tlabの日記: キログラム原器 2
日記 by
tlab
『メタルカラーの時代』にキログラム原器の話があったハズで引っ張り出してきた。文庫本の12巻。
日本の原器はNo6、1995年の記事で1.000000176kgとあった。1993年に国際キログラム原器と校正されたらしいのだが、校正は30-40年に一度とのこと。校正から25年の経過ということは、まだ校正されておらず今でも1.000000176kgということ。
国際キログラム原器との校正もさることながら、No6原器を使って副原器を校正するのも大変な苦労として記述されている。確かに日本の重さの基準であり些細なミス一つで日本全国の基準が崩れるわけだから心労も大変なものだと思う。物理で重さの校正が楽になるのであれば大変良いことだ。
Wikipediaには国際原器よりも"0.176mg"重いと記載されていたが、mgで表示されると大したこと無いように感じてしまう。実際には1kgに対してそれだけ重いわけで、実際には100億分の1kgのオーダーでコンスタントに測れるはかりで計測されたとのこと。0.0001mgというか0.0000000001kg。すごい。特殊な天秤ばかりで支点の平行度は0.1nmに調整が必要だとか。測定するのも大変だったわけで、新たな基準で職人技が無くなるのは良いことかと思う。
がんばれ原器 (スコア:0)
「新たな基準で職人技が無くなる」ことはないのでは?
今までと違うのは、大元の原器を失う心配がないだけで。分銅の重さを計って、二次標準とかにトレースしていく作業は従来通りかと。
なくなるかなぁ? (スコア:0)
変更されるのは定義で、測定方法を変えるわけじゃないんだけど。
この辺、これまでは校正の源流を辿ると原器に行き着く必要があったのが、定義に従った他の何かを用意できるようになっただけで、その校正にやっぱり天秤が必要な分野は残るんじゃないかな。