cyber205の日記： 取調べに臨む捜査員の心構えとは

愛媛県警のAntinnyによる情報流出に関する報告書。
この報告書なんですが、内容がかなりキてます。

○Ｎシステムについて
> 自動車ナンバー自動読取照合業務とは、走行中の自動車のナンバーを自動的に読み取り、
> 手配車両のナンバーと照合するシステムを活用した業務であるが、流出したファイルの中には、
> 同業務に係る通過車両データの検索申請書や出力された通過車両データが含まれていた。
> この種のデータの取扱いに当たっては、平成８年８月以来、内部規程により、
> 通過車両データの出力を一定の重要事件捜査の場合に限定し、出力したデータについては、
> 情報管理課長又は捜査担当課長が承諾する場合にのみ複写を認めるとともに、
> 不要となったデータの消去を徹底するなど、厳格なデータ管理がなされてきた。

> 受領後のデータの安全管理については、捜査第一課長がその責めを負うこととされ、
> さらにデータを受領した所属においても厳重な管理が求められるところ、
> Ａ警部による上記の不適切な取扱いにおいては、これらの幹部が十分な安全管理のための措置を
> 講じていなかったことが認められた。
> 本事案を受けて、県警においては、出力後のデータについて厳格な管理を行うよう、
> 関係職員に対する指導・教養を徹底したところである。

「凶悪犯罪の手配車両に限定」とか「24時間経過したら消去」とか
導入時には言ってませんでしたっけ。もう忘れたのかな。
最近はHDDも安くて大容量ですから、
技術的にはいくらでもためこむことができそうですね。

○GPS追跡装置について。

> 社会的反響の大きな重要凶悪犯罪の捜査において
> 担当捜査幹部の厳格な指揮・管理の下で実施されたものであり、
> 当時の捜査の具体的な状況等を踏まえて検証を行ったところ、
> 任意捜査として許容されるものと認められた。

本人は仕掛けられたのを知らんはずなんですがね。
これは盗聴じゃないからいいのかな。

○窃盗検挙には数値目標があるという件について

> 犯罪の発生状況に対して検挙件数等がどの程度の水準に達しているかを、
> 数値により検証するという観点から意味があるものと考えられ、
> 同ファイルについてもそのような観点から作成されたものと認められた。
> なお、これによって捜査員の士気高揚等の効果も期待される

スピード違反の取り締まりも数値目標あったよなぁ。
安全のためにやってるのではなくて、40km/hの制限速度の所で粘って、
不用心な地元の住民を捕まえるためにやってる奴ね。
窃盗もノルマ達成した後は真面目に捜査せず遊んでていいんですね。

○取り調べ時の心構えについて

> 「調べ室に入ったら自供させるまで出るな」、
> 「否認被疑者は朝から晩まで調べ室に出して調べよ。（被疑者を弱らせる意味もある）」
> との記述の真意を聴取したところ、若い警察官の中には取調べを十分に行わず、
> 供述を得て事実の解明に当たることを安易にあきらめてしまう者が見受けられることを憂慮して、
> 後輩警察官に対して、時間を掛けて被疑者の頑なな心を開かせることの重要性を伝えようとしたものであり、
> 長時間にわたる取調べ等犯罪捜査規範の趣旨に反する取調べ手法を肯定する趣旨ではないことが確認されたが、
> これら記載内容の一部については、警察の取調べ手法に疑念をもたれるおそれがあり、表現に不適切な面が認められた。

疑念を持たれるおそれ…じゃなくて、本当に疑念を持ちますってば。
…そう教えてたらそういう風にやりますよ、普通。
教えていることと実際に行っていることは別だったら、
それはそれで問題です。

まったく、警察の仕事がどのように行われているかがよくわかる文書ですよ。