殺虫剤耐性を獲得した害虫、実は体内に寄生する細菌が殺虫剤を分解していた 29
ストーリー by hylom
私にも食あたりしない細菌をください 部門より
私にも食あたりしない細菌をください 部門より
danceman 曰く、
最近、「殺虫剤耐性」を持つ害虫が登場している。殺虫剤耐性を持つようになった原因としては「遺伝子の突然変異」が考えられるが、このたび産業技術総合研究所や農業環境技術研究所などの共同チームが「害虫の体内に共生する細菌が殺虫剤を分解し、宿主に殺虫剤耐性を持たせている」ということを発見、米国科学アカデミー紀要(PNAS)に論文を発表している(本家/.、Ars Technica、PNAS掲載論文)。
世界で広く使用されている殺虫剤「フェニトロチオン」を使用するサトウキビ畑から「バークホルデリア」という細菌を採取して調べたところ、同細菌がフェニトロチオンを分解できること、また同細菌を体内共生させている害虫は同殺虫剤に対して高い抵抗性を持つことが確認されたとのこと。
一方、この殺虫剤の散布回数が少なかったりその使用量が制限されている畑では、細菌と害虫の協力関係は見られなかったそうだ。
細菌は繁殖サイクルが早く、1日の間に複数世代にも増殖するため、短期間で殺虫剤耐性を獲得することができる。そのため、昆虫が殺虫剤耐性を獲得するまでの期間もこれまで考えられていた以上に短いことになる。
農作物を害虫から守るには殺虫剤を分解できる細菌さえ寄せ付けなければ良いわけで、殺虫剤のターゲットは今後害虫だけでなく細菌も対象になるのかもしれない。
パーツクリーナー最強 (スコア:5, 興味深い)
カメムシは殺虫剤が効かない昆虫の最右翼だが、ホームセンターで売ってる1本200円程度のパーツクリーナーがよく効く。ただ低温になって動かなくなるだけなので、割り箸でつまんでポイするが、晩秋に家の中に入り込むカメムシは、この方法で追い出している。
パーツクリーナーは、スズメバチにも効く。
Re: (スコア:0)
素直に凍殺ジェット用意しておけば凍結から殺虫まで可能ですよ
Re: (スコア:0)
>凍殺ジェット
えらい値段高いぢゃないか。
だから、キンチョルンと、これで万全。
#他にも使えるし
Re:パーツクリーナー最強 (スコア:2, おもしろおかしい)
そして、パーツクリーナーとして使おうとしたら中身がなくなってたと・・・
# あっ、経験談ですorz
Re: (スコア:0)
凍殺ジェットに殺虫成分は含まれていないので、
ほとんど一時的に動きを止めるくらいしかできません。
あれで死ぬのは、ごくごくごく限られた虫だけです。
実はな(笑) (スコア:4, 参考になる)
農作物を守る為に、この細菌類が役に立つこともあるみたい?(笑)
どうりでゴキブリが耐性をつけやすい理由だ (スコア:3, 興味深い)
昆虫の事をちょっと勉強したことがあるなら、ゴキブリの殺虫剤耐性の凄さは知っているだろうけど、
ゴキブリって体内にかなりの数の細菌を持っているので、その多くの細菌の働きまで考えて殺虫しないと、
やっつけられないなんて、実に難解だ。
Re:どうりでゴキブリが耐性をつけやすい理由だ (スコア:2)
しかしこの最強の敵も、上の方で出てるパーツクリーナーを吹きかけると案外簡単にやっつけられるという。
ただ、狙いを定めでぶっかけた後、しばらく高速で走り回ってだんだん減速してひっくり返るという流れなので、家の中で狭いところに逃げられたら倒せたんだかなんだか分からないし、倒せたとしてもどっかに死骸が転がったままというあまり気分のよい倒し方ではないですが・・・
Re: (スコア:0)
自分も真っ先に思い浮かんだのが、この"黒い奴"。
もっとも、この連中ははるか太古より生存しているだけに、その能力も折り紙付きなのだろうか。
Re: (スコア:0)
昆虫は菌を利用しようとするし、菌も昆虫を利用しようとします (スコア:3, 興味深い)
昆虫も細菌も適応能力にかけてはすごいですからね。
たまたま(かもしれない)菌を口から取り込んだら、殺虫剤から逃れられ、生き残れた。菌を失うと死んじゃう。直接的な死のバイアス。都合の良い個体しか生き残れないなら、そういう昆虫が見つかるでしょうね。
バークフォルディア属菌ではないけど、もっとすごいと思うのは、蝶の体内共生細菌ボルバキア。この菌は宿主が雌のときだけ、子どもに垂直伝播できるので、自分の宿主が雄なら雌に性転換させてでも生き残ろうとすることが知られています。詳しくはこの本 [tokai.ac.jp]をどうぞ。
ヒトの場合は、そこまで単純じゃないですけど、体調とか気分とか、意外と腸内細菌の影響を受けてるかもしれませんよ。(肥満の話は・・・、よく分からないや。)
Re:昆虫は菌を利用しようとするし、菌も昆虫を利用しようとします (スコア:1)
