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映画

hixの日記: 映画「しとやかな獣」

日記 by hix
1962年公開作品。
若尾文子映画祭のラインナップ。市川雷蔵映画祭から予告編を見掛けたものの殊更に観たい作品は無かったのでパスしようと思ったのだが、パンフレットで見たポスターがなんだか面白そうだったので。
これはしかし面白いし、上手い。

舞台は公営団地。場面はここから外に出ない。使い込みを取り立てに来た社長の車を見下ろすとか、エンディングに遠目から建物を撮ったところ、メタファの深みを表していると思われる長い階段以外は、団地の中をカメラが映す。それが、室内はもちろん、(エレベータが無い)共有スペースの階段や廊下から、ベランダの外から、天井から見下ろす位置からと、アングルが凄い。特に天井から撮ってる映像は、あの当時の機材を考えると相当に苦労したんじゃないだろうか?

若尾文子は、主役のワリには出てる割合は意外と少ないが、やはり存在感が圧倒的だ。
「お前のため、お前のためって、ご自分のためにおやりにならなかったのですか?」と半ば呆れたように言い放つ台詞が良い。
こんな言われたら、どんな男だって敵わず手玉に取られますわ。

結末は領収書まで発行している収められた税金を貢いで戻してしまった税務署職員の身投げ。
中の人は船越英二。断崖俳優船越英一郎のお父さんというのが、なかなかの巡り合わせを感じるのである。

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