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14202 story

リチウムイオンバッテリの内部短絡の解決に成功 40

ストーリー by Acanthopanax
安全第一 部門より

maia 曰く

PC Watchの記事によれば、松下電池はリチウムイオン充電池において、内部短絡への根本的な解決策となる技術の開発と量産化に成功した(プレスリリース)。松下によれば、バッテリの過熱や発火が起こる原因は4つある。

  1. 過充電による熱暴走
  2. 接点のある外部で短絡
  3. バッテリマネージメントユニットの発熱
  4. 電池内部での短絡

前3者は保護回路によって障害を防止できるが、4つ目の電池内部での短絡は、システム上保護できないという。そこで「異物が混入しても熱暴走を起こさせない」ため、極板表面にHRL(Heat Resistance Layer:絶縁性金属酸化物からなる耐熱層)を形成し、万一電池内に導電性の異物が混入して内部短絡が発生しても、わずかな発熱を起こすだけで短絡状態が終了するようにした。

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  • 中はダメ (スコア:2, 興味深い)

    by grad (27557) on 2006年12月19日 22時32分 (#1078459)
    1~3担当の人間としては、4はお手上げだったので今回のニュースは朗報です。
    セル内部でショートされたら手が出せません。

    この技術はコスト面では問題無いのでしょうか。
    市場は安いモノを欲するのですが、現状から見ると「高くても安全なモノ」が
    受け入れられそう・・・というのは楽観過ぎかな?
    • Re:中はダメ (スコア:3, 興味深い)

      by unchikun (14429) on 2006年12月20日 0時33分 (#1078536)
      安いに越した事はないけど、万が一にも発火等起こしたときの
      ダメージを考えれば、「保険料」のつもりで家電メーカー側は
      導入する可能性がありますね。

      ただエンドユーザーが値上がり分を納得してくれるかどうか、
      ってところが悩みどころだと思います。

      松下電池がブランド化に成功したら、「松下電池の○○採用」
      なんて風に売りやすいかも。

      # 「リチウム電池2.0」「リチウム電池"ゼータ"」は却下!!
      親コメント
      • by Anonymous Coward
        >「リチウム電池2.0」「リチウム電池"ゼータ"」は却下!!

        「リチウム電池♯」
        「も〜っと!リチウム電池」
        「リチウム電池ド・・・
        • by Anonymous Coward

          途中で止めてあるけど、元はといえば燃えたり破裂したりという問題なんだから、いくらなんでも「ドッカ~ン」はマズいだろ。

          # ネタにネタレス

    • Re:中はダメ (スコア:3, おもしろおかしい)

      by Anonymous Coward on 2006年12月20日 0時50分 (#1078547)
      > 中はダメ
      電池にも安全日があるということでしょうか
      親コメント
    • Re:中はダメ (スコア:2, 興味深い)

      by Anonymous Coward on 2006年12月19日 23時01分 (#1078480)
      プレスリリースに
      【関連特許】119件(出願中含む)
      とあるけど,特許成立してたらこういう単純なアイデアは回避困難ですね.

      製造コストにはそれほど影響しないんじゃないかと思いますが,他社にとっては
      ライセンス料が気になるところかも.
      親コメント
      • Re:中はダメ (スコア:1, 参考になる)

        by Anonymous Coward on 2006年12月20日 11時03分 (#1078697)
        月産500万個の生産体制で、すでにソニーや富士通などパソコンメーカーに出荷を開始した
        http://www.asahi.com/business/update/1218/129.html

        だそうですよ。
        これからノートPC買う人は、内蔵バッテリーのメーカーを確認しようw
        親コメント
  • えーこの技術は、
    1. 内部(電解溶液?)内に金属片などの導電性物質がショートを起すのを、電極自体を絶縁することで解決
    2. 電極の絶縁層自体はごく薄く、順次科学化学反応していくので、電流はとりだせる

    ということでOK?

    薄い絶縁層を通すって、なんとなくFET [wikipedia.org]みたいですねぇ。

    # 最初、空気電池みたいだなーと考えた素人なのでID
    --
    M-FalconSky (暑いか寒い)
  • 逆の方法? (スコア:2, 興味深い)

    by SteppingWind (2654) on 2006年12月19日 23時34分 (#1078505)

    メタライズド・フィルム・コンデンサなんかだと, 絶縁破壊が起こった際に短絡で発生する熱を使って電極を局所的に溶かし, 絶縁性を回復するって方法を使っているんですよね. ですから今回の物も似たような原理かと思っていたのですが, 耐熱層を使って実現しているってことだと逆になるんですかね.

