文化庁の文化審議会漢字小委員会、手書きの漢字の多様性を認める方針 69
ストーリー by hylom
揚げ足取りのようなテストは止めよう 部門より
揚げ足取りのようなテストは止めよう 部門より
文化庁の文化審議会漢字小委員会が、漢字の手書き文字について「ウ冠の上の点」や、「右」で「口」部分を「ノ」の部分にくっつけるかそれとも離すか、といった細かい差異について、多様な字形を認めるべきという中間報告案をまとめた(読売新聞)。
こういった細かい差異が原因で、筆記試験で誤字だと判断されたり、金融機関の窓口で書き直しを求められるといった混乱が実際に起きているそうで、政府が指針を示すことでこういった問題を解決することを目指しているようだ。
むしろ字形を統一すべき (スコア:5, すばらしい洞察)
私はどちらかといえば、教育面で「個性」を尊重すべきだという考えですが、「文字」「言語」については、個性をできる限り排除して、統一すべきだと思います。文字・言語というのは意思の疎通を図るためのものであって、みんなが好き勝手な文字・言語を使ったら、意思の疎通がとりにくくなり、不自由になるからです。
その証拠に、アメリカが「文字の書き方」も個性の一つとして尊重すべきだという教育を行ったせいで、個性的すぎる文字があふれ、他人が書いた手書き文章を読解するのが困難な状況となってしまいました。その結果、「手書き文章の手紙というのは、読みにくいので失礼」だというマナーができてしまい、活字が事実上強制されるようになってしまいました。
文字の字形についても、文化庁がガイドラインを作り、統一すべきだと思います。
全国の渡辺さんや斎藤さんの中には不快な思いをする人もいるかもしれませんが、漢字の旁(つくり)や偏(へん)などにワイルドカードを入れられる 日本語正規表現 [twitter.com] というのも複雑化して好ましくないので、公共の利益のために、これについても字形を統一して欲しいです。
戸籍をたどることで、異字体のうち多くは公務員の転記ミスによって生まれたという歴史的経緯があることが判明しています。少なくとも、誤字によって生まれた異字体については、国が保証金を支払い、本来の字体に戻すことで、排除すべきだと思います。
Re:むしろ字形を統一すべき (スコア:3)
「文字」「言語」については、個性をできる限り排除して、統一すべきだと思います。文字・言語というのは意思の疎通を図るためのものであって、みんなが好き勝手な文字・言語を使ったら、意思の疎通がとりにくくなり、不自由になるからです。
そうであれば、当然個人が標準に近づくことも必要である一方、標準の側で汲み取る項目をある程度狭め、意思を認めない部分を用意することにも重要な意味があると思います。
ストーリーにあるような細かい字形の違いを区別しては、各個人が個人である以上、あらゆる標準字形からのずれに関して統一見解を用意する必要があります。
例えば「右」の「口」が接触していない字形を新たに「右の誤字」として定義しても、新たなはしご高を生むだけです。その差異は"右"と"右の誤字"を識別する以外の役にも立ちません。
既存の定義された字の中で相互に識別できる限り、「この部分の違いは無視し、情報として考慮しません」と宣言した方が、言語を単純にして意思の疎通を円滑化する上では効果が
あるのではないでしょうか。
Re:むしろ字形を統一すべき (スコア:2)
「この部分の違いは無視し、情報として考慮しません」という箇所を明示するというのは確かに良い方法ですね。
標準文字と、許容する変化の一覧を両方定義しておくと良い感じになるかもしれません。
Re:むしろ字形を統一すべき (スコア:1)
少なくとも、『常用漢字表』(PDF) [bunka.go.jp]のP. 7、 「表の見方及び使い方」の「(付) 字体についての解説」の「第2 明朝体と筆写の楷書との関係について」(ページ番号も章節番号も振ってないので引用し難いことおびただしい)には、手書き文字の許容例が書いてあるんですがね。
ところが、学校教師はこんなもの見ずに勝手な基準で指導してくれるから困ったことになる。 筆順にしても、本当は1つに決まったものではないのに、1種類以外は認めない。バカにつける薬はないものかね。
それから、字形については、明朝体活字の細かいデザイン差まで気にするのは行き過ぎだと思います。 手書きにして変わらないなら、同じ文字だとみなすべきでしょう。
もちろん、文字として別なものは別扱いですよ。「萩」(はぎ)と「荻」(おぎ)は別の字だし、「斎」(さい)と「斉」(せい)は別の字です(どちらも「さいとう」の「さい」だから同じというなら、「地」と「池」も同じと言うことになります。なぜなら、どちらも「きくち」の「ち」だから。)。これらは異体字ですらない。
