パスワードを忘れた? アカウント作成
335899 journal

yasuokaの日記: Adobe-Japan1とHanyo-Denshiの落とし所

日記 by yasuoka

一昨日昨日の日記で書いた、既存のIVSに対する新たなグリフの追加だが、この問題に対する落とし所はあるのか。ここのブログにコメントしたり、赤いメガネのおねえさんに首をかしげられたりしながら、私(安岡孝一)なりに多少考えてみた。

日本が「U+6B21 U+E0103」に対し、現状の平成明朝JA2801に加えて、戸籍統一文字181670のグリフを追加しようとした場合を考えてみよう。この追加提案に対し、UnicodeとAdobeは共同して、「U+6B21 U+E0103」ではなく、「U+6B21 U+E0102」に181670のグリフを追加するよう「強く推奨」するだろう。また一方で、AdobeはCID+2253のグリフを「U+6B21 U+E0103」に追加するよう日本に要請する。たぶん、CID+13799のグリフを「U+6B21 U+E0104」に追加要請もするだろう。というか、私の知っているKen Lundeなら必ずやる。

これは何を意味しているのか。端的に言うなら、UTS#37

it does not guarantee that two different IVSes on the same unified ideograph have non-overlapping or even distinct glyphic subsets.

は、そもそも建前に過ぎず、誰も現実の文字コードにそんなことを望んではいない、ということだ。つまり、各IVS同士は重なりを持ってほしくない、互いに素(disjoint)であってほしい、というのが本音なのだ。ただ、既にoverlapしてしまったIVSはどうしようもないので、それらはせめて「等価」(mutually equivalent)なものとして扱えるようにする、というのが落とし所だろう。その意味では、IVSのグリフ集合同士が部分的に重なってるなんて、そもそも理解不可能なのだ。

そこまでを考えると、今月1日に私が見たW3C CSS WGの反応も、かなりの部分まで納得がいく。というか、部分的な重なりを持った文字コードなんて、日本のごく一部の文字コード屋しか理解できないようなシロモノだった、ということだろう。

この議論は、yasuoka (21275)によって ログインユーザだけとして作成されたが、今となっては 新たにコメントを付けることはできません。
typodupeerror

アレゲはアレゲを呼ぶ -- ある傍観者

読み込み中...