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卵子不要のES細胞 14

ストーリー by yosuke
問題解決に向かう第一歩 部門より

読売新聞の記事毎日新聞の記事によると、ハーバード大のChad Cowanらは、人間の皮膚細胞と既存の胚性幹細胞(ES細胞)を融合させることでES細胞と同等の能力をもった細胞ができることを発見した(ハーバード大のプレス・リリースHarvard Stem Cell Instituteのプレス・リリース)。論文はScienceの8/26号に掲載される。
作製された融合細胞は、皮膚細胞由来のものとES細胞由来のものである通常の2倍の遺伝子を持つ。しかし、この操作によって皮膚細胞由来の遺伝子が未分化の状態となり、筋肉や神経の細胞に分化する能力をもつことが確認された。もし、融合後にES細胞由来の遺伝子を取り除くことができ、それでもこの能力が失われなければ、新しいES細胞の作成方法となり得る。この方法が確立されれば、卵子を使用しなくてすむようになるため、これまでのES細胞の研究についてまわっていた倫理的な問題が解決される可能性がある。
ただし、研究者らは、「今回の方法が実際に使えるようになるにはかなりの障害がある」とし、「ES細胞を使った研究はこれまで通り進めるべきだ」と発言している。また、「今回の方法も既存のES細胞を使用するため、万人にとっての倫理的な問題を満足させているとは思わないが、多くの人が受け入れられるものだと信じている」とも発言している。
ブッシュ政権は倫理的問題からES細胞の研究を規制していたが、ハーバード大倫理委員会は独自の判断でES細胞の作成を条件付きで認めていた

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • #以前似たような主旨の発言をどこかでした覚えがありますが……

     いわゆる臓器移植って、金に物を言わせてその気のない社会的弱者を無理やりドナーに仕立て上げる危険性をはらんでいるわけで、倫理的観点からも問題であると思います。
    #借金のかたに臓器売り飛ばす、とかそういう話ね

     理屈の上ではありとあらゆる臓器移植の代替となるES細胞技術は、この問題を技術的に解決できます。わざわざ危険を冒して他人の臓器をもってこなくて良いわけですから、実用化すれば非合法な臓器売買も一掃されると思いませんか?

    #といっても、倫理的なことを問題視する人にはトータルコスト面のでの話は通じないんだろうなぁ……。

    --
    しもべは投稿を求める →スッポン放送局がくいつく →バンブラの新作が発売される
    • まだまだ先は長いですよね。

      ここでいってる倫理問題ってのは、研究のためにとはいえ胚からとってくるES細胞を使うことは許されるだろうか、ということですよね。 臓器を作ってよいかとかビジネスにしてよいかとかはまた別の話。

      ですが、今回のでもっと気軽に研究できるようになれば、それはすごく良いことだと思います。

      親コメント
  • by oddmake (1445) on 2005年08月23日 11時40分 (#785772) 日記
    記事 [slashdot.org]になっていました。

    不妊治療の過程でどうせ捨ててしまう胚を利用するのだから、従来の胚の利用も認めるべきだとかそんなコメントが目立つようですね。
    ざっと見た限りでは。

    新鮮な卵はおいしい [slashdot.org]とかいうコメントが高い評価を受けているのがなぞですが(オフトピックでは?)
    --
    /.configure;oddmake;oddmake install
  • by deleted user (19654) on 2005年08月23日 8時08分 (#785684) ホームページ 日記
    ttp://www.yomiuri.co.jp/policy/link/ によると
    読売新聞のサイトにある個別記事へのリンクは、原則禁止です。
    ちゃんと了解をとったのでしょうか……。

    編集者は各社の「リンクポリシー」などのページを
    よく読んでください。こっちが心配になっちゃうので。

    # 小心者なので ID
    • >リンクポリシー

      > ヨミウリ・オンラインへのリンクは、原則として自由

      一番初めにあるのが大原則では?

      以下に例外が連ねてあるが、それは「リンクは自由か?」という別の話題でどうぞ。
      • >> ヨミウリ・オンラインへのリンクは、原則として自由
        >
        >一番初めにあるのが大原則では?

        俺解釈は結構。

        >リンクはヨミウリ・オンラインの(略)トップページにお願いしております。

        つまり奴らのいう「ヨミウリ・オンラインへのリンク」てのは、
        トップページへのリンクのこと。でなきゃ文章として成立しない。
        • ツッコミどころが違う。

          >見出しを表示される場合は、読売新聞社から別途、承諾を得てください。場合によっては、使用料を支払っていただくこともあります。

          見出しの一部、まるごと使っているじゃないか。
  • by Anonymous Coward on 2005年08月23日 11時44分 (#785773)
    これが公表されたのは2ヶ月ほど前なのですが、
    その時は日本では話題になりませんでした。
    その後になんらかの進展があったものではないようですね。
    (参考:News@Nature.comが掲載した2ヶ月前の記事 [nature.com]  [mypress.jp])

    科学的業績の価値を計るものさしは、サイエンス誌への「掲載」?

       # 今回の日本での報道ぶりが興味深いので 敢えて訊いてみる
    • by Anonymous Coward on 2005年08月23日 12時03分 (#785784)
      業績の「価値」を計るというより、その業績の「信頼性」を計るものさし。平たく言うと。鑑定書のない宝石を「一億円の価値があるよ」と言われて、それを真に受けるのかどうかってことです。
      見たところ前回の発表は学会発表のようですが、査読があるかどうかも判らない学会発表だけでは、その実験の信頼性が十分に保証されてるわけではありません。本当にその実験方法で、研究者が主張するような結論が導かれうるかどうかということを、その道の専門家が査読し、それでオッケーを出したということで、初めて信頼性が保証され、その上で「価値」が本当のものになるのです。
      親コメント
      • 当然の事ながら「信頼性」が得られたところで新聞報道がされているわけですが … 「鑑定書」を発行するのが何故「海外の科学雑誌」だけなのか? という部分はいかがでしょう?

        最近、日本の科学者達は何故「捕食者」がいる海外の科学雑誌に最先端の研究論文を投稿するのか? という話が出ていました。何故「鑑定書を発行できる日本の科学雑誌」が育たないのか? という部分でもあるのですが。

        此処の場合、本来「価値・信頼性」が「権威筋」から保証される前に、「話題」として
        • んー、まぁ要するに、新聞記事に出た段階のレベルだと、
          このコメントの最初の二行で終わり [srad.jp]ってことです。
          • きちんと論文として報告するのであれば、実験手法も添えて投稿することになります。場合によっては第三者の再現実験を行うことも可能なので、この実験手法を明かすと言うのはとても重要なことです。(かつて再現実験によって結果を否定された論文も存在します)
            新聞記事やnature newsでは概要の解説はなされていても、実験手法まで明らかにされていないと思うので重要視するに値しないと解釈されたのではないでしょうか。
            個人的にはサイエンス誌よりネイチャー誌にふさわしい内容と思っていますが、アメリカの大学である以上サイエンス誌に投稿する気持ちも判らなくはないです。

            ちなみに・・・国内で一流の雑誌を育てる、という感覚がイマイチ解りません。既に研究自体国内だけで完結しませんし、一流の雑誌で査読を行っているのはその国の人とは限りません。あくまでその雑誌の編集部が日本にないという程度と解釈しています

            親コメント

          • では「新聞報道のコピペ」で必要十分ですね
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長期的な見通しやビジョンはあえて持たないようにしてる -- Linus Torvalds

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