もっと言えば、「丘」と「岡」は異体字ではないけれど、意味が同じだからといって「異体字」と呼ぶ痛い人たちもいますね。知らないなら黙っていればいいのに。
Re:むしろ字形を統一すべき (スコア:1)
オフトピ。
<http://kokugo.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/joho/kijun/naikaku/pdf/joyokanjihyo_20101130.pdf&page=7>
程度の表記がもっと普及すれば個人的にはうれしいと思うのですがそれとは別に、文部科学省はじめ国の府省庁がPDF文書の形で公開するドキュメント内にアンカーを施さないから目次や索引からジャンプできないというilliterateな状態はそろそろ我慢の限界に近い。
※あくまで一個人の感想です。
お上がそんなだから下々もそれに見合っていると思えるところもあり複雑な心境。
Re: (スコア:0)
おれも大体このあたりに同意だなあ。
規範的なものくらいは定義しておいてほしい。
そうじゃないと、例えば、字のクッソ下手な書類か何かにまつわるトラブルに巻き込まれた時に、裁判で「いやいや、字に規範とか無いから(笑)古臭い「正しい字」とやらから外れた文字でも、ちゃんと読めないとだめだよ(笑)はいアンタの負け(笑)」とか言われるのはどうしても我慢ならん。
ちゃんと「確かに字が下手すぎる。とめはね払いをちゃんとしてない書き手に過失があるな」と認めてくれないと嫌だ。
まあそんな事で裁判になるかどうかは微妙だけどなw
でも何を争点として裁判になるか、ホント分からん世の中だしなあ。
> 誤字によって生まれた異字体については、国が保証金を支払い、本来の字体に戻すことで、排除すべきだと思います。
これはどうかな。おれは賛成とも反対とも言えないや。
Re: (スコア:0)
みんなが好き勝手な文字と言語を使うのが意思疎通のなまなましい姿だと思いますよ。ピジン・クレオールあたりがその最たるもの。
天下り式に統一せよ、差異は排除せよなんて試みは、よほど専制的集権的な権力が無理強いしないと出来ないのよね。
Re:むしろ字形を統一すべき (スコア:2)
隣りの国は、強制的に簡体字を規定した。
さすが、中国と思った。 日本じゃ絶対無理とも思った。
と思ったが、、、、以下、自粛。
Re: (スコア:0)
字体を統一すべき、という点は同意しますが、ここで上がってるのはちょっと違う話です。
今回は「字形の違い」についてのお達しであって「字体の違い」についてはここでは触れていません。字体が違う=文字として違うものはともかくとして、とめ・はらいなどの細かな差異を許容しましょうって話です。
学校教育でも、この「細かな差違」の評価は「柔軟に対応せよ」と指導要綱にかかれています。
児童生徒が書いた漢字の評価については,指導した字形以外の字形であっても,指導の場面や状況を踏まえつつ,柔軟に評価すること。
引用:文部科学省「常用漢字表改定に伴う学校教育上の対応について」(まとめ)の概要 〔常用漢字表改定に伴う学校教育上の対応に関する専門家会議〕
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/076/toushin/attach/1... [mext.go.jp]
同じ字でありながら,微細なところで形の相違の見られるものがある。しかし,それらの相違は,いずれも活字設計上の表現の差,すな
常用漢字表ではもともとも多様性が認められている (スコア:2, 参考になる)
が、一般には広く知られていないから、あらためて「みんなちゃんと多様性を踏まえようぜ」という指針を出した、というお話。
今回あらたに多様性が認められたということじゃないです。
Re: (スコア:0)
日に日に手書き文字を見る機会が減ってますからねぇ。
Re: (スコア:0)
twitterとか見てると、「文化庁は日本の伝統文化を破壊する気だ!! 突撃しろ!!!」みたいなのが佃煮に出来るくらい湧いててウンザリですな。
字形も字体も活字と手書き文字の差異も漢字教育の歴史も、およそ歴史と伝統なんかなんにも知らんのになんでかこの調子で……
Re:常用漢字表ではもともとも多様性が認められている (スコア:1)
異体字が多い渡邊さんたちとか、こだわりが強い人は多いからね。
手書き署名は自由で結構だ。
でも電算処理する戸籍、住民基本台帳を含めて、既存のJIS文字だけに強制してほしいなあ。
面倒でしょうがない。わざわざ外字フォントを作ってまで対応しろとごねる上司もいるものなあ。それを全社適応させるためのコストも考えろよ。
Re:常用漢字表ではもともとも多様性が認められている (スコア:2)
荻野さんと萩野さんを間違えると死刑とか、
渡邉と渡邊を間違えると夜道で刺されるとか、
