マイクロソフトの副法律顧問、世界共通の特許システムを提唱 21
ストーリー by soara
次は税法を一緒にしろと言い出しそう 部門より
次は税法を一緒にしろと言い出しそう 部門より
あるAnonymous Coward 曰く、
マイクロソフトの副法律顧問Horacio Gutierrez弁護士は同社のブログで世界共通の特許システムを提唱したそうだ(CNET Japan・本家記事)。
審査中の特許は世界で350万件あり、米国だけでも75万件もの特許が審査中とのこと。特許が降りるまでに4-5年かかることも稀ではないという。「全てのものが接続しあい、グローバルビジネスやコラボレーションによるイノベーションが進む今日の世界では、単一のシステムによる世界的特許システムが必要である」とGutierrez弁護士は提唱しているそうだ。
同弁護士は他国での特許審査プロセスを迅速化する「特許ハイウェイ」や日米欧と韓国および中国の特許庁が提携した特許システム「IP5」を評価してながらも、世界的な特許システムの実現することにより、より簡単かつ迅速に知的財産が施行できるとしている。また、単一の特許システムを確立することはイノベーションを進め、広い認識を高め、競争を促し、さらに経済成長や雇用も促進すると主張している。
公開は世界中、権利は国内のみ (スコア:2, 参考になる)
特許は、新技術の独占権を一定期間認める代わりにその技術を公開させるというものですよね。
公開してしまえば見るのは誰でも自由ですが、独占権は国家権力に担保されたものですから
国内でしか有効ではありません。
現在では、特許情報が世界中から簡単に閲覧可能になりましたが、独占権は国内のみ。
それではバランスが取れないから何とかしよう、という方向に行くのは自然なことだと思います。
Re:公開は世界中、権利は国内のみ (スコア:5, 興味深い)
世界特許への動きは、1883年のパリ条約のときにはすでに始まっていたと思います。
インターネットで各国の特許を簡単に検索できるようになるより、はるかに昔のことです。
各国の特許制度の相違を乗り越えるのは簡単ではなく、いまだに世界特許は実現していませんが。
(↑のコメントで触れられている先願主義・先発明主義の違いや審査前の公開以外にも、
こまかいところも含めれば多数の相違があります)。
だから、いまさら世界特許を「提唱」なんておかしいので、世界特許を「支持」とかのほうが
適切だと思います(このストーリーのタイトルの話)。
公開しないかも (スコア:2, 参考になる)
このあたりの記事 [nikkeibp.co.jp]を見ると, 米議会に提出された法案では先願主義は取り入れるみたいなんだけど, 申請後の公開義務付けは抜けてるみたいなんですよね. それじゃあサブマリン特許の防止や異議申し立てにも不便だし, とうてい世界特許とは言えないんじゃないかと.
それとも法案の再修正があったのかな?
Re: (スコア:0)
もっと早く定着してたら
クレヨンしんちゃんやガンダムの悲劇はなかったろうに
Re:公開は世界中、権利は国内のみ (スコア:1)
どちらも特許ではなく商標登録での問題ですよね。
しかも、このソース [kantei.go.jp]によれば、クレヨンしんちゃんの問題は確認できますが、ガンダムの方は多少もめたものの結局本来の権利者であるバンダイが登録できたというように読み取れます。
Re: (スコア:0)
世界共通特許システムはマイクロソフトの特許だ (スコア:2, おもしろおかしい)
その世界共通の特許システムはマイクロソフトの特許だ
世界共通特許システムにより出願された特許はすべてマイクロソフトの特許になるのだ
GPL汚染と同じだから気をつけろ!
Re: (スコア:0)
ぐぐってみたら、「ダブルクリックや長押しに関する特許」とか出てくるし、これは何。
まずは単一のフォーマットが (スコア:1)
できるかどうかでしょう。
もしかして、特許XMLなんて既にあるのか?
