イヤなことを忘れる脳 6
ストーリー by yourCat
能天気の仕組み 部門より
能天気の仕組み 部門より
KAMUI曰く、"YOMIURI ON-LINE の記事によると,アメリカの研究グループが「脳が積極的に記憶を失う」仕組みを明らかにした。アメリカの科学誌『Science』に掲載された (Science 303: 232-235, 2004)。
実験には脳の活動を外部から観察できる機能的MRI (fMRI) を用いた。24人の被験者に一対の言葉を記憶させ,その片方を提示している間にもう一つの言葉を思い出したり,意識的に考えるのを避ける様に指示した。その結果,意識的に考えない様に記憶を「抑圧」している状態では前頭葉の一部で活動が高まり,記憶を司る海馬の活動が低下したのが確認された。またこの状態では実際に記憶が損なわれているという結果も示された。
記憶が形成されない様に「前頭葉が海馬に司令している」と推測されるが,これによって記憶が永久に消えるのかは不明だという。"
前回の実験 (Nature 410: 366-369, 2001) をfMRIを使って観察したもので、活動部位の特定が期待されていた。
fMRIによる脳活動の分析 3題 (スコア:2, 興味深い)
被験者 :大学生の男女各6人
実験方法:一度も会ったことのない異性の写真を見て好き嫌いを判断
分析結果:「好き」 大脳の後部の視覚や形の判断と関係する部分が活動
「嫌い」 大脳の側面の言葉の理解と関係する部分が活動
参考リンク:実験を行った東北大学の川島隆太教授のHP [tohoku.ac.jp]
「好き」は直感的、「嫌い」は論理的という事でしょうか。
なんで好きなんだと聞かれても・・・・というのはこれが原因 ?
2 “同じ部分でも性別によって働き方が異なる”
被験者 :成人男女(結果は子供の有無とは無関係)
実験方法:幼児の音(何か言っているらしいレベル)を聞かせる
分析結果:男性は脳の中の雑音を処理する部分が活発に働く
女性は同じ部分が働かず、情報が他の部分に伝達される
参考リンク: Nature記事 [nature.com]
男性の脳にとって幼児の不明瞭な言葉は雑音だったわけですね。
泣き叫ぶ幼児に対して受け答えをする母親、ウンザリする父親
というのはこのあたりに原因があるのかもしれないですね。
3 “脳には女好き細胞が存在する”
被験者 :異性愛男性と同性愛男性
実験方法:女性の写真(例示 [big.or.jp])を見せ、脳の活動部位を記録
分析結果:異性愛男性で活動していた部分が、同性愛男性では活動しない
異性愛男性と同性愛男性では脳のその部分の容積も違うそうです。
ちなみに女性の場合、視覚刺激があまり有効でない為
同じ手法は使えないそうです。
情報提供者のプライバシー保護(笑)の為 リンク無し
脳の活動状態が観察できるというのは凄いことですね。
記憶や学習に続いて、「感情」についても研究が始まっているようです。
でも携帯型感情読みとり機が出来たりしたら、ちょっと怖いかも。
Re:fMRIによる脳活動の分析 3題 (スコア:0)
「私は、嫌いなものがあったら、それを徹底的に研究する」
と言ったエライ人がいたっけ。
「好き」は快だから抑制はいらないが、
「嫌い」は不快だから脳のレベルで抑制(理屈に逃げる)す
覚えない/思い出せなくなる/記憶が壊れる (スコア:2, すばらしい洞察)
思い出さない>海馬の活動が低下>記憶が強化されない>海馬の活動が低下>最初に戻る
というループになっているだけで、記憶を「消して」いるのとは違うようですね。能動的に忘れている(変な言い方ですが)のなら、むしろ海馬の活動が活発になってもおかしくはないでしょうし(記憶を「壊して」いないという証拠もありませんが)。
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Scienceって、登録ユーザーでないとアブストラクトも全文も見られないのか・・・全文だけなら非登録ユーザーに公開してもあまり痛くなさそう(むしろメリットが大きそう)だけど、そうでもないのかしら。
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脳は、通信需要に合わせて、ネットワーク資源の割り当てをある程度動的に行っているので、「思い出せなくなる」というのは経路が細くなってパケットが届きにくくなるということで、「覚えない」というのは通信可能な閾値以上に太い経路ができあがらないということ(変な喩えだけど、たしかそうだったはず)なので、前頭葉が関わっている部分としては、そのいずれかもしくは両方が考えられますね。
# いずれにせよ「嫌な記憶」って表現には語弊があるかも。
yp
Re:覚えない/思い出せなくなる/記憶が壊れる (スコア:2, 参考になる)
リコー [ricoh.co.jp]が日本語要約を公開してる様です
・・・って,現時点では 2日のやつしか出てないな。
あと,田辺製薬 [tanabe.co.jp]も要約を公開しています。
ん~,こちらでも件の記事は翻訳対象になってないか・・・
「嫌な記憶の抑圧に関わる神経系メカニズム」ですね。
経験的に (スコア:0)
繰り返していくと忘れられるように思われます。
たとえば、他人に受けた暴力とか、
精神的なショックなんかを忘れようとして、
「寝たら忘れる」みたいな自己暗示を掛けた状態になってくると、
目覚めたときには、さっぱり忘れられるようになります。
ただ、記憶が完全に消えるかどうかは不明です。
# こんなこと絶対IDで書けないのでAC
なるほど (スコア:0)