齋藤を手書き年賀状で書くためにフォントを72ポイントくらいまで拡大するとか、
もう勘弁してほしい。
Re:常用漢字表ではもともとも多様性が認められている (スコア:1)
税務署員は納税者個別の事情を組織内でいちいち申し送りしないという
貴重な情報ありがとうございます。
同様の事案が発生した際は、前年・前々年…の記録をその都度示すようにして
防衛することにします。
Re:常用漢字表ではもともとも多様性が認められている (スコア:1)
少し…頭冷やそうか…
Re:常用漢字表ではもともとも多様性が認められている (スコア:1)
オフトピになりますが「佃煮にできるほど湧く」という表現はどこかで使いたいと思います。
あ、私はちなみに手書き派。ノートパソコン持ってないので会議も「ダイソーの紙ノート」。
多様性もなにも崩したり崩れたりしないと書くのが追い付かないから、実用面では多様性は必須かと。
ただ、「崩れた」と「崩した」の違いは気になる人なので、やはり基礎はしっかり学校で
学んでほしいです。
Re: (スコア:0)
甲骨文字→金文→隷書体 辺りの変容を見ると、字体・書順に拘る事のバカらしさよ。
Re: (スコア:0)
「伝統」を重んじる(と思ってる)人たちの多くは、自分の子供時代に教わったことや、せいぜい親(の世代)から聞いたことを「伝統」と勘違いしてるに過ぎないですからね。
「甲骨文字」とかまで持ち出すのは、やりすぎだとは思うけど。まだ漢字が成立してない時代ですから。
逆に、どんな伝統にも最初があり、当時は伝統を打ち破る画期的なイノベーションだったはず。
伝統を参考にするのはいいけど、それにこだわりすぎず、それを参考に新しくしていけばいいと思います。
Re: (スコア:0)
http://www.asahi.com/articles/ASH9K7K5VH9KUCLV016.html [asahi.com]
親の親はこんなだもんね。
二言目には伝統だの歴史だのな人の言う伝統や歴史なんて、だいたいが凄く浅かったり時にはまるで嘘だったり……
Re:常用漢字表ではもともとも多様性が認められている (スコア:2)
Re: (スコア:0)
戸籍関係で異体字が電算対応されてないからってごねる人が多かったみたいですからね。
手書き文字で特に署名関係は自由でいいのではないかと。手書きでのこだわりは認めるけれど、それを公的書類に反映することを要求するのは不合理だ。
電算関係はマイナンバー関係や戸籍、住民基本台帳を含めて、既存のJIS文字だけに限定してもらいたいものだ。
そもそも、同じ文字コードでもフォントによって字体が異なることは認められているし、活字系は統一して規格化すべきものだと思うしね。
Re: (スコア:0)
既存のJIS文字だけに限定してもらいたいものだ。
JIS X 0221:2014で80,000字強って位ですかね、
異体字セレクタを考えるともっと増えますが……。
Re: (スコア:0)
「もともとも」って何だかかわいい
本来は「正しい」文字も定義されていないのに (スコア:2)
誤った文字、正しい文字と議論されても困る件について。
書き順にしたって。
「筆順指導の手びき」を「正しい筆順」と定義すると百歩譲ったとしても(本来そうではないのですが)、そもそも定義はアップデートされているのですか?当時に比べて教育漢字の数は変わっているはずなんですが。
Re:本来は「正しい」文字も定義されていないのに (スコア:3)
> 「筆順指導の手びき」を「正しい筆順」
これは教育現場での「正しい筆順」ですね。
勝手に拡大解釈してる人が多いですが。
書の世界では、綺麗に書ける筆順はあっても正しい筆順は無いと聞く。
「正しい」文字の定義 (スコア:0)
IMEの手書き入力で識別できればそれは正しい・・・とか
#漢字よりひらがなのほうが乱れてるのか、認識できないのが圧倒的に多いのがひらがななんだよなぁ
Re:「正しい」文字の定義 (スコア:1)
もう20年ぐらい前かな。シャープの手書き認識PDAであるザウルスの開発者インタビューで
「最初は正しい筆順のみ文字認識するようにしたが、使ってみるとすごく認識率が悪いので、いい加減な筆順でもなんでも認識するようにした」とか語ってましたね。
#ひらがなが認識できないのは、画数少なすぎて図形としてあいまいになってるからだと思う。
Re: (スコア:0)
その識別の基準をどうするか、という話では、とマジレス
"&"がDSの脳トレで認識されなかったのでAC
# 右下から左上に向かう線から書いていたら認識されず、右中から左下へ向かう線から書いたら認識された
そして (スコア:1)
教育現場が爆裂に揉めたりして。
あそこでは、児童や生徒の多様性を認めたがら無さそうだし。
#そういう偏見
Re:そして (スコア:2)
ニュースを見る限り、教育現場は関係ない話。
