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日記

akiraaniの日記: Kindle騒動のおかしな点 4

日記 by akiraani

日経の記事からその後の契約書問題に至る一連のKindle騒動について、ちょっとおかしいと思う点がいくつかあるのでまとめてみたいと思う。

疑問その1:Kindleが売れることが前提になっているのはなぜ?
kindleによって電子書籍業界の勢力図が一気に塗り替えられるという予想が一連の報道でもかなりあったが、どうしてそのような結論が出てくるのだろうか?
ハード性能的には先行で日本で発売しているSonyReaderとさして変わった点があるわけでもなく、ラインナップもこれからそろえようという段階で差別化もなにもあったものじゃない。アメリカで売れてるから日本でも売れるだろう、なんて判断が当てはまらないことは日本の電子書籍事情を追いかけていれば業界人でなくてもわかる話。
普通に考えれば、後発である分不利なのでまともには売れないという判断が支配的になると思うのだが……。

疑問その2:日本向けのカスタマイズ内容について誰も触れないのはなぜ?
Kindleが日本で展開するために行うはずの日本向けカスタマイズの話題が出てこないのはおかしい。
日本での電子書籍展開を考えるとコミックス対応は絶対に避けて通れないが、今のKindleの仕様ではコミックスはまともに読める商品にはならない。なので、日本でKindleStoreを始めるのであれば、ハードにもコンテンツフォーマットにも日本向けの対応がどうしても必要になる。
普通に考えれば、日本向けのコンテンツを確保する前に対応を発表するという順になりそうなものだが、最初の日経の記事以降に発表されたKindle4向けの新フォーマットですらそれが意識されている様子はない。

疑問その3:著作権を出版社が管理する前提になっているのはなぜ?
Kindleの契約内容にしろ、出版社サイドの主張にしろ、作家の著作権運用を各出版社が内部で引き受けることが前提になっているのはおかしいのではないだろうか。
まず、米国ではそのようなシステムにはなっていない。著者の権利は著者本人もしくはエージェントが管理しており、出版社側で統括して管理するといった方式ではないはずだ。一方、他の業界、例えば音楽業界ではJASRAC、RIAJ、CPRAといった業界団体によって権利の管理が行われており、米国でもこれは同様のはず。
どうして業界全体で統括して権利を管理する団体が必要であるという認識がないのか。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by uzume (19228) on 2011年11月01日 14時40分 (#2043256)

    >Kindleが売れることが前提になっているのはなぜ?
    Kindle Wifi付はShipping込みでも約10000円、
    ReaderのWifi付は実売で約18000円
    半額です。機能的に変わらないものが半額で購入できるとき、
    いずれが選ばれるかは明白かと。

    >日本向けのカスタマイズ内容
    Kindleというか電子ブックに多機能を求めすぎていませんか?
    本を買う、読むという基本的な機能があればそれで充分では?

    実際にKindleを触ると、
    ・日本語入力が出来ない(検索が使い物にならない)
    ・コミックを見る際、見開きの表示には解像度が不足
    の2点が実用上気になる程度です。前者はソフトウェアキーボードにて
    解決可能かと思います。後者は何とも成らない所ですが、それはReaderでも同じ事。

    >コミックスはまともに読める商品にはならない
    4コマのみならず一般的なコミックもスキャン後に
    Kindleの解像度に合わせるだけで普通に読めます…見開き以外は。
    私から見れば、一コマずつに分割して表示される
    携帯コミックはまともに読める代物では有りませんが、
    携帯コミックが広く受け入れられている現状を鑑みると、
    Kindle程度の表示でも十分受け入れられるのでは?

    >著作権を出版社が管理する前提になっているのはなぜ?
    殆どの著者に管理能力が無く、出版社がその役割を果たしているから、
    ではないでしょうか。

    個人的には、
    ・教科書、学術書、データブックなど思考の補助となる書籍
    ・絵本
    ・美術書、写真集
    等の「印刷体でなければ成らない物」以外は電子書籍としても問題ないかと思います。

    • Kindleと同じ解像度の電子ペーパー製品を店頭で何度か触ったことがありますが、解像度不足はどうしようもないというのが正直な感想ですね。
      展示品で小さめのフォントを使っていることはまずないので、ぱっと見はわかりにくいですが、ルビ表示をみるとつぶれかけてるのがわかります。版形が大きな書籍だと、さらに影響は大きいかと思います。

      マンガだと、見開きでなくともトーンのモアレとかが確実に問題になりますね。解像度が足りないのももちろんですが、16階調グレースケールで表示する以上、この問題は絶対に避けて通れません。

      トーンがモアレていようがルビがつぶれていようが、気にしない人はたいして気にしないだろうし、読めることは読めるでしょうけどね。

      ちなみに、携帯コミックがOKなんだから解像度の問題ではない、という意見はよく見かけますが、それは認識としては正しくないです。
      例えば4コマ漫画なら、コマあたりに占める紙面の大きさは1/10以下、QVGAの携帯電話画面で表示しているとは言っても、コマ分割しているので紙面あたりの解像度でいえばXGAよりも上です。
      その上、ものによっては簡単な動きがついたりSEが入ったりするわけで、解像度で劣るにしても他の部分でメディアとしてマンガよりも表現力に優れている点がいくつもあります。
      つまり、携帯向けコミックは相応の手間をかけて駒分割することで、紙に印刷されたマンガにはない商品価値を生み出しているわけです。場所をとらないのだけが取り柄の手抜き電子書籍とはわけが違います。

      --
      しもべは投稿を求める →スッポン放送局がくいつく →バンブラの新作が発売される
      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2011年11月01日 13時33分 (#2043220)

    > 疑問その1:Kindleが売れることが前提になっているのはなぜ?

    日本で電子書籍が普及しない原因となっている「誰か」がいて、
    「Kindleが売れて電子書籍業界の勢力図が一気に塗り替えられる」事で、
    その「誰か」が追い詰められて俺達がハッピーになる、

    と、(そう主張する人達は)信じているから。
    もうほとんど願望と言ってもいいw

    > 疑問その2:日本向けのカスタマイズ内容について誰も触れないのはなぜ?

    今回騒いでる人達は、実際の電子書籍には余り興味が無いから。
    興味がある人は、もう昨年までに十分に騒いだ。

    > 疑問その3:著作権を出版社が管理する前提になっているのはなぜ?

    貴方の言う通り日本ではそれをするエージェントがおらず、
    また、著者の大部分は自分で考えずに出版社の言うがままなので、
    団体を作るにしてもエージェントを用意するにしても、
    それを(A社が)出版社に要求するのは、
    それほど不思議な話ではないと思いますよ。

    • by Anonymous Coward

      ・amazonは自力で物販までやってるって点が完全に抜けてます。
      ・Sonyはハードが売れないと困るけど、amazonは売れなくても困りません
      (ほとんどの環境でKindleの本が読めます、データさえ売れればいいんです)

      この二点だけで十分じゃないかな、これと同等の状況を作れる会社が他にあれば別ですが。

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未知のハックに一心不乱に取り組んだ結果、私は自然の法則を変えてしまった -- あるハッカー

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