全世界のGoogle検索からインデックスを削除させるカナダの裁判所命令に対し、米連邦地裁が事前差止命令を出す 37
ストーリー by headless
差止 部門より
差止 部門より
6月にカナダの連邦最高裁はカナダ企業Equustek Solutionsの知的財産を侵害するWebサイトに関して、カナダ版だけでなく全世界のGoogle検索からインデックスを削除するようGoogleに命じることができるとの判断を示している。一方、米国のカリフォルニア北部地区連邦地裁は2日、カナダの裁判所による差止命令に対する事前差止命令を出した(EFFの記事、
裁判所文書: PDF)。
カナダでの裁判はEquustekの企業秘密を盗んで競合製品を製造・販売する元代理店DatalinkをEquustekが訴えたものだ。2011年に州裁判所がDatalinkに在庫の販売禁止などを命じているが、同社が国外移転して販売を継続したため、EquustekはDatalinkのWebサイトをインデックスから削除するようGoogleに要請。任意のWebサイトでのDatalinkの営業を禁ずる州高等裁判所の差止命令を経てGoogleは対応を行ったが、カナダ版(google.ca)で特定のページを削除するにとどまった。
これに対し、EquustekはWebサイト全体を全世界の検索インデックスから削除するようGoogleに命じる差止命令を勝ち取る。Googleはカナダ以外でのインデックス削除命令は各国の主権侵害であり、表現の自由の侵害にもなると主張して上訴したが、州控訴裁判所は棄却。連邦最高裁は、表現の自由が裁判所命令に反して違法な製品を販売するためのものではないなどとして差止命令は有効との判断を示した。
今回の裁判は、これ以上カナダで上訴できないGoogleが米国ではカナダの裁判所命令が無効であることの確認や差止などを求め、米国でEquustekを訴えたものだ。Googleはカナダの裁判所命令が国際法に反する点や表現の自由を侵害する点のほか、Equustek側が米国法における権利侵害について何も証明していない点などを挙げ、略式判決を求めていた。
カナダでの裁判はEquustekの企業秘密を盗んで競合製品を製造・販売する元代理店DatalinkをEquustekが訴えたものだ。2011年に州裁判所がDatalinkに在庫の販売禁止などを命じているが、同社が国外移転して販売を継続したため、EquustekはDatalinkのWebサイトをインデックスから削除するようGoogleに要請。任意のWebサイトでのDatalinkの営業を禁ずる州高等裁判所の差止命令を経てGoogleは対応を行ったが、カナダ版(google.ca)で特定のページを削除するにとどまった。
これに対し、EquustekはWebサイト全体を全世界の検索インデックスから削除するようGoogleに命じる差止命令を勝ち取る。Googleはカナダ以外でのインデックス削除命令は各国の主権侵害であり、表現の自由の侵害にもなると主張して上訴したが、州控訴裁判所は棄却。連邦最高裁は、表現の自由が裁判所命令に反して違法な製品を販売するためのものではないなどとして差止命令は有効との判断を示した。
今回の裁判は、これ以上カナダで上訴できないGoogleが米国ではカナダの裁判所命令が無効であることの確認や差止などを求め、米国でEquustekを訴えたものだ。Googleはカナダの裁判所命令が国際法に反する点や表現の自由を侵害する点のほか、Equustek側が米国法における権利侵害について何も証明していない点などを挙げ、略式判決を求めていた。
しかし、Equustek側は裁判の手続きに一切顔を見せず、米国で弁護士を雇うこともなかったという。さらに、Google側が10月31日に裁判所へ提出した文書(PDF)によれば、EquustekのCEOで被告の1人であるRobert Angus氏が本件について争うつもりはないとGoogleの弁護士に伝えていたとのこと。そのため、同文書でGoogleは懈怠判決を求めている。Equustek側の真意は不明だが、表現の自由を重視する米国での裁判は勝てる見込みが小さく、時間や金、労力を使いたくなかったのではないかとArs Technicaは指摘している。
カリフォルニア北部地区連邦地裁の判断は、カナダの裁判所命令がGoogleをパブリッシャーとして扱っていることから米通信品位法230条に違反するというものだ。これにより、Googleは再びカナダの裁判所に戻り、恒久的な差止を要求できることになる。
カナダ版(google.ca)で特定のページを (スコア:1)
そういえば検索結果をccTLDじゃなくて所在地情報に基づいて表示するようになった [it.srad.jp]のはこういう判決が相次いでいることも影響しているんですかね。
こうして再び (スコア:0)
インターネットは世界中で分断され個別国家のネットワークだけになっていくのであった。
Re: (スコア:0)
別にネットに限らないよね。国家を跨ぐ紛争が問題になりやすいのがネットってだけで。
やっぱり、ちゃんと国家間で紛争解決の枠組みを決めるべきじゃないのかな。
Re: (スコア:0)
やっぱり、ちゃんと国家間で紛争解決の枠組みを決めるべきじゃないのかな。
国際司法裁判所とか常設仲裁裁判所とかあるよ。
必要なのは白黒つける仕組みそのものより、その結果を執行する仕組み。
でも相手国の政府が当事者を庇うとかが起きたらどうしようもない。
企業間の争いに関しての判決を執行するために、わざわざ戦争とかできんでしょ。余程のことがない限り。
まあ、現状はそこら辺のリスクを軽視しすぎて「グローバル化」を進めすぎた結果だと思うので、もう少ししたら色々と反動が来て、国内主義に戻るんじゃない?
