yasuokaの日記: 人名用漢字になった祷と穹 3
日記 by
yasuoka
昨日の官報をチェックしていたところ、法務省令第24号で「祷」と「穹」が無事、人名用漢字に追加されていた(官報号外第93号pp.1-2)。パブリックコメントに送った私(安岡孝一)の意見が採用されて、ちゃんと
別表第二の一中「禄-祿 禎-禎 禱」を「祷-禱 禄-祿 禎-禎」に、「穰」を「穰 穹」に改める。
になったのは、まあよかった、と言っていいのだろう。
しかし、「祷」を出生届に認容する神戸家裁伊丹支部の審判(平18(家)1016号)が2007年2月23日、「穹」を出生届に認容する大阪家裁の審判(平18(家)7444号)が2007年4月10日だから、この子供たちは、もう2歳の誕生日を過ぎているはずだ。しかも、法務省側の即時抗告から大阪高裁決定(2008年3月18日)まで1年もかかった上に、大阪高裁決定から戸籍法施行規則改正(2009年4月30日)までさらに1年あまり。人名用漢字を増やすのは、あまりに骨の折れる作業だ。
これで人名用漢字は985字になったのだけど、さて、世の中の人たちは、どのくらい、このことに気づいているのだろう?
「祷」と「穹」の件 (スコア:1)
「獅」「毘」「駕」「瀧」そして「矜」 (スコア:1)
「曽」の件は以前、三省堂ワードワイズ・ウェブ [sanseido-publ.co.jp]に書いたので、そっちを読んでいただくとして…。「獅」は横浜家裁2004.5.6審判(認容)で2004.6.7に人名用漢字に追加、「毘」は名古屋家裁2004.6.18審判(認容)で2004.7.12に追加、「駕」は大阪家裁2004.6.10審判(認容)で2004.7.12に追加、「瀧」は広島家裁で却下されたものの抗告審の広島高裁2004.6.23決定で認容されて2004.7.12に追加ですから、どれも1ヶ月そこそこですよね。
ちなみに「矜」は、名古屋家裁2000.9.29審判(平12(家)1826号)で却下されてるのですが、その後、国への損害賠償請求に切り換えて、名古屋地裁(平16(ワ)3577号/平17(ワ)1230号)→名古屋高裁(平18(ネ)336号)→最高裁(平18(オ)1519号)と戦ったものの2006.10.27判決で却下されてます。
Re:「獅」「毘」「駕」「瀧」そして「矜」 (スコア:1)