Mozilla、EU域限定のiOSのブラウザーエンジン自由化は競争を妨げる新たな障壁だと批判 35
批判 部門より
Mozilla のダミアーノ・デモンテ氏が The Verge に対し、EU 域限定で iOS のブラウザーエンジンを自由化する Apple の方針を批判したそうだ (The Verge の記事)。
Apple は EU のデジタル市場法 (DMA) 準拠のため、EU 域に限定した iOS や App Store などの変更を発表している。これまで iOS では WebKit 以外のブラウザーエンジンを利用できなかったが、EU 域限定でブラウザーエンジンが自由化される。
デモンテ氏は The Verge に対し、技術的な詳細を検討中であるとしたうえで、EU 域限定のブラウザーエンジン自由化は Firefox のようなブラウザーに 2 つの異なるブラウザー実装の開発と維持を強いるものだと指摘。WebKit ベースの Safari を提供する Apple には必要のない負担であり、他のブラウザー開発者へ最大限の負担を与えることで消費者には新たな選択肢を与えない。Apple が iOS におけるブラウザーの真の競争を妨げる障壁を作っている新たな例だと批判したとのことだ。
Apple の DMA 準拠計画を批判するのは Mozilla だけではない。特に EU 域で配布チャネルにかかわらずインストール件数が 100 万件を超えたアプリに 0.50 ユーロを課金する「Core Technology Fee」導入に対しては、Epic Games のティム・スウィーニー氏や Spotify のダニエル・エク氏、Coalition for App Fairness などが批判している。
一方、Apple はエク氏の批判に対し、EU域の開発者は従来の条件を維持することも、新しい条件に移行することも可能であり、新しい条件では 99% 以上の開発者が現在と同額もしくは少ない金額を Apple に支払うことになるとの声明を出したとのことだ。