Re:こうして再び (スコア:2)
国際司法裁判所も常設仲裁裁判所も本件のような事件は取り扱いませんよ。
Re: (スコア:0)
国際司法裁判所は国家間しか取り扱わないので
国際商事仲裁・調停の守備範囲かな?
確か大阪市のヘイトスピーチ条例も (スコア:0)
繋がっている以上、全世界で有効って主張してたな
Re: (スコア:0)
言うだけなら自由だけど強制力がなかったら何の意味もないんだよね。
北朝鮮にミサイル発射や核実験をやめさせるみたいな。
Re: (スコア:0)
本当にネットが見られれば取るなら、外国人観光客からも徴収してほしいなあ。
Re: (スコア:0)
NHKは海外でもテレビ放送してるから、観光客に限らず徴収しないとダメですよね。
なんで海外放送費用を日本国内の受信者が負担してるんだ。
注釈入れたら? (スコア:0)
○○○○年○○月時点で違法製品ありとか
そのため○○圏内での使用は禁じられていますとか
適宜検索結果に注釈入れればいいのでは?
闇に葬るより小悪党ほいほいな方向で
# あなたは大きなお友達ですか?「はい/YES」
Re:注釈入れたら? (スコア:1)
問題はそこじゃなくて、現地で裁判してないのに、その権利を制限するってことなんじゃないの?
国によって法律が違っていて、下手したら「神を否定した」とか言われただけで、アウトかも知れませんよ。
誰が悪を定義するのかっていう、なかなか難しい問題ですね。
Re: (スコア:0)
>問題はそこじゃなくて、現地で裁判してないのに、その権利を制限するってことなんじゃないの?
正にGoogleが商売しているカナダ現地での裁判結果では?
カナダから外国に持ち出されたモノ(情報)に対して、カナダの裁判所は返還を要求することが出来ますし。
カナダの裁判所が正しい (スコア:0)
Googleは、全世界の検索インデックスをGoogle米国本社で維持管理しているんだよな。
だったら裁判所の命令は、単にGoogle, Inc.への命令であって、
各国のGoogle現地法人への命令ではないのだから、国家主権の侵害にはあたらない。
また、権利侵害からの回復の実効性という点を考えると、全世界の検索インデックスから除外しないと効果は薄い。
原告が実質的な権利回復のために、世界中の全国家で同じ訴えを起こさないとならないというのは、原告に対して過酷に過ぎる。
従って全世界の検索インデックスを対象にしたのも合理的だ。
よって全世界に適用すること自体は特に問題ないと思う。
(そもそもの、第三者であるGoogleに検索インデックスの削除を要求するという命令自体には、
表現の自由という点では若干議論の余地がありそうだが)
というか、この論理が認められないと、Google検索のようなworldwideなサービスによる権利侵害から
個人が身を守るのが極めて困難になりかねない。
カナダの裁判所の判断は、個人やdomesticな法人の権利擁護を重視した判決で、支持できるものだ。
Re:カナダの裁判所が正しい (スコア:3, 興味深い)
カナダで権利侵害が認められたと言うことと
アメリカで権利侵害が認められたっていうのは別な判断です。
カナダで侵害だと認められたのだから全世界から削除しろ!というのであれば
独裁国家が「アメリカが我が国を貶めアメリカを褒め立てる記事は我が国の国家元首の権利の侵害である」というのを出せば
「全世界のINDEX」からそれら全てを削除することも正となってしまいます。
だから、コレ難しいんですよ
本当に必要なのは各国から人を出し合って統合的に判断する基準であって
どっかの国の主権で認められたから他国の主権を無視して影響出来るではダメなんです。
Re: (スコア:0)
だから、コレ難しいんですよ
本当に必要なのは各国から人を出し合って統合的に判断する基準であって
道義的には正論だと思うけど、現実問題そんなことができるなら、少なくとも国家間の紛争というレイヤーでは、世界平和はとっくに実現されてないとおかしい。
Re:カナダの裁判所が正しい (スコア:1)
米国法人が米国で管理しているデータに対してカナダの裁判所が命令することが米国の主権を侵害してないって、わけがわからないです。
うじゃうじゃ
Re: (スコア:0)
>米国法人が米国で管理しているデータに対してカナダの裁判所が命令することが米国の主権を侵害してないって、わけがわからないです。
米国法人が米国で管理しているデータでカナダでカナダの主権を侵害していると、カナダの裁判所が命令出来ないって、わけがわからないです。
Re:カナダの裁判所が正しい (スコア:1)
できないですよ?
