パスワードを忘れた? アカウント作成
116222 story

アルゼンチンアリ、全世界規模の「メガ・コロニー」を構成 25

ストーリー by soara
遠く故郷を離れても純血を守っています 部門より

TarZ 曰く

アルゼンチンアリというアリがいる。このアリは南米原産だが、主に人間の経済活動で運ばれることによって、今では南極を除く世界各地に広がっている。日本でも繁殖が確認され、特定外来生物被害防止法では、ブルーギル、セアカゴケグモなどと並んで真っ先に特定外来生物指定されたほど問題になっている。

アルゼンチンアリはときに長さ数百kmを超える巨大なコロニー(super-colonies)を構成することがあるが、コロニーの一つはどうやら全世界規模のサイズに達しているらしい、いう研究結果が出た(本家記事BBC News)。

通常アリは、同種であってもコロニーごとにニオイ(アリ体表の化学物質の組成)が異なる。このニオイによって他のコロニーのアリを識別し、競争相手とみなして闘争する傾向があり、これはアルゼンチンアリでも同様だ。

しかし、ヨーロッパ・地中海沿岸(関連過去ストーリー)とアメリカ・カリフォルニアで存在が確認されているアルゼンチンアリの巨大コロニーと、遠く離れた日本の巨大コロニーのアリを調べたところ、これらのアリは互いを同一コロニーの仲間として受け入れる行動が見られた。つまりこれらのコロニーは、これだけの距離を隔てているにもかかわらず、元は単一のコロニーから広がっていった、一つの巨大な「メガ・コロニー」とみなすことができる。この「メガ・コロニー」は全世界をカバーする規模に達しており、これまでに知られたいかなる昆虫コロニーよりも巨大なものになりそうだという。

アルゼンチンアリが版図を広げる際の特徴は、Wikipediaに詳しい。それに加えて、人間によって少数のアリが運ばれた先で帰化生物として繁殖する場合、侵入した際の遺伝的リソースが少ないため、単一のコロニーのまま版図を拡大する傾向がある。複数の大陸・島をまたがる「メガ・コロニー」構成にいたったのは、これらの要因が背景にあるようだ。

タレコミ子は東京在住だが、東京でも去年あたりからアルゼンチンアリの目撃報告がちらほら出始め、本格的な繁殖も近いかと恐怖している。皆さんの地域周辺はいかがだろうか。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by tsugiharu (17306) on 2009年07月04日 23時59分 (#1599438)
    2〜3年前のニュースで、当時すでに広島から名古屋までコロニー(一つのトンネル)でつながっている、と聞いた事があります。それから数年後の現在、青森から山口まで、日本海から太平洋まで、日本の地面の下は一つのコロニーが縦横無尽に形成されているのではないかと思います。
    • by Anonymous Coward on 2009年07月06日 0時24分 (#1599816)

      >2〜3年前のニュースで、当時すでに広島から名古屋までコロニー(一つのトンネル)でつながっている、と聞いた事があります。

      どこかの番組の嘘(思い込み?)が広がっただけであり、
      今回と同じく同種のアリのグループというのが真相だったはずです。

      そもそも人間で言えば、言葉やミトコンドリアが同じ・・・という程度の話であり
      明示的な連携のない、遠く離れた個々のブループを「コロニー(集落)」と定義するのは誤誘導に感じます。

      親コメント
    • by Anonymous Coward
      所さんの番組でぜひ一度取り上げて欲しいんだ
      当然、矢野さんが実際に掘ってみましょうとか

      # 所ジョージのメガ・コロニー
      • by Anonymous Coward

        > 当然、矢野さんが実際に掘ってみましょうとか

        でも、実際ひとつのトンネルでつながってるなんて、どうやって調べたんだろうか?素直に疑問。

  • by oddmake (1445) on 2009年07月02日 20時20分 (#1598336) 日記

    さあ、気ちがいになりなさい [amazon.co.jp]

    # ネタバレになるかもしれないけど、この本の表題作を読んでからこの話を聞くとさらにゾッとする気分になれることうけあい!

    --
    /.configure;oddmake;oddmake install
  • by Lafiell (6631) on 2009年07月04日 14時16分 (#1599274)

    どうもコロニーと聞くとシャーレの上にぽちぽちと広がる細菌とか、果てはオープニングで
    地球に落ちてくるやつとかが思い浮かぶのですが、要するに『大規模な植民地』と言う理解で
    いいのかな。同一の種ではあっても、生活を共にしている訳ではありませんし。

    セアカゴケグモは結局冬暖かな西日本に定住してしまいましたし、このアリさんもそのうち
    クロアリを絶滅させながら植民地を広げるのでしょうね。

  • なんか、コロニーと言うよりも、血液型とか、そんなイメージが。
    コロニーを識別する匂いとかの種類が有限で、
    その種類が同じだから、コロニーが同じだと勘違いしているというか。

    --
    TomOne
    • もっと積極的に匂いを偽装している可能性とかってありませんかね? それにより, 同族はもとより他の土着のアリからの攻撃も回避しているとか.

