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探査機「はやぶさ」は試料採取に失敗した模様、姿勢制御も依然厳しい状況続く 18

ストーリー by yosuke
まだ可能性を信じたい 部門より

snowy曰く、"asahi.comの記事及びJAXAのプレスリリースより。先日、惑星イトカワに着陸し、試料採取を行ったと見られていた探査機「はやぶさ」だが、試料採取に失敗していた可能性が高い事が明らかになった。これは当初8bpsだった通信速度が、姿勢制御のため12月4日に行われた緊急のキセノンガスの噴射の結果、256bpsまで回復した結果送られてきたデータを解析した結果。12月5日以降の通信で得られたデータを解析したところ、試料採取時に金属球を発射させるための火薬の爆発を示すデータが無い事が分かった。ただ、11月27日に指令された姿勢軌道制御の結果、搭載機器、システム全般の電源系が広い範囲でリセットされた現象が生じたと推定されており、このためにデータのみが損失した可能性もわずかにあるとの事だ。
しかし、それ以上に深刻とも考えられるのが、姿勢制御が難しい状況となっている事。上記asahi.comの記事によると「化学エンジンのジェット噴射が不良」が原因のようだ。
「はやぶさ」は、現在、イオンエンジン立ち上げのために、各機器を1つずつ再起動し、試験・確認を行っていて、14日以降のイオンエンジンの運転再開を目指している。帰還軌道計画については、現在もなお再設計中だ。"

例によって松浦晋也のL/Dに12月7日の記者会見の一問一答が掲載されている。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • 人工衛星にとって,太陽電池からの電力供給が断たれることは,すなわち「死」を意味します。
    現在,はやぶさに残されたリアクションホイールは,太陽電池の向きとおなじZ軸のみ。
    そこで,化学エンジンが使用不能になるということは,絶体絶命の条件であったわけです。

    そこで,起死回生のオペレーションをイオンエンジンチームが提案し。そして,そのオペレーションに成功したわけですから,これは文字通りに「賞賛に値する」成功だろうとおもいます。

    というわけで,まずは。イオンエンジンチームの功績に拍手を。
    --
    斜点是不是先進的先端的鉄道部長的…有信心
  • by usagito (9671) on 2005年12月08日 10時20分 (#844470) ホームページ 日記
    中冨信夫氏のこんなコメントが毎日に掲載されています。
    はやぶさという宇宙ロボットは、あまり出来の良くないロボットに見える。これまでも、姿勢制御装置やガス噴射ジェットといった重要な部分にトラブルが続出しており、お粗末ではないか。試料採取が目的のプロジェクトであれば、採取ができなければ全体の完成度としては低いと言わざるを得ない。 [mainichi-msn.co.jp]
    中冨氏は自称「宇宙工学アナリスト」ですが、その行動には問題があると言わざるを得ません。プロジェクトの目的や成果をねじまげ、今後の課題を見えにくくする発言を繰り返しています。『週刊新潮』の先週号(12月8日号)にはこんな記事がありました。カギ括弧内は中冨氏の発言とされる部分。
    「無人探査機が小惑星に着陸するだけなら、01年にNASAのニア・シューメーカーが成功しています。むしろ問題は、小惑星の粉末を採取出来たかどうか、現時点でわからないこと」
     採取の成否を知ることは、技術的に可能だったという。では、なぜしないのか。
    「探査機が重くなり、ロケットの積載量をオーバーするからです。JAXAに吸収された形の旧宇宙科学研究所が、自分たちで開発した積載量の少ないΜ5型ロケットありきで始めてしまったのです。メンツに拘らず、大型のロケットで打ち上げれば、より確実に、もっと早く、数百ミリグラムなどと言わずもっと多くのサンプル採取が出来たはずです」
    (「TEMPO サイエンス」欄、「快挙「はやぶさ」報道の足りない部分」より)
    2003年、火星探査機「のぞみ」報道の際の議論については野尻ボードのログにリンク [virtualave.net]しておきます。
    ログ中にある野尻氏のコメントが印象深い。
    中冨信夫。彼の肩書きは「宇宙工学ペテン師」と読み替えることを提唱したい。あいもかわらず彼にコメントを求めては真に受ける記者もしっかりしてもらいたい。 [virtualave.net]