指導要領に則って、粛々と教育するだけでしょう。
何が正しいかを教える。 (何が正しいについて議論はあるでしょうが)
ごっちゃにしてる人が多い。
お役所とか、社会の現場での判定基準を緩めましょうということでしょう。
基本は歓迎ですが、、、
年号が西暦でもOK と言いながら、なぜか、元号でないといい顔されない現実を考えると
実際の効果はどれほど、、、と思う。
Re:そして (スコア:2)
http://www3.jvckenwood.com/tvf/archive/grandprize/tvfgrand_29a.html [jvckenwood.com]
ところがどっこい、教育現場は指導要領とも違う変な考えで動いてるんですねえ。ふしぎふしぎ。
Re:そして (スコア:1)
>何が正しいかを教える。 (何が正しいについて議論はあるでしょうが)
上意下達じゃないけど。
上で決まったことはそのまま「コレが正しい」と教える。
その後それが正しくなくなったり変わったりするのはよくあるんだけど、教えられたほうが中々修正できないもどかしさ。
#1192作ろうは刻み込まれてる・・・
不祥事や欺瞞がアチコチでジャカスカ垂れ流されている昨今「テレビは嘘を言わない」や「先生(学校)は必ず正しい」と思っている人達は減ってるんだろうなぁ。
>年号が西暦でもOK と言いながら、なぜか、元号でないといい顔されない現実を考えると
書類の中の日付欄では必ず元号だけど、書類自体を整理するファイルの番号や派生するレコード番号は西暦だったり。
業界や団体で基準も色々なので、郷に入れば郷に従うのにも気を使ってしまいます。
Re:そして (スコア:1)
今探しても、ソースが見つからないけど。。。
Re:そして (スコア:1)
もしかしたら、その件が今回の方針の発端の一つだったりして。
Re: (スコア:0)
私が通っていた小学校では、MS 明朝のように『さんずい』の三画目を長くすると誤字でした。
Re: (スコア:0)
それは、その教師の趣味ですか? わけがわからん。
さんずいの3画目が長くないと、むしろ変でしょう。
Re: (スコア:0)
「二画目の下端より三画目の上端が上になっているとバツ」
でしたね。
漢字を覚えるのを積極的にやめた切っ掛け (スコア:1)
小学校3?年の書き取りのテストで, 「鳥」という文字の下側の4つの点の一番左側が右向きになっていなかったことで×をもらったのが切っ掛けで, 馬鹿らしくなって漢字の書き取りを捨てました. 今調べても「鳥」の字形でそのような形になっているものは少ないみたいなんですが, どこから来たんだろ?
その分, 本を読む時間が増えたんで, 結果的には成功でしたね.
そして (スコア:0)
ひらがな、カタカナに次ぐ新しい文字セットが生まれる
Re: (スコア:0)
アスキーアートで微妙な表情の違いを作ることが出来るようになりそう。
Re:そして (スコア:1)
カタカナによく似たタイプフェイスでアルファベットのフォント、
というのを最近どこかのサイトで見かけたなあ。
日本語が母語だと読めなそうなカタカナそっくりな。
Re:そして (スコア:2)
これ? [dafont.com]
Re:そして (スコア:1)
そうです!多謝。
s/カタカナ/&と画数の少ない漢字/g
Re: (スコア:0)
これ、顔を斜めにすると割と読みやすい
真横にするとまた読みづらくなってくる
なかなか認識的に面白いよね
右と左 (スコア:0)
でも、「右」と「左」の「一」と「ノ」の筆順を間違えると×なんですよね。
活字も (スコア:0)
Unicodeの普及と漢字文化圏における日本の地位低下のせいかどうか分からないけど、
中国(?)の微妙に違う明朝体フォントで作られた書類とか掲示を見かけることが多くなりました。
たとえば「ごんべん」の一番上の角(日本の明朝体だと縦画)が「てん」になっていたりとか。
「糸」とか「入」とかも微妙に違って違和感ありまくり。
慣れの問題なのかもしれないけど。
Re: (スコア:0)
IPAフォント系は日系なのでいいのですが、Google Font系は中国系の漢字字体が優先される傾向があるみたい。JIS第二水準内に使いたい文字がないからと中国語FONTから探してきてわざわざ使う人もいるみたいだね。ISVで字体を切り替えるのもいいけれど、ISVを正しく処理できない処理系があまりに多くて使い物にならないからなあ。せいぜいWORDで文書を作る時ぐらいしか役に立たん。
署名 (スコア:0)
印鑑じゃなくて、サインで届け出ていたら、登録のサインの筆跡と窓口に来た本人のサインの筆跡が違ったら突っ返さないといけないじゃない。
見える、見えるぞ (スコア:0)
多様な手書き文字の「例」として掲げられたもののいずれか1つを正確になぞらないかぎり不正解にされる未来が。