GMRの発見者にノーベル物理学賞 33
発見者は改良者より常に先 部門より
ITmediaの記事によればスウェーデン王立アカデミーが2007年のノーベル物理学賞を、巨大磁気抵抗効果(Giant Magnetoresistance:GMR)を発見した
南パリ大のアルベール・フェール博士とユーリッヒ固体物理研究所のペーター・グリュンベルク博士に授与すると発表しました(プレスリリース)。彼らは1988年に独立に、Fe/Crからなる人工格子が、わずかな磁場の変化に対して大きな電気抵抗の変化を生じることを発見しました。
磁場の変化しない固定層とディスク表面の磁場で変化する自由層を持つセンサを組み込んだGMRヘッドは、HDDの記憶容量を飛躍的に向上させるために不可欠といってもいい部品。HDDは誕生した頃から、メカ的に見るとほとんど同じ仕組みで情報を記憶しているわけですが、高い記録密度を実現する磁気ヘッドと信号変調方式に、それを動かすサーボ制御などの周辺技術が飛躍的に発展したおかげで、今やテラバイト単位の物凄い大容量を手軽に記憶できるデバイスに化けました。おそらく、コンピュータを扱うほとんどの人がこの技術のお世話になっていると言っても過言ではないでしょう。
身近な分野での技術革新に扉を開いた研究者にノーベル賞が出たということで
個人的にはHDDを見ながら「コレでノーベル賞が取れるんだなぁ」と感慨深いものがあります。
最近はノートパソコンを中心に補助記憶装置として回転部分の無いSSDの採用も多くなってきましたが、いまだに多くの場所でHDDは現役。簡単に入手できるデバイスとしてはビット単価が最も安いこともあり、不意にクラッシュする不安定さはあるものの、そこかしこで社会を支えるインフラを動かす重要なポジションにいます。
あなたは記憶デバイスとしての磁気ディスクの現状をどう思っていますか?勢力を増すFlashメモリのような不揮発記憶素子の将来についても含めて、思うところのある人はどんどんコメントをお寄せ下さい。
どんどん小さく… (スコア:5, おもしろおかしい)
8インチ → 5インチ → 3.5インチ → 2.5インチ → 1.8インチ → 1インチ → 0.85インチ → ?
「今後、HDDの表面に印刷された型番を読むのは、老眼の高齢者にとって辛いものになるだろう」
米コンサルティング会社のアナリストは匿名を条件に、こう指摘した。
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microSDの型番も読みづらい、じじいプログラマ
Re:どんどん小さく… (スコア:1, おもしろおかしい)
ドゾ
# 基本に帰れ。その道はすでに踏み固められ舗装され標識どころか沿線にはコンビニまで建っている。
実用化までのスパンが短くなりましたな (スコア:2, 興味深い)
とんでもない時代になりました。
ストレージの技術原理で賞が取れるなら、次はエルビウム添加
光ファイバーによる励起増幅で通信の世界を変えた
東北大の中沢先生 [tohoku.ac.jp]あたりが取ってもおかしくない予感
Re:実用化までのスパンが短くなりましたな (スコア:5, 興味深い)
Re:実用化までのスパンが短くなりましたな (スコア:2, 参考になる)
と思って調べてみたら プルトニウムは1941年発見なのね。すげー。
http://www.netlaputa.ne.jp/~kitsch/atomic/atomtl01.htm [netlaputa.ne.jp]
Re:実用化までのスパンが短くなりましたな (スコア:1, おもしろおかしい)
Re:実用化までのスパンが短くなりましたな (スコア:1, すばらしい洞察)
Re:実用化までのスパンが短くなりましたな (スコア:3, おもしろおかしい)
#個人的には迫り来る衰えと不能に対する恐怖…or2
Re:実用化までのスパンが短くなりましたな (スコア:2, おもしろおかしい)
うん,そうだな…
Re:実用化までのスパンが短くなりましたな (スコア:0)
Re:実用化までのスパンが短くなりましたな (スコア:1, おもしろおかしい)
Re:実用化までのスパンが短くなりましたな (スコア:1, すばらしい洞察)
…ひどい話ですけどね……
実用化にこぎ着けた技術者たちの屍の上に立っている (スコア:0)
ノーベル賞はストレージの研究でとれた訳でもない。
あまりにも応用例が身近で、GMRに関連している研究者や技術者が
基礎から応用、大学から企業まで腐るほど山のようにいるので、
ちょっと「これでノーベル賞かぁ?!」という気になる。
特に、この手の分野は日本の研究者の果たした役割が大きいし、
日本の得意分野のようなものだし、僕らが発見して、僕らが応用
したと主張したくなるところもない訳でなくて、微妙な気持ちに
なるのは否定しないが。
まぁ、最初のすばらしいアイデアには敬意を。
技術は積まれるものだが、研究は生み出すものなので。
Re:実用化にこぎ着けた技術者たちの屍の上に立っている (スコア:5, すばらしい洞察)
応用例が山ほどあるのを鑑みて、最初のアイデア(の人)に賞を出すのがノーベル賞なのでは。
Re:実用化にこぎ着けた技術者たちの屍の上に立っている (スコア:0)
> 俺、こんな早朝からがんばって応用分野で技術貢献して働いてるのに、
> 誰も褒めてくれない。なんか微妙。
そうかそうか。
ここにいるみんなで、君の事を褒めてあげよう。
賞金は出ないがな!