    中冨氏にコメントを求める記者は、コンノケンイチ氏に相対性理論を解説させるのと同じくらいのリスクを負うことを認識してもらいたいです。 [virtualave.net]
    どうして中冨氏のコメントはマスコミに登場しつづけてしまうのでしょう。
    編集部に「見当外れのコメントを掲載するな、分析能力に問題のある人にはコメントを求めるな」と抗議しつづけるのが一番でしょうか。
    • by Anonymous Coward on 2005年12月08日 17時03分 (#844845)
      新聞社に抗議文を送りました

      > 編集部に「見当外れのコメントを掲載するな、分析能力に問題のある人にはコメントを求めるな」と抗議しつづけるのが一番でしょうか

      当然ですが、どんなとんでもない意見であっても、(他人に危害を加えない限り)それを「公に公表する権利」は、全ての人が持ちます。けれども、それが「新聞」に掲載された場合には、掲載の時点でその発言の「内容に対する責任」は、それを全国に広めた新聞社が負うことになります。(内容が不正な読者投稿が万が一掲載されたら、抗議は新聞社に対して行われます。当たり前ですが、そんなことが起きないように、チェックされています)

      コメントはもちろん記者自身が発言しているものでは有りません。
      でも、「情報選択の責任」というのは記者(新聞社)に有ります。
      本質は、「価値判断が出来ない人間に、記事を書かせるべきでは無い」です。
      もちろん、「いろいろな見方が有る」事を伝えるのを優先させる事はありますが、中冨信夫氏のコメントがその目的にかなったものだとは言い難い気がします。


      これは個人の資質の部分でも有るのですが、複雑になってしまった技術分野の報道では、非常に難しい問題も提起しています。当然、中途半端な知識しかない新聞記者の文章よりも、その分野をしっかり理解している人間の方が、きちんとした技術情報が提供出来ますし、それは例えばWeb上でなら、検索エンジンによって、新聞の1記事と同じ1記事になるのです。

      ただし、「技術的に正確な知識」だけで、きちんとしたバランスの良い記事が書けるわけでは有りません。その辺りが、やはり新聞を含めたマスメディア(報道)の力なのです。ただし、文章を書くのは個人ですので、今回のような事も起きるわけで …


      当然ですが、新聞社は自分の提供している情報の「正しさ」には敏感ですので、沢山の人によって抗議された内容は、必ずきちんとした知識のある、内部の別の記者によって確認されます。新聞社がもっている最大の財産は、「読む人間から与えられている信頼」なのですから、それが傷つく事は致命的なのです。

      今回「コメントが見当外れだ」と認識された方は、今後の再発を防ぐために、きちんと根拠を示して抗議するという行動をとる事が必要だと思います。「毎日新聞」では、ニュースに対する意見を受け付けています [msn.com]し、当然抗議内容の確認はなさるでしょう。

      根拠を示した多数の人間からの抗議が無視され(理解しがたい状況ですが)、もし記事が訂正も削除もされないならば、その時はWeb上にきちんと正確な情報と今回新聞に掲載されたコメントとを比較した記事を個人で書けば良いだけです。(usagito氏のコメント [srad.jp]にリンクを張って、必要なタグを付ければ、それで十分かもしれません)

      検索エンジンによってキーワード検索されたときに、「毎日新聞」ではこんないい加減なコメントが報道された、という記事が必ず毎日新聞の記事そのものよりも上位に表示されるように、同じ思いを持つ人たちに、トラックバック・リンク・ブックマーク(WEBページとして見える形で)共有してもらえばいいのです。大事なのは、「自分の思い」をきちんと見える形にして伝える事だと思います。


      多数決が正しいとはとうてい言えませんが、多数の正確な知識を持った人間の力でなら、「いいかげんな報道記事」の毒を和らげる事は今の時点でも可能です。 正当な怒りを沢山の人に対して伝えることが出来る、「全世界」に情報を伝える巨大輪転機である「インターネット」が、今では多くの人の手にあるのですから。 (検索エンジンのロジックを組む人たちも、そのような使い方が検索エンジンの悪用だとは判定しないでしょう)

