yasuokaの日記: RōmajiかRōmaziか
日記 by
yasuoka
『Journal of the American Oriental Society』のバックナンバーを読んでいたところ、1940年3月号(Vol.60, No.1)にEdwin Oldfather Reischauerの「Rōmaji or Rōmazi」という論文を見つけた(pp.82-89)。1937年9月21日に内閣告示された「訓令式ローマ字」に対し、若きライシャワーが、アメリカ東洋学会の総力を挙げて反対すべきだ、という檄文を寄せたものである。まあ、ライシャワーが訓令式に反対したのはわかるが、むしろ私(安岡孝一)が驚いたのは、ライシャワーに同調する東洋学者の中にColumbia UniversityのOsamu Shimizuの名が含まれていたことだ。戦前からヘボン式推進派だったのか…。
実は清水治は、1957年8月にLibrary of Congressに移った後、ASA/Z39やISO/TC46での標準化活動に数多く参加している。特に、Z39配下の「Romanization of Japanese」では主査を務め、ヘボン式を強力に推し進めているのが、私にとっては印象的だった。この結果、ANSI Z39.11-1972はヘボン式一色(ただし「ン」はnのみ)となったわけだ。
しかし、清水治は1965年3月8日に心臓発作で他界しており、ANSI Z39.11の制定を見ていない。もし生きていたなら、ISO 3602を訓令式になど取られなかったと思うのだが、さて、そのあたりどうだろう…。
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