一方その影で (スコア:1, 興味深い)
GMRの先が徐々に見えてきて、ようやく垂直磁化も実用化されるようになりましたが、ずいぶんと冷や飯を食わされた技術の感があります。
Re:一方その影で (スコア:2, 参考になる)
(まあ、GMRも薄膜ヘッドではありますが)
そして長手(面内)記録が再生限界に達したから、垂直磁気記録になったのではないでしょうか?
#再生は垂直磁気記録の今でもGMR/TMRヘッドではないかと
ご参考まで
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0504/05/news072.html
これで、なんて言ってるけど (スコア:0)
アームの先に浮いてるのはあくまで台座で、
ヘッドの素子そのものはえらい小さいんじゃないかと想像してんだけど。
Re:これで、なんて言ってるけど (スコア:1, おもしろおかしい)
こりゃ、そういえばおぬし、 ワシが二十年ちょっと前に「多層膜の磁気抵抗効果を調べてみよう」と言った時も、
「磁気抵抗効果なんて調べても仕方ないし、HDDの大容量化なんてできるん?
磁気抵抗効果なんて数%でえらい小さいんじゃないかと想像してんだけど」
とか言って馬鹿にしおったな。
そんな風に斜に構えて人のロマンに水を差してばかりいるから、 みすみすノーベル賞を逃すのぢゃ!
よいか、これからは心を入れかえ、前人未踏のロマンに挑め。
次は「パソコン画面から女の子が飛び出してくる研究」ぢゃ……頼んだぞ……
Re:これで、なんて言ってるけど (スコア:3, すばらしい洞察)
#アトムやら、ガンダムやら、攻殻やらにインスパイアされているうちは、
#イグノーベル賞が限界な気がする。
Re:これで、なんて言ってるけど (スコア:0)
Re:これで、なんて言ってるけど (スコア:1)
十分すぎるほど、イグノーベル賞候補です。
Re:これで、なんて言ってるけど (スコア:0)
TMR (スコア:0)
Re:TMR (スコア:3, おもしろおかしい)
ガンダムの主題歌歌ってましたね。その後は知りません。
# ・・・誰かツッコんで。後生だから。
Re:TMR (スコア:0)
DARKER THAN BLACKとかD-gray manとか。
Re:TMR (スコア:1)
基本原理としてはグリュンベルグが発明したスピンバルブ型GMRの方と大体同じで、
フリー層と固定層の間にあるスペーサ層を銅などの導電層から極薄の絶縁膜に変え、
通電方向を膜面内から膜垂直のトンネル電流にすることで大幅な磁気抵抗効果の向上
が得られるのが TMR (トンネル型次期抵抗効果) ヘッドです。
Re:TMR (スコア:0)
#まあGMRだったとしても、各社TMRで開発かなりやってるんですぐTMRになるとは思いますが。
HDDのヘッドだとTMRヘッドはアルプスあたりが作っていたような気が……
Re:TMR (スコア:0)
Re:ウルフ賞 (スコア:2, 参考になる)
そうなん?
フランス語だから語尾のtは発音しないもんだと思ってたけど。
#とは言え例外はあるので何とも言えんか。
われわれは忘れない (スコア:0)
mhatta病です。感染性が強力です。
Re:われわれは忘れない (スコア:0)