになってますからね)。しかも、砂遊びをするだけじゃだめで、そこでかなり注意深く砂の振る舞いの観察ができてないと、コースターをメッシュ状にしたり、面積を広げた時の砂山の振る舞いの差異もイメージできないと思う。

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    --- Toshiboumi bugbird Ohta
    • まったくもっていけませんな、昨今の風潮は。応接室のガラステーブルの上においてあるレース編みのテーブルクロスの上に砂糖をぶちまけて、それを下から眺めたことも無いようでは、一人前の人間とは呼べませぬ(まてっ、そのレベルかっ、砂遊びじゃなくてっ?!

      これをお遊びと馬鹿にしてはいけませんよ。世の中には粉体工学 [wikipedia.org]という学問ジャンルがあり、粉体工学会 [www.sptj.jp]という学会まであるんですから。

      世のお母様方は、もっとこの砂遊びと言うものを重要視するべきですな。あと砂時計も大きいのをドーンと。居間とかに置くべきです。4時間ぐらいさらさらやってられる奴を(すごく重たそうだ…

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      fjの教祖様
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UNIXはただ死んだだけでなく、本当にひどい臭いを放ち始めている -- あるソフトウェアエンジニア

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