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日本

yasuokaの日記: 「竓」はいつ公式に「ミリリットル」になったのか

日記 by yasuoka

思うところあって、「竓」が公式な形で「ミリリットル」として使えるようになったのは、いったいいつのことなのか調べてみた。というのも、中央気象台が明治24年7月に発表した「メートル」法度量衡記號(氣象集誌, 第10年, 第7號, pp.361-362)では、「竰」(センチリットル)や「粍」(ミリメートル)はあるものの、「竓」は無いからだ。また、明治36年12月4日農商務省令第10號「度量衡法施行細則」第4條においても、「ミリリットル」の略字に関する記述は無い。

明治42年6月26日農商務省令第28號「度量衡法施行細則」改正の際には、第29條に『10分ノ1「センチリットル」』の略字として「CC」が現れるものの、「竓」に関する記述はない。私(安岡孝一)が調べた限りで、「竓」が度量衡法関係法規に現れるのは、略字が施行細則から施行令へ格上げになった大正13年5月15日勅令第17號「度量衡法施行令」改正で、第1條ノ2に「ミリリットル」の略字として「ml又ハ竓」が現れる。

しかしながら、これ以前の化学書、たとえば小川正孝『新撰化學實驗法』(開成館, 明治43年2月)では、「竓」が「ミリリットル」として、ごく普通に使われている。うーん、いわゆるデファクトスタンダードだったのかしら?

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私は悩みをリストアップし始めたが、そのあまりの長さにいやけがさし、何も考えないことにした。-- Robert C. Pike

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