      検索が今の時点で多数派の人達の情報収集の道具になっている、とは言い難いですが、今後検索を利用する人は、増えることは有っても減ることは無いでしょう。また、そういう部分に鈍感な人間には、報道という仕事は担えないと信じています。

         # この辺りで悩んでタレコミをやめたので、自戒を込めて
      親コメント
      • 両論併記するのは,毎日新聞のポリシーだと思います。

        今回の中冨氏のコメントが,JAXAと対立する意見として,十分に耳を傾けるべき内容があるかどうかは,それぞれが判断すればいいことです。両論併記されてるだけで,カッとくるのは,いかがなものかと私は思いますね。

        判決報道なんか読み比べればわかるんですが,朝日,読売のばあいだと,ウラ取り取材はしてますが,片方は一言だけの引用で済ませるのが通例です。が,毎日新聞だけは,原告,被告両方の意見を同等に扱った記事に構成されてます。

        これは,個別の記者レベルでは無理でデスクの指示がなければできないだろうと思います。ですから,両論併記は毎日新聞の編集方針と思って読んだほうがいいんじゃないかと。

        もし,あなたが両論併記を好まず,記者会見を鵜呑みにした記事をよみたいんだったら,毎日新聞など読まず,産経新聞を読まれることをお勧めします。はい。
        --
        斜点是不是先進的先端的鉄道部長的…有信心
        親コメント
        • by Anonymous Coward on 2005年12月10日 23時08分 (#846267)
          文章を良く読んでから、反論する習慣をつけると安全だと思います
          もし,あなたが両論併記を好まず,記者会見を鵜呑みにした記事をよみたいんだったら,毎日新聞など読まず,産経新聞を読まれることをお勧めします。はい。
          両論併記する事と、両論併記の為に「どの情報を使うか」という事は別です。
          私は自分のコメントでは、両論併記をする事自体には一言も異議を唱えておりません。

          今回のコメントで私が主張しているのは、
          「いろいろな見方が有る」事を伝えるのを優先させる事はありますが、中冨信夫氏のコメントがその目的にかなったものだとは言い難い気がします。
          でしかありません。
          あなたの思いこみで、私が「両論併記」を批判したと誤解されるのは困ります。
          (普通に文章を読めれば誤解しようが無い、とは思っていますが)

          当然ですが、機械類に関して極限状態の試験をするときに、それが動かなくなったとクレームが付くことはあり得ません。それを試すための動作試験ですから。はやぶさという誰も試したことのない技術を検証するための衛星に関して、今回の中冨氏の批判を併記する事が適切だと思えない、と書いているのはその為です。(中冨氏の主張は、宝くじを買ったのに1等1億円しか手にしていないので失敗だ、というのに等しいものです。私には正当だとは思えません)
          十分に耳を傾けるべき内容があるかどうかは,それぞれが判断すればいいことです
          きちんと新聞を読む人なら皆さんご存じのはずですが、新聞にはその分野の記事を継続して担当している記者が書き下ろしている「署名記事」と、「署名が無い記事」が存在しています。特に科学(医療を含む)記事の質には、記事に出ない部分の知識の蓄積が影響するので、歴然とした違いが出ます。念のため書いておきますが、問題視した記事は署名記事ではありません。

          また、記事を読む側が持つ科学の基礎的素養の個人差は非常に大きいので、「それぞれが判断すればいいことです」というあなたの指摘は正しくありません。それは多くの人の知識量に大きな差が無い情報に関してのみ、正しいのです。専門的な話になればなる程、訂正要求はそれが「どうおかしいのか」判断できる知識を持った人間にしかできない「めんどうな義務」に近いものになるのです。


          それから、 それが毎日のクオリティ  のような、「新聞社」が新聞記事を書いているかのような表現は勘違いの元です。

          記事を書くのはどんな場合でも個人です。当たり前ですが、どの情報を使うかを決める取捨選択が、「ジャーナル」です。(見つけた情報をならべるだけなら誰にでも出来ます) それから、文章の全てのチェックをデスクが行えるわけではありません。訂正が必要な指摘をした事が有ればご存知でしょうが、指摘されてから細部までチェックし直す事も、少なくはないのです。

