yasuokaの日記: 日本語版Wikipediaに「ショールズ・アンド・グリデン・タイプライター」登場 8
日記 by
yasuoka
日本語版Wikipediaに「ショールズ・アンド・グリデン・タイプライター」の項目ができた、と連絡を受けたので、さっそく見に行った。正直言って、かなりヒドイ。Abner Peelerも、Charles Edward Wellerも、Edward Payson Porterも、George Harringtonも、Daniel Hutchins Craigも、Thomas Alba Edisonも、ここには現れない。死ぬまでタイプライターに付きあったCarlos Gliddenが、開発途中で去ったことになってしまっている。Western Union Telegraphは当時シカゴにあったのに、ニューヨークのAmerican Telegraph Worksと混同されちゃってるし。
手を入れようかとも思ったのだけど、何かパラレルワールドの歴史を読んでるかのような不気味さで、どこから手を付けていいかわからない。下手に編集して「独自研究」とか言われるのもヤだし、やはりここは「集合知」とやらにまかせて、生温かく見守っていればいいかな。
文献化するしかないのかも (スコア:3)
独自研究と言われないためには文献ソースが必要なので、ソースとしての文献を作る(学術雑誌に投稿するか、それなりの書籍を出版するか)しか解決策はないのかも。
Re:文献化するしかないのかも (スコア:1)
そう思って『キーボード配列 QWERTYの謎』 [nttpub.co.jp]とか『On the Prehistory of QWERTY』 [handle.net]とか書いておいたんですけどね。こういうのじゃ、Wikipediaではダメなんだろうなあ。
英語版は秀逸な記事 (スコア:2)
秀逸な記事に選ばれている英語版をそのまま翻訳した記事なんですけどねぇ。
英語版じゃそういうことをチェックしていないのか…。
とりあえず安岡さんが最初にチェックを入れた「間もなくソウルとグリデンが去り」のところ、
翻訳者が出典を補ったので、たどってみました。
使われている出典はArchive.org [archive.org]にスキャンしたPDFやOCRかけたテキストが置いてあり、
指定されている328ページを見てみると、
"At this stage of affairs, Soule and Glidden retired from the scene, leaving Sholes and Densmore in sole possession of the patent"
確かにソウルとグリデンは途中で去ったことになっていますね。
とても秀逸とは言い難い (スコア:1)
George Ilesの『Leading American Inventors』は、かなりガセが多かったので、『キーボード配列 QWERTYの謎』ではあえて引用しなかったのですが…。とりあえず私のブログ [blogspot.jp]に反論を書いておきました。U. S. Patent No.200351とかNo.470874とか、誰もちゃんとチェックしてないんだろうなぁ。
Wikipediaは二次史料のみに基づく「歴史」を書くところでした (スコア:1)
今回は、どうやら私(安岡孝一)の方が、大人げなかったようです。顛末をここ [srad.jp]に書いたので、よければごらん下さい。