細菌じゃなくて寄生虫ですが、寄生虫が人間の性格に影響しているかも、って話がありました。
ネコが人を元気にする科学的な根拠 寄生虫のなせる技? [nikkeibp.co.jp](要会員登録)
ネコを媒介としてトキソプラズマが人間に寄生するとドーパミンの分泌が多くなり「威勢よく」なるという説を紹介しています。
# タレコミにしようかと思ってたけどタイミングが遅くなっちゃったからいいや
# SlashDot Light [takeash.net] やってます。
Re:昆虫は菌を利用しようとするし、菌も昆虫を利用しようとします (スコア:1)
おもしろいお話をご紹介いただいて、ありがとうございます。
ご紹介先の記事は、ヒトの例で書かれていますが、実際的にはネズミに移行したトキソプラズマが有性生殖が可能なネコに戻りたい一心で、自分の遺伝子にあるドーパミン合成遺伝子で宿主を無駄に勇ましくさせて、ネコの前に飛び出させようとしていると理解すると、理屈に合うかな、と思います。
あのカタツムリの例 [gigazine.net]もありますから、結果が子孫繁栄に有効であれば進化の結果として、広範に存在する現象なのかもしれませんね。
#リンク先は気の弱いヒトは見ちゃだめです。
#寝れなくなるよ?(笑)
Re:腸内細菌 (スコア:0)
糖尿病で教育入院してきました。
腸内細菌フローラの違いを調べるのに協力してきました。
人間に寄生させてみたい (スコア:1)
案外、人間にとっても、益になるんじゃないだろうか?
一部の病気は、病原菌の毒素によるものなんだから、この毒素をどうにか出来れば。
通知の設定いじったから、ACだとコメントされても気づかない事が多いよ。あしからずw
細菌が分解するというと(日本人限定) (スコア:3)
過去にこんなトピックがありましたね
日本人(の一部)は海藻を分解・栄養源とする腸内細菌を持っている [srad.jp]
水を飲むと屁(CH4)をこきます
Re:人間に寄生させてみたい (スコア:2)
人間の場合、ちゃんと存在する善玉菌を生活習慣等で減らしちゃったりしてるから、そうは簡単にいかない。
生活が複雑過ぎます。
Re: (スコア:0)
よく宣伝してるL・カゼイ・シロタ株とかって1930年のものらしいから、
84年後の現代だととてつもない世代交代でもっとすごいのがある気がしてきた。
河豚毒とか放射能とかを分解したり不老不死になれる乳酸菌とか無いのか?
Re:人間に寄生させてみたい (スコア:1)
Re: (スコア:0)
抗生物質を利用しすぎると効かなくなるっていうのもこれと似た話なのかな
Re: (スコア:0)
旅行先で食べ物や水が合わないというのはそういうことなのだろうと思っています。
現地の人たちは、その環境で遭遇する病原体や毒素に対抗できる腸内細菌の生態系を持っているのだろうと。
逆に細菌に作用しない殺虫剤 (スコア:1)
Re:逆に細菌に作用しない殺虫剤 (スコア:1)
なるほど、今回の共生関係が、宿主からの何らかの分泌物を受けて薬剤に反応しているのでなければ、有効な話かもしれない。まあしかし、細菌が1種類とは限らない。連携してるのかもしれない。そこんとこは害虫の体内だとしても結構複雑なんだろなあ。
俯瞰しよう。何事も俯瞰しなくちゃ駄目だ。
じつは人間も (スコア:0)
(なんにしても、寄生虫や細菌とためはれる免疫力のもととなる体力が必要ですが・・・・)
小沢さんが勢いづいたのも腸内細菌のおかげです
その殺虫剤は細菌に作用しない? (スコア:0)
> 一方、この殺虫剤の散布回数が少なかったりその使用量が制限されている畑では、細菌と害虫の協力関係は見られなかったそうだ。
元記事読まずに書くけど、その細菌には殺虫剤がもともと作用しないのかな?
その場合、細菌自体に淘汰圧がかからないから、薬剤耐性の獲得と広がりは細菌の世代交代と比べて遅くなるのではないか?
ついでに、自然状態では協力関係が見られないなら、昆虫はどのようにしてその細菌を取り込み、協力関係を生み出したんだろう?
コンポーネント化 (スコア:0)
昆虫の巨大なスパゲティDNAより原核生物であり、プラスミドもある細菌の方が急速な変化に対応しやすい。
一度獲得した形質は急速に広がり種を越えて共有することが可能。
コンポーネント化や仮想化の利点そのままですね。
つまり、だ (スコア:0)
>この殺虫剤の散布回数が少なかったりその使用量が制限されている畑
素人が、医者に断らず勝手に抗生物質入りの薬をやめて、耐性菌を作り出すように、
素人の減農薬農法が耐性菌を作り出している一因となっているわけか。
Re: (スコア:0)
なんでそのすぐあとを見ないんだ。
全く正反対の結論だぞ。
本当に駆逐されるべきは (スコア:0)
「曲がったキュウリでは売り物にならない」といって二束三文に買いたたく連中。
現にそれでも良いという消費者が現に居るのだから。