okkyの日記: 後藤隊長がいるかどうかと、後藤隊長が見えるかどうかは別の問題
一つ前の日記 の感想があちこちから飛んできたり、あちこちに書いてあったりするのだが。その中に
「後藤さんはフィクションだからねー」
というのがある。
ンー、そうかな? はっきり言おう。
後藤隊長そのものはそりゃフィクションだが、後藤隊長のような人って結構いる。別に漫画だから、という存在ではない。
ただし、そういう人は普通の人には発見出来ない。あれは漫画の演出だからよく判るのである。君らの観察力では、見つけることは不可能だ。いや、馬鹿にしているのではなく。
良く考えてほしい。漫画であれ映画であれなんであれ、後藤隊長が
「ある人に見せないように別の人にちょっとしたヒントを与えている」
系のシーンは、後藤隊長とヒントを貰った人以外には見えない。
後藤隊長が別の人にヒントを与えているシーンは、最初にヒントをもらった人からは見えない。そして何よりも、「ヒントによって制御されている人(太田さんとか、野明ちゃんとか)」からは後藤さんがそういう事をしている事は、ほとんど全く見えない。
さて。では。後藤隊長が暗躍していることを全く知らない野明ちゃんや太田さんから見たら、後藤さんはどう見えるだろう? どう考えても「普段はのほほんとした上司」ですわな? いろいろ目をつぶってくれるありがたい存在。ちょっとだらしない側面があるおっさん。
後藤さんのやっていることが、普通と違うことを理解するいは、南雲隊長のように常時横にいて、「アレ~?」と思うような結果をなんども見て、それが偶然によるとは考えられないほどの頻度であることを直感で理解しないと駄目なのだ。そうしてから再度観察しなおして初めて、後藤隊長が尋常じゃないことが判る。
後藤さんは「昼行灯に見える」人なのだ。そして彼は「昼行灯に見えていて構わない人」に対して昼行灯として振舞うが、それは殆どの人には昼行灯にしか見えないということだ。彼が昼行灯ではないことを見抜いた上で、その事を勝手に喧伝しないと分かっている相手…信頼できる相手以外には、彼はそのマスクを外さない。
しかも。
彼がそのマスクを外したとしよう。我々は後藤隊長についていけるだろうか?
彼についていくとは、彼と同じレベルの思考速度で、同じレベルの知識レベルで、考えるということだ。漫画の中でそれができそうな人は、内海課長ぐらいなものだ。
我々が後藤隊長の事をすごいと知っているのは、作者が「普通は知りえないこと」を演出としてみせてくれるからだ。わざわざ「解りやすくしてくれている」からこそ判る。
現実世界にそんな演出家はいない。だから簡単には見えない。
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じゃぁ、後藤隊長のような人を見抜けるようになるにはどうすればいいか?
基本的に後藤隊長と同じレベルでモノが見えなくちゃいけない。そうでないと、「何が偶然あり得ること」で「何が偶然の範疇から逸脱していること」なのか見抜けない。
彼が何をやっているのかそのものが見えない以上、「放っておくと何が起こるのか」の確率分布と、「後藤隊長が絡んだ場合に起こる事態」の確率分布の差を見るしか無いからだ。
当然だが、「観察されている」事を知れば、後藤隊長の行動は変わってしまうだろう。だから「観察していること」を知られてはならない。そのような隠密性と、その一方での観察力、情報をまとめ上げる力、推理力などを鍛える必要がある。
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そのように自分を鍛え上げきれなかった人には、後藤隊長のような人は見つけられないだろう。あなたのそばにいる、ずぼらな人がもしかしたら後藤隊長なのかもしれない。
そのように自分を鍛え上げ切れた人なら…後藤隊長のような人が絶対いることを理解できるだろう?
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