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フランスで新著作権法(いわゆるiTunes法)上院通過 50

ストーリー by mhatta
強制門戸開放 部門より

maia曰く、"フランスで新著作権法、いわゆる「iTunes法」(正しくはDadvsi法らしい)が上院を通過した。これで、iTMSで購入した楽曲を、他のメーカーのプレイヤーで聞けるようになる(もちろんApple以外のオンライン販売にも適用される)。6月26日のCNET Japanの記事によれば、法案は上院で多少の妥協がなされ、著作権者から許可されている場合は、DRM情報の公開は免除されるらしい。技術的にどういう事になるのか分からないが、DRMのセキュリティへの重大なリスクになる事は間違いない。いずれにせよAppleが受け入れるとは思えないが(iTMSのフランスから撤退もありえないとは言えない)、IDG News Serviceの記事「French law affects copyright, DRM, Apple」によれば、法律の発効には大統領の署名が必要だし、Socialist Partyは同法の違憲審査請求を考慮しているとのこと。

2006年03月23日のストーリー「フランスで著作権管理技術公開を義務づける法案」
本家のストーリー「French Lawmakers Approve 'iTunes Law'」"

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • Dadvsi法は、本来はiTMSなどのDRMを公開させることを目的としていましたが、Apple社などからの反発を受けて、完全に骨抜きにされました。

    タレコミにも下記のようにあります。
    >著作権者から許可されている場合は、DRM情報の公開は免除されるらしい。

    iTMSでの販売について著作権者と契約する際に、DRMを公開しない許可も得れば良いだけのことです。

    このため、法案が可決される際、社会党および与党UMP党の議員数人から、骨抜きになったことへの非難の声が上がったそうです。
    情報源:旧“iTMS公開”法案、緩和版が仏議会で可決 [itmedia.co.jp]

    一方、日経の記事「仏、ネット楽曲取り込み「互換性」義務付け [nikkei.co.jp]」は、法案が緩和されていることに触れていません。取材が不十分であることがわかります。
    • by Anonymous Coward on 2006年07月02日 18時59分 (#971143)
      この法律で言う著作権者がだれなのかよくわからないのですが?

      もしまじめに著作権処理をするつもりなら、作詞、作曲、演奏、版権の少なくとも四者の著作者から同様の著作権処理を委託して貰う必要があります。
      レーベル(版権者)が代表して著作権処理に関する手続きを行う場合においては、作詞者、作曲者、演奏者が一致して強く要望しない限り無難な通常のDRM付きになってしまいそうです。

      もっとも、国内法でDRMに対する制限を強くすれば、ネット社会だから販売会社が海外に逃げてフランス国内音楽出版社の国内売り上げが減るだけの結果に終わりそうですね。
      親コメント
    • まるで著作権者から、DRMを公開しない許可を無条件で得られるような書き方ですね。
      • DRMを公開しない許可を著作権者から得られない場合、その曲は販売しないでしょう。許可を得ずに販売してしまうと、DRMの公開が必要になりかねませんから。

        一般的なダウンロード販売業者を使う場合、著作権者の選択肢は「DRM非公開を許可するか、ダウンロード販売を諦めるか」の二つだけです。(DRMなしのMP3ファイルを販売している業者を使う場合は、別です。)
        まあ、たいていの著作権者は、曲が知らないうちにコピーされてしまうより、コピーされないようになっていることを望みますが。
        親コメント
  • by nojiri (27623) on 2006年07月02日 17時28分 (#971101)
    楽曲の強制公開のほうが、消費者にとって有益ではないでしょうか?

    DRMを強制公開させようとしたのは、iTMSでしか買えない曲があり、それを購入した消費者がiPod以外の機器で再生できないからです。
    ならば、あるダウンロード販売店で販売した楽曲は、ほかのダウンロード販売店へも提供せねばならないと、著作権者に強制してはどうでしょうか?(もちろん、ほかのダウンロード販売店が、その曲の販売を望めばの話です。)
    消費者はどこからでも同じ曲を購入できるようになりますから、iPodに縛られることはありません。

    企業側の抵抗が強く実現がほとんど不可能なDRMの強制公開よりも、よほど実現性が高く、消費者にとっても十分に有益と考えます。

    (ただ、iTMSで購入したあとiPod以外の携帯音楽機器に買い替えた消費者は、上記の方法では救済できません。そのような人には、CD-Rに焼いてからリッピングしなおしてもらうしかありません。)

    ------------------
    日本で法制化しませんかね。そうすれば、SONYは嫌でもiTMSに楽曲を提供せざるを得なくなる…。
    • by bugbird (4706) on 2006年07月02日 21時25分 (#971195) ホームページ 日記
      > 楽曲の強制公開のほうが、消費者にとって有益ではないでしょうか?

