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yasuokaの日記: 鉄道院のヘボン式ローマ字採用 1

日記 by yasuoka

鉄道博物館ライブラリーで『鉄道公報』をチェックしていたところ、第1312号(大正5年12月21日)のpp.1212-1213に「驛名假名文字及羅馬字ニ就テ」という注意事項を見つけた。ざっと読んでみたところ、駅名標や切符に使う仮名やローマ字を定めたものだった。ローマ字は完全にヘボン式で、「撥音m,p,b,ノ前ニハm其他ハnヲ用ユルコト」なんて但し書きがついている。つまり1916年12月21日のこの時点で、駅名標のローマ字はヘボン式に統一されたということだ。

しかし、だとすると、私(安岡孝一)が『NかMか』(漢字と文化, 第9号 (2006年11月), pp.5-8)に書いた

1927年4月20日,鉄道大臣に就任した小川平吉(1870-1942)は,この混乱に終止符を打つべく,同年7月2日付の達571号で,駅名標のローマ字を「ヘボン式」と定めた。実は同年4月7日の達296号で「ヘボン式」の採用は決まっており,それを念押ししたのだ。

には微妙にウソがあって、1927年4月7日どころか1916年12月21日には、ヘボン式の採用は決まっていたということになる。訂正を出そうにも『漢字と文化』はとっくに廃刊だし、うーん、さて、どうしようかな…。

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