akiraaniの日記: ベイビーステップ面白い 9
ほとんどのアニメをとびとびにしか見てないんだけど、一つだけ毎週追いかけている作品がある。それがEテレで放送中のベイビーステップだったりする。
この作品の特徴を一行で表現すると「地味で堅実なテニスアニメ」になるだろうか。主人公のキャラと作中の試合展開がとにかく地味で堅実でそして緻密なのである。
この物語の主人公であるエーちゃんのスタイルは、全てのスタイルをまんべんなく習熟して、データの裏付けをもとに対戦相手を分析し、習得したスタイルを臨機応変に使いこなすことで主導権を握るという戦略的器用貧乏。武器は相手の行動と意図を見抜く目と、試合展開を漏れなく覚えてノートに記す記憶力、そしてそれらの能力で得た膨大なデータをもとに常に最適な戦略をその場で立てるマネジメント能力。あと、何があっても折れないメンタルというか、事実を常に冷静に受け入れる許容力。
……まあ、地味ですわ。能力の特性上、格ゲーで言うところのわからん殺しみたいなことがほぼないので突然大ピンチにならないし、いわゆる必殺技があるわけではないので、驚愕のスーパープレイもしない。そこにあるのはじりじり神経を削る心理戦だったり、最適戦術を探してのPDCAサイクルの積み重ねだったりするわけです。実に堅実です。キャラクターのデザインなんかを見ても、意図的に地味で堅実にしようとしているとしてる印象を受けます。
その堅実さを非常にうまく見せているというのがこの作品の魅力なのではないかと思います。こういう作品は大好きです。
というわけで、ここからはどうでもいい薀蓄みたいなもの。一般的にスポーツなどの競技を題材にした作品にはだいたい3つのパターンがあります。
一つは主人公が必殺技チックな得意技を武器にいろんな敵と戦って勝利していくというタイプの作品。要するに熱血バトルマンガのエンタメ構造をスポーツや競技題材の作品に取り込んだもので、キャプテン翼の頃からおなじみのジャンプ作品によくあるあれです。非常に汎用性の高いフォーマットで、架空実在を問わずおおよそどんな競技でも、例えば受験勉強を題材にしても話が成立します。
もう一つが、メインはあくまで人間ドラマで、競技そのものはあくまで人間ドラマを盛り上げる仕掛けとして使われているパターン。典型例はあだち充作品なんかがあるかな。スポーツがどうなのかは別にどうでもいいので、途中までボクシングをしていた主人公がいつの間にか野球をしてたりなんてこともあります。
最後一つが、題材とする競技のゲーム性、ロジックを重視してリアル路線で主人公の成長をメインに描くタイプの作品。ベイビーステップは、この三つ目のタイプに属する作品。便宜上、このタイプを育成系と呼ぶことにする。
他には野球を題材にした「おおきく振りかぶって」や柔道を題材にした「帯をギュッとね!」なんかが該当するかと思います。
育成系の作品は、エンターテイメントとしては大きな弱点を抱えていることが多いです。それは「スロースタートである」という問題。必殺技タイプの作品であれば、最初から主人公が強くてもそれより強いのを後からぶつければよいので、かませに必殺技をぶっ放すという導入で期待感を持たせることができる。人間ドラマ主眼であればスポーツとは無関係に展開を作ることができるのでどうにでもしようがある。
が、育成系の作品ではまず競技そのものを描くところから始めないといけないため、どうしても最初に多くの説明が必要になってしまい、主人公が活躍らしい活躍を始めるまでが長くなってしまう。この結果、導入で視聴者を引き込むのがなかなか大変だったりする。そのかわり、いったん軌道に乗るとものすごいロングラン作品になることが多い印象があります。
ベイビーステップもその例にもれず、主人公であるエーちゃんが強敵らしい強敵とまともに渡り合えるようになるまでにテレビアニメにして10話も費やしています。まあ、その10話が昨日の放送だったわけですが。
10話のエピソードのラストで初めて「イニシアチブを握る」という戦術の基本中の基本を実践し始めたわけで、ここからがこの作品の本番と言ってもいいかもしれません。
ログホラもそうでしたが、こういうスロースタートタイプの作品をじっくり描くことができるNHKというメディアは貴重だなぁと思う次第。
分類1と分類2は共存両立しても分類3は別かも (スコア:1)
咲-saki- や黒子のバスケはチートな才能、群像描写を同時にやってますが分類3の視点はないといえる。
Re:分類1と分類2は共存両立しても分類3は別かも (スコア:2)
分類1に分類3を重ねようとすると、それこそインフレ漫画になる?