      それ、『強制許諾権』と言ってます。アメリカの著作権法などでは権利者の独占的な権利の濫用の可能性に対し、『フェアユース』という観点から、著作物を利用する側の権利として定義されています。

      フランスの著作権法がどのようになってるのかは不明ですが、少なくとも残念ながら日本の著作権法では主張ができない権利です(日本の著作権法は権利者の権利を定義しているのみで(私的使用とか引用などは、権利者の権利を制限する事によって実装しています)、利用者側の権利は一切定義していません。

      # その昔そう説明したら「その補集合は権利でしょ?」と言ってのけた人がいて顎が外れましたが…

      > 日本で法制化しませんかね。そうすれば、SONYは嫌でもiTMSに楽曲を提供せざるを得なくなる…。

      と、いうわけで、日本では日本の著作権法の体系の下で、「強制許諾権」以外の方法でいかにして「フェアユース」を実装するのか? と、いうのが大きな課題なのですよ。
      --
      --- Toshiboumi bugbird Ohta
      親コメント
      • 他の枝でも話が出てますが、市場を考慮して考えるべきなんじゃないでしょうかね。

        DRMってのはインフラなわけで、それを握ることで市場が独占できてしまうのはまずい。とするとcompulsory licensing の対象にすべきなのは個別の楽曲ではなくインフラ技術の方でしょう。

        そもそも、ソフトウェア製品を保護するのに著作権を使っている時点で問題があるのですが、フェアユースどうこうというのはまた別の話だと思います。
    • Re:DRMの強制公開よりも (スコア:2, すばらしい洞察)

      by tiatia (22244) on 2006年07月02日 18時17分 (#971119) 日記
      >あるダウンロード販売店で販売した楽曲は、ほかのダウンロード販売店へも提供せねばならない

      それは無茶ですよ。
      AppleのDRMのFairPlayを採用している販売サイトはiTunes1つですけど、他はそうじゃありません。
      SonyやMicroSoftのDRMを採用している販売サイトは複数あります。
      SonyのMORAは、一つの販売店なのではなく、複数の販売店が集まったショッピングモールみたいなものなんです。
      iTunesに対してなら、Appleに曲を提供すればそれで終わりでしょうけど、OpenMGやWindowsMediaDRMに対応しようとすれば、提供する側が新しく販売サイトを立ち上げる必要があるかもしれません。
      親コメント
      • Re:DRMの強制公開よりも (スコア:2, すばらしい洞察)

        by huzi (8837) on 2006年07月02日 21時00分 (#971183)
        元コメント [srad.jp]の 「(もちろん、ほかのダウンロード販売店が、その曲の販売を望めばの話です。)」のところを見落としていませんか。
        親コメント
        • 見落としては居ませんよ。
          その、「ほかのダウンロード販売店」という所に問題があるという指摘ですから。
          販売を望むも何も、そもそも販売店が無いよという話です。
          親コメント
          • by huzi (8837) on 2006年07月03日 0時21分 (#971297)
            私の解釈が間違っていなければ、元コメント [srad.jp]の提案は、例えばiTMSを介して販売されている曲に対して、MORA系などのほかの販売店がその曲の販売を希望すればその販売店に対しても提供しなければいけないということであって、楽曲を提供する側が販売店を設けなければいけないということにはならないと思います。

            販売店は、tiatiaさんのコメント [srad.jp]でも書かれているとおり、既にいくつか存在し、「ほかの販売店がない」という問題はないのではないかと思います。 元コメントではDRM方式を限定するという話はなかったような気がしますので、どのDRM方式が現在いくつのサイトで使われているかはあまり関係ないように思えました。

            親コメント
            • MORAやWMA形式で売ってる所だと、レーベル毎にそれぞれ販売店を作るという形で、それぞれ商品がかぶらないように住み分けている訳です。
              それまでの慣例に従うなら、新しいレーベルの曲は新しい販売店が売るべきです。
              もしくは、何処かの販売店だけが代表して権利を取る訳ですね。
              でなければ、根本的に方針を変更する事になる。
              どちらにしろ、iTunesよりは敷居が高い。

              DRMを開放しろというのは、Appleにとって不利な話ですが、逆に元コメントの提案は、Appleだけに有利な話だと思います。
              親コメント
    • by huzi (8837) on 2006年07月02日 20時55分 (#971179)
      それだと非DRMな形式で販売するサイトが出てきて、結局楽曲を供給する企業が供給をやめることになってしまう気がします。
      親コメント
      • そんときは「オンライン販売の中止による損失は年300億ドル」とかいうニュースを流して煽動を…
        今までに「販売しなかったことによる損失」を計算した例ってあるのかな。
    • 客が欲しいのは楽曲の方ですよね?
      であれば、幾つかのそれなりに保護機能があるDRMを認定して、販売時は、権利者が使用OKを出したDRMの中から客が望んだDRMを自由に選択させる方が筋が通る様な。

      それなら機器を買い換えたなら、別DRMでダウンロードし直せば良いだけだし。

      まあ、現実にはその程度しかないんだけども、本当は各メーカー機器間で横断的に使用できるDRMが必要なのでしょうけど。

      親コメント
  • えー (スコア:2, 興味深い)

    by esumi (15966) on 2006年07月02日 19時08分 (#971145)
    フランスに関しては
    著作権者から許可されている楽曲だけ配信する
    ようにするだけじゃないかと。

