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yasuokaの日記: 常用漢字表の改定と人名用漢字 4

日記 by yasuoka

今朝の朝日新聞(大阪版、第46014号)に、白石明彦の『常用漢字表試案、意見を募集中、24日まで』という記事が載っていた(p.17)。

常用漢字の表で、最初の試案では1点の漢字を備考欄に小さく示したのに対して、「遡[遡]」というように、2点の漢字と同じ大きさで併記する妥協が図られた。

うーむ、新聞紙面だと「遡[遡]」が書き分けられる(最初の遡が2点しんにゅうで、角カッコの中の遡が1点しんにゅう)けど、slashdotのこのページでは無理がある。フォントを指定すれば、まだ何とかなるのだが…。

ちなみに、常用漢字表の許容字体が、こういう風に大きく書かれる形になってしまうと、法務省としては、両方の字体を人名用漢字に認めざるを得なくなってしまうように思える。だって、2点しんにゅうの「遡」よりは1点しんにゅうの「遡」の方が、どう見ても常用平易だもの。でも、もしそうなったら、さて、JIS X 0213としては、どうするべきだろう?

この議論は、yasuoka (21275)によって ログインユーザだけとして作成されたが、今となっては 新たにコメントを付けることはできません。
  • 漢字小委員会で一点しんにゅうを本欄に押し込んだ日本新聞協会の金武さんは、2004年当時の民事法制審議会委員でしたね。
    この人が改定後に再び委員になったら、当然そこでも一点しんにゅうの平易性を主張するはず。
    いくら改定常用漢字表の方でJIS漢字に最大限の「配慮」をしても、人名漢字に入ったらJISは包摂分離せざるを得ませんな。
    もしかしたら、金武さんは稀代の喧嘩師なのかもしれません。
    • 一点之繞と二点之繞とは、印刷書体と手書きとの関係では、便宜的というよりは実際上包摂されているものなので、それを包摂分離すると、符号化が冗長かつ曖昧になるだけでは? もともと違っているものを一つに包摂することには、略体化の効果としての効率の向上が(少なくとも理念的には)考えられますが、もともと同じものを分離することは、効率の低下しか望めません。字体と書体や書記方法との相互関係を、恣意的にスパゲッティ状態・混乱状態に陥らせる効果を狙っているなら、どんどん包摂分離してみればいいでしょう。さぞ、ダダイストも考え付かなかったような文化的退廃が実現できて、それを喜ぶ人にとっては、それでよいのかもしれません。最後には何が文字なのかが分からなくなるはずです。単なる白黒のパターンの差異でしかなくなります。新聞協会さんに試してもらえば、それによってどういう世界が現れるか分かるかもしれませんね。
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  • by yasuoka (21275) on 2009年12月09日 11時48分 (#1686019) 日記

    人名用漢字ってのは、すでに「逸」と「逸」を分離してるくらいですし、点1つの差という意味では「都」と「都」すら分離してますから…。金武さんでなくても、1点しんにゅうの「遡」と2点しんにゅうの「遡」を両方とも人名用漢字に欲しくなるのは、まあ、仕方ないかな、と。

    ちなみに、今日付けの日経コンピュータ [nikkeibp.co.jp]に『新常用漢字表が迫るUnicode移行、「シフトJIS」では対応不可能』(pp.89-93)ってのを書きましたので、よければごらん下さい。

    • by naka64 (4590) on 2009年12月26日 17時52分 (#1694671) 日記

      平成2年民2第5200号民事局長通達の第1の1の(2)が平成17年時点から変わっていなければ、3部首許容は保証されているのでは、と思っていたのですが…。
      確かに戸籍統一文字コードのデータベースの書き方が変ですね。
      逆にその点は戸籍統一文字コードに任せて、JISは情報機器や印刷サービスの商品性から判断するということで良いのでは。

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UNIXはシンプルである。必要なのはそのシンプルさを理解する素質だけである -- Dennis Ritchie

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