Re:まずは単一のフォーマットが (スコア:5, 参考になる)
英語出願用の明細書XML作成支援ツールの提供について [jpo.go.jp]
つまり (スコア:0)
俺は世界中でワードの特許を持っているが、お前は北米だけでしか [srad.jp]持ってないから、俺のほうが強い。ということか。
無理 (スコア:0)
のっけからソフトウェア特許容認派と反対派で衝突して、そこで構想がフリーズ。
Re:無理 (スコア:2, 興味深い)
これに限らず、法律解釈は各国で全部違うからね。
EUなんかでも出願はまとめてできるけど、法解釈については各国ごとに異なるという。
今回主張している「世界共通の特許システム」が法解釈や運用まで含めてのものなのか、
EUのような単なる一律出願なのかによって評価は分かれそう。
Re: (スコア:0)
各国それぞれ判例を積み上げてますから、法解釈を揃えるのは難しそう。
強引に揃えるとしたら、英米法の判例を軸にその他の国が立法する感じになるのかな…?
逆だと実現可能性が一気に薄くなりそう。
特許制度の、制度疲労の解決策というだけじゃない (スコア:0)
>出願されたものの審査中のままになっている特許は世界で350万件(うち米国は約75万件)
抜本的改善が必要って話はわからないくもないけど。
> 単一の特許出願に由来する世界規模の特許が、単一の審査当局によって審査、認定され、訴訟の際も単一の裁判機関によって処理されるべきだ
これって他の国も、米国の特許/司法制度の傘下に入れって話に聞こえる。
"IP5" partnership について触れているように、中立性を標榜してるつもりなんだろうけど、どのみち、あの国の国際的利潤追求と切り離せない主張だよね。
Re: (スコア:0)
事務手続きは出来るだけ減らしたいし、というのはそんなに突飛なことではないし。
国境という境界線が今の時代、単なる障壁になってることも多いですから。
#ネット使ってると「世界は狭くなったものだ」と実感すること多々。
Re: (スコア:0)
googleブック検索集団和解の悪夢が再び…。
全世界が連動しているものが、ある一国一部署だけの判断で全て決められてしまう。
それを避ける為に全特許審査機関を国際機構化するのであれば、
町の発明家の発明も遠い外国の誰かとやりとりして通さなければいけない羽目になるわけで、
(しかも公用語は英語ですか?)かえって非効率的になりませんかね?
そんな非現実的な話も無いと思うんですがね…。
Re:特許制度の、制度疲労の解決策というだけじゃない (スコア:1)
>googleブック検索集団和解の悪夢が再び…。
そうかい?
一銭も金をくれない日本の出版業界や図書館に比べれば、まだしも良心的だと思うけどね。
>全世界が連動しているものが、ある一国一部署だけの判断で全て決められてしまう。
あれはあくまで米国内だけの話。他国に押し付けたりは一切してないでしょ。
Re: (スコア:0)
>>googleブック検索集団和解の悪夢が再び…。
>そうかい?
>一銭も金をくれない日本の出版業界や図書館に比べれば、まだしも良心的だと思うけどね。
あれの悪逆な点は、
「裁判にしていない物の権利をも、勝手に米国裁判所で扱いを決めている」
って点に尽きると思うのだけど?
基本的に権利問題ってのは利用者と提供者の問題だ。
で著作権では提供の拒否の権利も認められている。
しかし、この裁判ではそれを拒絶しているのが問題なんでしょ。
最低限、Googleに利用権利が与えられるものの権利者に対して何等かの通達でも有れば未だ
解るのだが、他人同士の裁判に参加しなかったからって何で別人の権利が制限される理由に
なるんだか。
Re: (スコア:0)
私権を神聖化しすぎじゃないかな。
和解案が全体を拘束するというあたりアメリカのクラスアクションは独特な感じだけど、
法律や判決が国内での権利関係全般に影響を与えるのはごく普通のことじゃないの?
グレーゾーン金利なんかも、最高裁の判決をきっかけにいわば国民の利息決定権が制限された
事例にあたると思いますが。(直接は法改正だけど、改正が行われたのは最高裁判決が原因)
困った (スコア:0)