      親コメント
      • by Anonymous Coward
        ここはいっちょアズマモグラに出番を発揮して欲しいもんだ
    • 多分、そのアナロジーが通用するのは日本だけでしょう。
      だって、人間は人間の血液型を外見的特徴から区別できないんだから。
      性格と言う外見的特徴から区別できると思い込んでいる人は多いけれど。

      親コメント
    • >コロニーを識別する匂いとかの種類が有限で、

      もっと単純な例としては、関西人はどこでも関西弁使ってコロニーを作るとか、
      中国人はどこにいってもチャイナタウンを形成して中国語がある程度通じるコロニーを作るとかね。

      ユダヤ人はどこでも金貸し(高利)をやっているとか、
      オランダ人はどこでも(異空間でも)彷徨っているとか、
      ベルギー人はどこでもワッフルを焼いて売っているとか、
      イタリア人はどこでも(砂漠だろうが)スパゲティを茹でるとか、
      イギリス人はどこでも(エベレストだろうが)紅茶で一服するとか、
      日本人はどこでもメガネしていてカメラを肩からぶらせげてるとか、
      ロシア人はどこでも(シベリアだろうが)ウォッカで生きていけるとか...

      親コメント
    • by Anonymous Coward
      同感。それぞれのコロニーが物理的に繋がってるわけでもないしなぁ。
  • by motamota (30138) on 2009年07月04日 20時45分 (#1599367)

    異なる巣に属するコロニーの間で互いに闘争して排除しあうため、侵入先におけるような超巨大コロニーは形成できない。よって原産地では他種のアリを駆逐することもなく共存している。

    侵入先に原産地から多様なコロニーをわざと移植して、アルゼンチンアリ同士で牽制させることで過度の繁殖を阻止できないかな。

  • アナ「臨時報道をお送りします。世界各地でアルゼンチンアリが出現しています。アルゼンチンアリは、
      地中深くに巣を作り、増殖しているようです。その数は、もはや天文学的な数に
      膨れ上がっている可能性があります。現在危険区域の特定はできていません。
      今後の報道に注意し、指示があり次第いつでも避難できるよう、
      準備を怠らないようにしてください。」
    隊員「こんな…こんな巣が東京中に広がっているのか?
    隊員「東京だけじゃないさ。ロンドンも同じ状況のはず。以前やつらが現れた場所は、
      みんなこうなってると考えたほうがいい。
    隊員「それってつまり…」
    隊員「そうさ、世界全土がやつらに汚染されてる。地球はもう人間の星じゃない。
      アルゼンチンアリの、養殖場なんだ!」

    #既出かどうか確認してないけどID

    --
    #もう駄目だ もうおしまいだ 鬱だ死のう
  • by Anonymous Coward on 2009年07月04日 14時38分 (#1599282)

    それに加えて、人間によって少数のアリが運ばれた先で帰化生物として繁殖する場合、侵入した際の遺伝的リソースが少ないため、単一のコロニーのまま版図を拡大する傾向がある。複数の大陸・島をまたがる「メガ・コロニー」構成にいたったのは、これらの要因が背景にあるようだ。

    裏を返せば、同一の遺伝的弱点を持ってる可能性もあるということか。
    世界中にばらまかれたアルゼンチンアリにとって脅威の感染症があれば、世界中のアルゼンチンアリを根絶やしにできるかもしれない。

    • by Technobose (6861) on 2009年07月04日 16時08分 (#1599302) 日記
      今十万年位前、人類は2000人前後まで激減して滅亡のふちにたったことがある、という学説を思い出した(ボトルネック効果 [wikipedia.org])。
      けど、繁殖していくなかで、突然変異がおきて、また多様性を持っていくんだよねぇ。きっと。
      外来の害虫として根絶やしにするには、残された時間は短いかも。
      親コメント
    • 私もそう思ったんですが、wikipediaによると

      しかし、原産地である南米においては、巣間や地理的に隔離された地域間にもともと遺伝的多様性が生じているので、異なる巣に属するコロニーの間で互いに闘争して排除しあうため、侵入先におけるような超巨大コロニーは形成できない。よって原産地では他種のアリを駆逐することもなく共存している。

      とあるので、遺伝子の一様性を利用して根絶できるのは、南米以外のアルゼンチンアリだけのようですね。
      元の状態にもどるわけで、その方が都合がいいですけど:-)

      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2009年07月04日 23時51分 (#1599434)

    昆虫の複眼ってドーム型のコロニーに見えなくもないな。

  • by Anonymous Coward on 2009年07月05日 17時05分 (#1599633)

    交流もないのに同じコロニーとみなすのは
    いささか乱暴ではないでしょうか?

typodupeerror

あと、僕は馬鹿なことをするのは嫌いですよ (わざとやるとき以外は)。-- Larry Wall

読み込み中...