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『ラッキー・イメージング』で鮮明な天体画像を 27

ストーリー by yosuke
カメラというトピックってなかったんだっけ 部門より

T.Sawamoto 曰く、

本家より:英ケンブリッジ大学と米カリフォルニア工科大学の研究者が、ハッブル宇宙望遠鏡より鮮明かつ5万倍安価なラッキー・イメージング技術を開発し、その技術を利用した撮影に成功したそうです(プレスリリース)。
地上からの天体観測では、大気の揺らぎにより鮮明な画像を得ることが困難です。この影響を抑えるため、すばる望遠鏡などでは補償光学装置が使われています。
しかし、ラッキー・イメージングは補償光学系とは異なり、毎秒20フレームで高速撮影された複数の画像から、たまたま大気の揺らぎの影響を受けなかった状態の良い部分を切り出して繋ぎ合わせるという手法を取っているようです。1970年代後半にも検討されていたのですが、CCDカメラの性能向上により実用化に至ったとのこと。
天文学への寄与に期待が持てますね。個人的には、アマチュア天体観測にも使えるようになると嬉しいのですが。

補償光学系では、波長が短くなると制御点を増やす必要があるため、赤外領域ならまだしも可視光になると装置が大掛かりなものとなる。Lucky Imagingは可視光への適用も可能。さらに補償光学系と同時に使うこともできている。
なお、アマチュアでもやってやれないわけではないらしい、が…。

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  • ゆらぎ (スコア:3, すばらしい洞察)

    by little( (31297) on 2007年09月05日 0時27分 (#1214265) ホームページ 日記
    大気のゆらぎが、地上からの天体観測で大きな障害になってるって聞いてはいたけど、実際にそのゆらぎが、どのようなものなのか見たこと無かった。
    タレコミの最後の「アマチュアでもやってやれないわけではないらしい」のリンク先に、その大気のゆらぎがgifアニメーションになっている。
    ゆらぎって、こんな風に揺らぐんだねぇ。
    ようやく、ゆらぎの補償という作業内容が、実感できたよ。
  • 同じような短時間露出の像を多数撮影して分析するテクニックは1960年代には既に考えられていて、
    こちらは斑点干渉法(speckle interferometry)と呼ぶようです。

    ここにちょっと情報あり。Speckle imaging [wikipedia.org](英文)

    70年代には使われ始め、80年には冥王星やカロンの直径を推定するのにも使われました。
    (このときの推定結果は、実はかなり大きいほうに外れていたのですが)

    参考文献: plutopix (pdf) [vidyaonline.org] 5. Charonのあたり
  • 手ブレなどの補正にも (スコア:2, おもしろおかしい)

    by okky (2487) on 2007年09月05日 4時54分 (#1214334) ホームページ 日記
    つまり今まで撮影する人や環境のせいで不鮮明だったため判らなかったお肌の荒れもくっきり写せるデジカメも作れると言うことで…

    おくさんっ!! もっと厚く塗らないと、それじゃ写っちゃいますよっ!!!
    --
    fjの教祖様
  • by Anonymous Coward on 2007年09月05日 0時12分 (#1214256)
    秒20コマで撮影して、「寝てる」人の画像を、撮影したコマの中から目が開いている画像を探してきて
    それと置き換えて、一回で全員目が開いている集合写真を取れる!っていうの特許にならないかなぁ?
  • これが本当の (スコア:1, おもしろおかしい)

    by Anonymous Coward on 2007年09月05日 8時32分 (#1214354)
    らき☆すた。
    (星を見るモノにとって福音ってことで)
  • by Anonymous Coward on 2007年09月05日 9時07分 (#1214367)
    某所で、補償光学系をアマチュアレベルの望遠鏡
    (口径30cmの反射だったかなぁ?)
    に使った事例というのを見たような気がします。
    3点制御らしいですが、そこそこ使えてましたよ。

    で、動画のフレーム積分なんてのは、もう数年前から
    レジスタックス全盛ですよね。
    http://www.astronomie.be/registax/

    多点制御もできますんで、そんじょそこらの
    USBカメラで、バリバリ写ります。

    お金のないアマチュアのほうがデジタル技術を使って
    何とかモノにしよう…という向上努力を払ってる
    気がしますね。
    • でも, このあたりの技術って基本的に短時間の露光で検出できる天体だからこそ成り立つものですよね. 特に最近では映像素子の感度が良くなっているため実用的になってきているってことで.

      ですから大口径鏡と比較すると, 遠方にあったり小さかったりして暗い天体はもとより, 明るい天体でも見た目解像度が上がっていても暗部の諧調不足で細部構造は分からなかったりするんじゃないでしょうか.

      親コメント
      • んー、必ずしもそうじゃないんじゃないかな、と。

        今回の例は1秒に20枚の写真を取れたとして、でした。この場合に 20Hz以下の周波数でふらつく擾乱要因に関して、局所的に存在する擾乱要因の影響が少なかった部分を利用しているわけです。逆に言うと 40Hz以上の周波数で起こっている擾乱には対応できないし、撮影期間以上に長い周期の擾乱にも対応できないわけです。

        10日かけて1枚撮影するような映像に関しても、100枚ぐらい集めると同じように「影響を軽減できる擾乱もある」とはいえるのではないでしょうか?

        例えば、大口径望遠鏡で天空のある領域を毎晩追いかけて撮影するとして、それを30日続けたとします。こうして得られた30枚の画像に対して、Lucky Imaging をかけて、各写真の比較的鮮明な部分同士をつなぎ合わせる、という使い方はできます。

        この方法と、大口径望遠鏡で30日間同じ所を追跡して撮影した場合(これは30枚分の画像を単純に加算してビット数を増やしていることに相当するわけですが)とで、どちらが「鮮明」なのかは…詳細に計算してみないとわからない気がします。

        乱暴な話、Lucky Imaging は今は「1つの」画像を選んでいますが、「ある一定以上の鮮明さを持った画像3枚を選んで、それを足し合わせる事でビット数を増やす」なんてこともできるわけで…。

        こう考えると、大口径望遠鏡を使って…という方式と、厳密に「排他」なわけではないと思います。
        --
        fjの教祖様
        親コメント
    • 元がショボければショボいほど、稚拙なデジタル加工技術でも
      劇的な向上が望める、という面も大きいとは思いますが。
      オーディオの世界も、デジタル化の恩恵は安い製品ほど大きいし。
  • by Anonymous Coward on 2007年09月05日 1時54分 (#1214309)
    どの程度の解像度が得られているのかという評価はどうやって行うんでしょうか
  • by Anonymous Coward on 2007年09月05日 8時53分 (#1214360)
    デジカメのベストショット機能 [mycom.co.jp]と同じ考えですね。
  • by Anonymous Coward on 2007年09月05日 10時19分 (#1214401)
    ネット上にある不鮮明な動画からサムネイルを作るのに応用できないかな?
    • by Anonymous Coward
      モザイク消しでつか(違
    • by Anonymous Coward
      昔々、モザイク画像を読み込んでアレコレと必死こいて補完ロジックを考えていた友人がいたなぁ。

      あの真摯な取り組みは、彼の娘が大きくなった暁には父親の凄さとして語ってやらずばなるまい。

  • by Anonymous Coward on 2007年09月05日 11時59分 (#1214446)
    >5万倍安価

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