    #で、万一許可される楽曲の数が想定に満たなかったら
    #撤退するだけでしょう。
    #今更欧州の一国くらい視野から外しても痛くも痒くも
    #ないでしょし
    • Re:えー (スコア:2, 興味深い)

      by LSD (18955) on 2006年07月03日 2時36分 (#971341)
      「フランス人向けの楽曲は、フランス国内で登記された会社で
      必ず販売しなければならない」というわけではないのでフランス国内の
      iTMSを閉鎖して、ベルギーなりスイスなりにフランス語が使用されている
      地域に、フランス語版のiTMSを作れば済むことでしょう。

      逆にネット上のデジタルデータに一国のみ国内法で規制(規制緩和?)
      しようとするフランスの議会の方が無理をしているように見えます。
      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2006年07月03日 6時54分 (#971375)
    根本的に間違ってるよな
    公開する事が目的ではなくて
    「機種ぜず販売せよ」と思うのですが

    視点を変えてみると
    DVDならHDDVD用に出ているソフトをブルーレイ用に出せと言ってるようなもんですよね。

    そもそもこの法律自身根拠が薄いと思うんですけど。
    プレイヤーをOEM化しろと言ってるのだろうか?
    ハードとソフトの関係で考えると
    PCを自前で本体とOS作っている状況で万が一
    9割のシェアになったら全て公開しろと言い出すのだろうか?

    #携帯の販促のための恋のダウンロードを聞けないから普通に売れみたいな事に聞こえる
    ##恋のダウンロード あれは聞くに値しないw
  • by Anonymous Coward on 2006年07月03日 8時40分 (#971395)
    Apple側がWMAでの販売を行った場合はどうなのでしょう?
    普通に考えて著作権管理の緩いiPodの方がユーザは選択するわけです。
    選択された理由は、著作権管理の緩いところがユーザの心理を引き出したわけですから
    どうこうしたも現状は変わり様が無い気がしますけど

    #WMAもCDに焼くと普通の音楽CDになるならやるでしょうけど
    #CD-RWに焼いてMP3になるだけの話だと思ってますが
  • by Anonymous Coward on 2006年07月02日 15時16分 (#971023)
    このてのもんだいってなんか
    いたちごっこですよね

    どうしたものか
    そうほうにとってメリット・メリメリならいいのですが
    • by Anonymous Coward
      全部0円で売る

      #絶対AC!
      • Re:いたちごっこ (スコア:2, おもしろおかしい)

        by Anonymous Coward on 2006年07月02日 15時30分 (#971034)
        iTMSでスマイルを売るんですか?
        親コメント
  • by Anonymous Coward on 2006年07月02日 18時34分 (#971128)
    これで、iTMSで購入した楽曲を、他のメーカーのプレイヤーで聞けるようになる(もちろんApple以外のオンライン販売にも適用される)。
    → DRMが有効に機能する限り市場は分断され続ける。
    技術的にどういう事になるのか分からないが、DRMのセキュリティへの重大なリスクになる事は間違いない。
    → 市場の分断を解消しようとするとDRMは機能しなくなる。
  • by Anonymous Coward on 2006年07月02日 23時42分 (#971272)
    ちょうど日経エレクトロニクスに載ってた記事 [nikkeibp.co.jp]で、
    異なるDRM間の相互運用する仕組みが立ち上がろうとしているのだが、
    この法律をクリアしているのかな?
    • Re:Marlin/Coral (スコア:3, 興味深い)

      by LSD (18955) on 2006年07月03日 2時09分 (#971338)
      やりたいことは、レーベルがMicrosoftやAppleからDRMを取り戻そうとしているだけ。
      消費者にとっては、あたらしいDRM(Marlin)対応機器が増えるだけです。

      現状ではDRMの相互乗り入れに関して技術的な解決策はなく
      他のDRMを要求する機器に乗り入れる場合はネットから認証して
      ダウンロードというお粗末な技術(Coral)。

      レーベルがDRMをほしがるのは、Appleに価格決定権を持たれていること
      に対する不満でしょうけど、Apple製のDRM付きのコンテンツと価格と
      利便性で競争できるか、またAppleのDRMより緩い条件のDRMにコンテンツを
      出せるかというあたりが焦点になると思います。
      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2006年07月03日 17時44分 (#971609)
    WMAがダメなのデータのコピーと保存の問題がクリヤーされていない。
    買ったデータが事故で消える可能性があるあるが
    その後のデータを復元する方法がない。
    パスワードや認証やらでもう一度ダウンロード可能にする事も可能であるが
    そもそもそのデータが一生使える保障はない。
    MP3とかAIFF,WAVとか自由に変換できるファーマットに出来ないと不安だと思います。
    自由に変換できるのであればMSが潰れようとITMSがなくなろうと関係ないわけですから

    コピーガードをやめるべきだと思います。
    余計なコストはなくなり本体は安く作れます。
    そして罰則を厳しくする替わりに、
    曲の価格を40円くらいに下げればコピーする人は減るでしょう。

    #妄想ですが
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「科学者は100%安全だと保証できないものは動かしてはならない」、科学者「えっ」、プログラマ「えっ」

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