          私は、「毎日新聞の報道全てがいい加減だ」という指摘はしていないですし、わざわざ、「ただし、文章を書くのは個人ですので、今回のような事も起きるわけで …」、と書いてあるのですが、ちょっと長い文章でしたから、あなたは読み落としたのかもしれませんね。

          また、きちんとした記事に敬意を払うことと、問題があると判断できる記事に抗議することは、同時に可能です。ひとつの記事に対する非難と、「新聞社」への非難をひとくくりする愚は避けてください。当たり前すぎるので、だれもあなたに対して指摘しないでしょうが、要は、スラッシュドットのコメントがひとくくりに出来ないのと同じ事にすぎません。


          普通の人は、手にはいるかぎりの情報を収集して、それを取捨選択します。
          初めから特定の情報を読まない人間は … 大変でしょうね。
          以前から主張していますが、私はそれを絶対にしません。ここでもね。

             # IDで批判するというやり方は好ましいと思います
             # きちんと説明する事でお答えしたいと思います
          親コメント
        • 今回の中冨氏のコメントが,JAXAと対立する意見として,十分に耳を傾けるべき内容があるかどうかは,それぞれが判断すればいいことです。
          ナンセンス。
          複数の視点から、それぞれに妥当な意見が述べられるから“両論併記の識者コメント”に意味がある。
          トンチンカンな意見やデマが並べてあるのを「両論併記」とは呼びません。
          両論併記されてるだけで,カッとくるのは,いかがなものかと私は思いますね。
          って、元コメントのどのへんからそういう感想を持ったのですか。よかったら具体的に教えてください。
          親コメント
    • by gtk (14477) on 2005年12月08日 16時48分 (#844830) 日記
      > 編集部に「見当外れのコメントを掲載するな、分析能力に
      > 問題のある人にはコメントを求めるな」と抗議しつづける
      > のが一番でしょうか。

      見当外れな見識を披露するコメンテイターを採用し続ける編集者(部)自身の見識がどうかしている場合はどうしようもないでしょうね。

      近年は報道媒体では姿を見なくなりましたが、たとえば日コン連とか。
      親コメント
    • とはいえ、 (スコア:1, 興味深い)

      by Anonymous Coward on 2005年12月09日 16時21分 (#845477)
      僕もこれまでの中冨氏の言動やら著作やらにはげんなりしているし、そして多分これからもげんなりするだろう人間の1人ですが、しかしなんだかなあ。

      リアクションホイールもガスジェットもまったくの新技術だから、はやぶさミッションで試験されて、もしかすると壊れるのも予定のうちです
      ……てモノじゃないでしょうに、とは思うのですよ。もしかすると新技術満載の超ホイールだったりするのかもしれないけど。
      より大型のロケットで打ち上げるべきだった云々の話にしても、これまでは色々な制約でできませんでした、というのは十分分かる。
      でもね、元ISASの衛星側の先生方はこれからもローンチビークルの開発状況に衛星が制約を受ける状況を欲するんですか、
      ロケット側の先生方もリスクあるだろう新たなロケット技術の試験に実用の衛星を積まれてぶっちゃけ困りませんか、とは聞いてみたい気が。

      もちろん、はやぶさの今までの技術的科学的成果を貶めるつもりはまったくありません。よくやったと称えたいくらいです。
      が、どうも最近の/.の宇宙のあたりを見てると、プロジェクトXを見てるオヤジどもを見てるのと大して変わらないのではないかという気もします。
      親コメント
    • 日本こそ自由と平等の国だから。

      少々言動がおかしかろうが差別されることも名誉を剥奪されることもなく、
      第一線で活躍しつづけられる懐の広さこそ、日本社会の美徳とするところ。
    • > はやぶさという宇宙ロボットは、あまり出来の良くないロボットに見える。

      確かに故障は多いですが。
      それでも困難を乗り越えて今の状況があるということは、その分オペレーティング他の人材の出来がいいってことでしょうね。
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Stay hungry, Stay foolish. -- Steven Paul Jobs

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