V3くらいまでの仮面ライダーとか帰ってきたウルトラマンあたりは、超常能力でスタートするけど
能力的成長はほとんどなく、行き詰ったら、弱点克服なり、相手の弱点を付くなりを目的として
特訓してたと思う
リングにかけろ by 車田正美が3は始まって1を導入してインフレ化したといえるか?
Re:分類1と分類2は共存両立しても分類3は別かも (スコア:1)
個人的には、3で始めるも主人公の成長著しく、1に行って敵のインフレを招きかねないので小休止。一歩みたくサブキャラがメインになっていく、というのが多そうな気がしてます。ウルトラマンにせよライダーにせよ、あとは兄弟やら昭和やら平成やら、はては石ノ森繋がりで別キャラ持って来たりのカオス化?
Re:分類1と分類2は共存両立しても分類3は別かも (スコア:1)
1→3の変化は可能だけど、3→1の変化は不可能ですな。
いったん物理現象を無視して必殺技に走ってしまうと、リアル路線のキャラでは対抗できなくなるので。
なので、それまで3の路線で進んでいたとしても、1にスイッチした瞬間に3ではなくなってしまうというこではないかと。
しもべは投稿を求める →スッポン放送局がくいつく →バンブラの新作が発売される
Re:分類1と分類2は共存両立しても分類3は別かも (スコア:1)
3を維持できるかどうかは、→1の方向次第じゃないですかね。「物理的に不可能」な技ではなく「理屈の上では可能だろうけど、誰にも真似ができない」系の必殺技。
まあ、「物理的に可能な必殺技」路線で踏みとどまることが出来るのか、というのはかなり難しいとは思いますけど。テニスの王子様も、序盤は物理現象的にはマジメなテニス漫画だったような気もするし…
例えば、エーちゃんが100分割をさらに発達させて、10000分割、どんな時でもどこにでもオン・ザ・ライン出来るぐらいになったら、それはもう「必殺技」と言ってもいいような気がするし。
#でも、それはベイビーステップとして面白くないよな。エーちゃんは能力としてはあまり突出してなくて、分析力で勝つというのがキモだし。
そういえば、何かのテニス漫画で、「わざとネットインを狙う」プレイヤーが出てくる話があった覚えがあるんだけど、何だったかなぁ…
Re:分類1と分類2は共存両立しても分類3は別かも (スコア:1)
>そういえば、何かのテニス漫画で、「わざとネットインを狙う」プレイヤーが出てくる話があった覚えがあるんだけど、何だったかなぁ…
浦沢直樹のHappy! [wikipedia.org]じゃないですかね。
確か主人公がそういう技を無理やり覚えさせられたけど、フォームからばれるんでやめて普通に戦った方が強かったというエピソードがあったはず。
しもべは投稿を求める →スッポン放送局がくいつく →バンブラの新作が発売される
原作の方も (スコア:0)
適度に負けてくれるので先が楽しみです。
着実に歳を重ねているので少年漫画じゃ無くなるのが怖いですが。
Re: (スコア:0)
ベイビーステップ愛読してます。
テニスの王子様も最初の頃はスプリントステップとか踏んでてテニス経験者が「おっ」と思う漫画だったのですが。。
育成系だけど (スコア:0)
BabyStepsの原作の場合、練習シーンにカタルシスを感じるように構成されているのが新鮮なのかなと。
新技を試合で出すシーンよりも、その前の練習で新しい技術に開眼するシーンの方が盛り上がる感じ。
#早く録画してあるTV放送を見る時間を作りたい