パスワードを忘れた? アカウント作成
256352 journal

gedoの日記: 日本の技術流出は小泉政権のせいか?@サンデーモーニング 8

日記 by gedo
今日のサンデーモーニング日本の技術流出は、この手のネタにしては、それなりうまく解説していたと思います。
まず、技術流出元の統計が出ていて、中国企業との提携や中国進出での漏洩は、企業側での対策もかなり進んでいて、それより中国企業による技術者に対するヘッドハンティングや、定年退職やリストラされたエンジニアの再活用、しかもかなりの高待遇を餌に釣り上げていくなど、技術者の流出によるものが深刻なのだそうです。
たしかに、番組中でも指摘されたとおり、技術を持っているのは人です。特にここ数年増えているリストラされた技術者となれば、日本では再就職もままならず、とりあえず手っ取り早く仕事が得られるのでしょう。そして技術職への未練を捨てきれないひとも多いのか(表面的とはいえ)高く評価してくれるとなれば、技術を取得したらポイと捨ててしまう国民性を知ってか知らずかホイホイと中国へ行ってしまう人も多いとのことです。(さらに日本で異業種に移ろうにも偏見も強いしね)
加えて、既に理工系学部は不人気学部になっていて、優秀な若者はもう来ないのだとか。

ただ最後に、だから小泉改革が悪い、新自由主義が悪い、成果主義が悪い、古き良き日本式社会が恋しいよという論調だったのは、なんか違和感を感じるものがあります。
寧ろ、長年に渡って日本文化に染み付いてきた理系蔑視・冷遇の歴史が我慢の限界点を越えて、顕在化しただけじゃないかという気がします。
もっとも、これからシタバタした所で、全国至る所に理工系の職業は止めておけ大合唱団がこれだけ育っちゃっているわけですし、手遅れじゃないかという気がしますけど。
この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • その先にあるものを考えないでヒト・カネの削減を国内で進めて気がついたら足元が不安定になってしまっていたというお決まりの繰り言ですかね。産業政策に先見性がなかったというのか、成長経路を見定めて軌道修正する制度設計になっていなかったということがあるんでしょうけど。舵を切りなおす割り切りのある産業人、政治家、行政担当者がいないとはじまらないなあ。外野が警鐘を鳴らしているだけでもだめだけど、外圧しだいでは軌道修正されるという定番コースか。
    • 外国にとっては「日本の技術者が(働きに比べれば)安い賃金でホイホイ来てくれる」状態な訳で、わざわざ外圧をかけて軌道修正しようとは思わないでしょう。
      「コミュニケーション力」とか言って、口先三寸の学生を有難がっている国では、今まで当たり前に動いていたシステムが今後動かなくなるのでしょうね。
      親コメント
      • 外国にとっては「日本の技術者が(働きに比べれば)安い賃金でホイホイ来てくれる」状態な訳で、わざわざ外圧をかけて軌道修正しようとは思わないでしょう。

        そうですね。その「安い賃金」ですら日本人技術者の感覚では、とんでもない高給だと思ってくれるのですから。外国にとってはウハウハでしょう。
        私の周辺の話ですと、さすがにリーマンショック後はなくなりましたけど、提示された額が前職の2倍ぐらいとかよくありましたから。(私はもう技術者するつもりないけど)

        まあ、それでも昔であれば、日本には安定した雇用というメリットとか海外への壁とかありましたけど、今やちょっと経営が不振になれば、技術者からバサバサリストラですから。
        これでは、既存の技術者は流出、若者は来ないになるのは当然の帰結、日本経済界の自業自得というものです。

        親コメント
    • その先にあるものを考えないでヒト・カネの削減を国内で進めて気がついたら足元が不安定になってしまっていたというお決まりの繰り言ですかね。

      対中流出の場合、それだけではなく、流出した日本人技術者から学んだ技術で、急速にレベルアップを果たし、ついには日本企業と競合というか、日本企業のビジネスを脅かす存在になったというものあります。
      加えて、理工系職に対する若者のイメージも悪くなって、優秀な若者が理工系分野を目指さなくなってしまい、次世代の人材も先細りが止まらない。
      そして、今になって慌てているというわけです。

      舵を切りなおす割り切りのある産業人、政治家、行政担当者がいないとはじまらないなあ。

      これも、あまり期待できないと思います。日本の場合、このあたりを占めているのが文系エリートや体育会系(さらに理工系の皮を被った体育会系)で、何かやったとしても、彼らの利権を削らないで済む範囲でしかやらないと思います。

      親コメント
  • 技術者が生活苦から死亡してしまうというのは避けなければならないけど、
    他の国に行くということなら地球から流出するわけではないし…
    修正の余地はあると信じたい。

    --
    屍体メモ [windy.cx]
    • ・日本人技術者が元いた会社→リストラで人件費を減らして(当座の)業績が上向く。経営陣は胸を張って高額報酬を手にする
      ・当の日本人技術者→やっとのことで生活の糧を手に入れることができる
      ・外国の企業→働きに比べれば安い報酬で技術者を得て、さらなる発展を目指す

      ということですか。日本企業にとって最悪の結果であるはずなのに、三方丸く収まっているのが不思議でなりません。
      親コメント
  • by hishakuan (32621) on 2010年09月19日 18時18分 (#1827353) 日記

    むかーしむかしの日本では特許権侵害の判定は今よりずっとハードルが高かったそうな。
    なぜならその頃の日本は他所の国の技術をパクッたり参考にした技術開発が多く、
    ハードルが高いほうが技術の流入は容易かったから。
    そのお陰もあってか大発展を遂げたむかしの日本では誰もが知る大企業の技術者の間で週末の韓国行きが流行ったそうな。
    知的財産なんて言葉の影も見えない当時、自分たちが開発し運用している技術を指導する週末のバイトは、
    技術者にとってただただ美味しいものに過ぎなかったようで。

    少なくとも権利の側から見たら今の方がましだよね。技術流出が理系冷遇の為かは知らんけど。

  • by Anonymous Coward on 2010年09月19日 18時00分 (#1827346)

    単に小泉がとどめをさしただけ。
    技術開発もイノベーション時ならば技術者の価値は高い。
    しかしルーティンワークの小改良の継続の時代には価値が下がる。
    技術が安定化し開発でなくQCの時代となると相対的に機械ではなく人間の活動の改良の方が効く。
    結果として歴史のある企業は技術重用率が落ちる。

    小泉はその所には何も影響を与えていない。
    ただ、大企業は保護し企業の下剋上を抑制しただけ。
    格差社会ってのはそういうこと。

    基本的に現状は企業保護が過ぎている。
    その為、大企業を支えていた技術者が新しい企業での起業時に重用される場所が減った。
    その結果、大企業は硬直化し時代に適応が出来なくなり、中小企業には大きくなる為のリソースが不足してきた。
    世の中に合わない会社は潰せばよい。
    その分、世の中に合う会社が生まれ育つ余地になるのだから。

typodupeerror

アレゲはアレゲを呼ぶ -- ある傍観者

読み込み中...