    • by Anonymous Coward
      私も最初はMPコンを連想しましたw

      >耐熱層を使って実現している
      耐熱層によって絶縁層を保護して、熱により絶縁層の破壊が広がるのを防ぐ、のだろうか?
      • by yu-na (10754) on 2006年12月20日 0時09分 (#1078524) 日記
        リンク先に "ポリオレフィンよりも絶縁性と耐熱性に優れるHRL" と
        あるんですが、絶縁性に優れているならそもそもそれを絶縁層として
        使えば良さそうだし、HRL を持っているのに絶縁破壊が起きる理由は
        なんだろう?って素人考えをしています。

        熱によって何らかの反応が起きるんだろうなとは思うのですが、
        なんだかはっきりしない文書のように感じます。

        企業が公開できる発表って、いろいろと制約があるんでしょうかね。

        # "短絡状態が終了" した後、使用可能なのかなぁ?という疑問が
        # 頭の中に渦巻いてます。
        親コメント
        • Re:逆の方法? (スコア:2, 参考になる)

          by Anonymous Coward on 2006年12月20日 11時57分 (#1078739)
          セパレータの機能は絶縁性とLiイオン透過性にあるわけで、
          HRLがセパレータよりもイオン透過性がないなら(多分ないでしょう)
          セパレータの替わりになるほどの厚みではショートを防げないのでしょう。

          セパレータが完全に溶ける(大穴があく)ほど温度が上がらなければ、
          逆に熱でセパレータ(多穴膜)の穴が溶けて閉じ、暴走しないはずなのですからね…
          #電池としてはおしまいになりますけど。

          元中の人なのでAC
          親コメント
    • え? そんなに「イイしくみ」というわけではなくて、 ショートが起こっても電極自体ががHRLによる抵抗値をもっているから (内部抵抗になるから純粋に電池の性能としてはどうなんだ・・・) 放電が緩やかに起こるので急激な熱発生がおこらず、結果として燃えない、ってだけじゃないの??? んでもってショートしちまったセルは終了 と。そんだけのことかと。所詮電池だしダメになったら買いなおせってことでしょ? 悪いところが自然に熱で切り飛ばされてセルが復活するとかどうとか、 そういう高度な仕組みには読めないんだけど・・
  • いっそ (スコア:2, おもしろおかしい)

    by NightWalker (21969) on 2006年12月19日 23時59分 (#1078520) ホームページ 日記
    発熱も電気に変えるくらいの懐の広さがほしい
    • Re:いっそ (スコア:2, 参考になる)

      by ei (19798) on 2006年12月20日 0時40分 (#1078541) 日記
      それはよいが、満充電状態の場合はそのエネルギーどこに貯めとくんですか? この発明、要は制御不能な熱暴走を(確率的に)防ぐ技術なだけであり、局所的な短絡の後にはその部位周辺は化学的に不活性な状態(生物での結合組織か? )になってしまうので、容量は局所的短絡の度に目減りして逝くと思われます。発電したところでそのエネルギーを再利用可能な状態に貯めておく余地が必ずは無いと思ひます。

      # もし0.1°程度の発熱をそこそこの効率で再利用(貯蔵)可能なエネルギーに変換する安価な技術を発明したら、地球温暖化問題の解決になるのだろうか? CO2排出も無いに越したことはないが、廃熱の排出の抑制も重要と思っています。
      親コメント
    • Re:いっそ (スコア:2, おもしろおかしい)

      by Tatenon (20311) on 2006年12月20日 12時31分 (#1078775) 日記
      そしたらお払い箱になった私のPen4もCPU兼発電機として再利用が・・・

      # めざせ夢の永久機関
      親コメント
    • by Cappuccino (20281) on 2006年12月20日 9時56分 (#1078646)
      Q. そのショートによる発熱はどこから出てるのですか?
      A. 電池に充電した電気が一気に流れることでショート状態となって熱が出てます。

      熱を回収するにしても効率が悪いし(電気→熱→電気で損失なく変換できはしないだろうし)、
      それより発熱しない=ショートしない、しにくい技術開発に投資した方がいいと思う。
      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2006年12月20日 10時41分 (#1078684)
    なんでタレコミでは耐熱層になってるのか分かりませんが(PC Watchが訂正したのだろうか)。

    単純に短絡で熱発生->抵抗増->短絡終わり・抵抗下がるってことかなあ。

    他にもACアダプタなんかで使ってそうですけど。

    • by Anonymous Coward
      「耐熱層」はプレスリリース [panasonic.co.jp]の文言(注3)のままです。ポリオレフィンよりも絶縁性と耐熱性に優れるHRLと。
      #難燃性カーテンみたいなものか(お
  • by Anonymous Coward on 2006年12月20日 22時13分 (#1079179)
    ソースは失念したものの、リチウムイオン電池がノートで使われだした頃ぐらいの時、
    パナソニックのラップトップ部門のインタビューで開発陣が言ってた事ですが、設計前に
    電池に釘を刺して爆発させる実験の映像を見せられたそうな。

    (微妙に話題違いな上にあやふやなのでAC)
  • by Anonymous Coward on 2006年12月21日 15時03分 (#1079619)
    http://panasonic.biz/pc/news/refresh/index.html [panasonic.biz]
    一部のLet'sNoteユーザーに大盤振舞いのサービスやってるのを
    不思議に思ってたんですが、なんか関連ありそうですね。

    嬉しいけど、買替えの家内稟議が通らなくなっちゃった。
typodupeerror

UNIXはシンプルである。必要なのはそのシンプルさを理解する素質だけである -- Dennis Ritchie

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