アメリカ政府に正式にお願いしない限り主権侵害です。
殺人犯をよその国で発見したとしても、裁判所の命令じゃ逮捕できません。
犯人がいた国の警察でないと逮捕権はなく、勝手に逮捕したら主権侵害です。
イスラエル警察なんかはそれでも平気でやったりしましたが、主権侵害であることは変わりありません。
うじゃうじゃ
Re: (スコア:0)
トンチンカンな例えを出すのやめましょうね
Re:カナダの裁判所が正しい (スコア:1)
どっちにしろ裁判所は国内法によって命令を出すので、法の効力の及ばない場所への強制力はないですよ。
米国Googleがカナダの国内法に従わなければいけない根拠はなんでしょう?
うじゃうじゃ
Re: (スコア:0)
カナダからのアクセスの場合、カナダGoogleに飛ばされるだけっすね
それ以外の国への配信に関与する権利はない
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
法律的にはGoogleのカナダ国内法人に対して裁判所が命令を下し、
Googleカナダ法人が、Google米国法人について依頼を出してカナダ国内での検索結果を変更した…
みたいな扱いだと思いますよ。
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
その理屈だと米国で削除命令が出た内容は全世界に対して公開できなくなるような…
Re:カナダの裁判所が正しい (スコア:1)
データの国外移転も禁じられれば、普通にありうると思います。
うじゃうじゃ
Re:カナダの裁判所が正しい (スコア:1, すばらしい洞察)
それが通るなら100万ドル払えばグーグルにインデックス削除を命じる判決出しますって商売始める国が出てきても
文句言えないよね
それは極端にしても、為政者に対する批判が違法、不敬罪とされる国(シンガポール、タイ、北朝鮮、中国etc.)で為政者に対する削除命令が出たら全世界で削除しなけりゃならないのか?ってこと
Re: (スコア:0)
普通に意味がわかりますけど・・・
Re:カナダの裁判所が正しい (スコア:1)
>Googleは、全世界の検索インデックスをGoogle米国本社で維持管理しているんだよな。
一箇所でしかindex情報を保持していないならキャッシュコピーをアチコチにばら撒くのかな。
仕事で複数ドメイン運用してた時は、共通のindexやmapに差異が発生するたびに別ドメインにrsync掛けるかcronで処理してた。
Re: (スコア:0)
>(そもそもの、第三者であるGoogleに検索インデックスの削除を要求するという命令自体には、
>表現の自由という点では若干議論の余地がありそうだが)
Google検索とインデックス自体はGoogleの財産であり所有物では?
別に元の記事をGoogleに消せと無茶振りをしているわけではないわけで。
Re: (スコア:0)
ならば偶像崇拝が禁止の国で、二次元キャラやフィギアなどの偶像を全世界の検索インデックスから除外しろとなったら素直に応じなければなりませんね
世界中の全国家で同じ訴えを起こさないとならないというのは原告に対して過酷だそうだから素直に従いましょう
合理的で問題がないそうだから異論など出ませんよね
風刺画問題でもいいや、あれも似たような部分があったけど、あれも同じように肩をつけられたらよかったのにね
#国家や地域や個人の事情など調べもしないで適用できるって考えある意味最強やね
なんか、同じ手口で (スコア:0)
売上隠しや税金逃れもしてなかった?