牛糞からカーボンナノチューブ 22
ストーリー by Acanthopanax
炭素あるところ 部門より
炭素あるところ 部門より
pongchang 曰く、
カーボンナノチューブ(CNT)はさまざまな用途が期待されているが、その生産を家畜の糞由来のメタンガス(バイオガス)で行おうという研究が実証段階に入ったと釧路新聞(2007年12月5日付記事)が伝えている。経済産業省の地域新生コンソーシアム研究事業(pdf)に平成16年度17年度と採択されたバイオメタンのナノ炭素化及び炭素系複合導電材料の開発(pdf)の成果として、道東浜中町の農業土木会社である農基開発の子会社E・C・Oが、日本製鋼所室蘭製作所の構内でプラントの運転を開始するとのことであった。
(つづく...)
材料にバイオガスを用い、副製品としてできる水素を燃料に回し、低炭酸ガスで製造できる。40m3のバイオメタンから、8kgのCNTと30m3の水素が得られるという。E・C・Oの社長は「原料を確保できて、周辺住民がにおいを問題視しない環境が整っているので、ゆくゆくは浜中町内でやるつもり」というが、メタンにえり好みのない技術であるので、(メタン排出の多い)産油国などからも問い合わせがあるとか。
メタンガスそのものも温室効果ガスであり、牛糞の処理に浄化槽を使ってもバイオガスプラントを用いても、メタンを有効利用できないと仕方ない。ガスを作る所と使う所が異なり、需給のバランスが取りにくいバイオガス。高圧ボンベに詰めて輸送用に用いたり宅配(pdf)したりする方法も検討されているが、CNTのような高付加価値品を環境適合商品として提供できれば、幾分かの競争力を得られるかもしれない。
インドの農村とかで (スコア:2, 興味深い)
そういうところにも使えますかね?
というか、インドの農村にバイオガス収集設備を寄付、運用するだけで、
糞を乾燥させる間に発生するメタンの放出量を大幅に削減できるから、
CO2換算でとんでもない規模の削減効果が期待できそう。
#それで得られた排出権を元手に新たなテーマの研究を起こすとか。
糞だけじゃなくてゲップも… (スコア:2, 興味深い)
問題は、どうやって「ゲップ」を効率よく収集するか…の問題が残るか。
/* Kachou Utumi
I'm Not Rich... */
何か違和感 (スコア:2, 興味深い)
なんと言うか, 「牛糞からメタン」と「メタンからカーボンナノチューブ」ってのを脈絡なしにくっつけただけのような.
これが許されるなら「牛糞からダイヤモンド」でも「牛糞からプラスチック」でも, あるいは「牛糞で火星に行く」 [c00lstuff.com]
でもOKな気がするのですけど.Re:何か違和感 (スコア:2, 参考になる)
意義が無いとは言わないけれど、ちょっとがっかりでした。
Re:何か違和感 (スコア:1, 興味深い)
とはいえ、メタンの継続的安定的な供給源というと、ガス井戸掘る以外に探すとこれくらいしかないかと思いますよ。
牛は毎日毎日一年365日草食ってうんこしますし、それが日によって全く出なかったり数十倍のうんこが突然出るということもないですし。
カーボンニュートラルなことも含め、もし本当に採算があうのなら有望なメタン源かなと。
まあ、現実問題としては不純物が多すぎて工業的品質的にどうかということになるかと思いますが・・・
Re:何か違和感 (スコア:3, おもしろおかしい)
人間
特に繊維質を大量に摂取なさった人間
便秘に良く効き、お肌もつやつや。ついでにお小遣いも手に入っちゃう…
と、そのうち「ブルセラショップ」に代わる一大産業に…
fjの教祖様
Re:何か違和感 (スコア:1)
し尿 メタン [google.com]で検索すると関連研究がいっぱい出てきます。
神戸市では既に実証実験に入ってるし [chunichi.co.jp]
国も補助金出して本腰です [ecology.or.jp]
ちなみに江戸時代には長屋(アパート)を格安で貸してナニを農家に肥料として売るのが一大産業になってたそうです。
家賃よりナニの収入のほうが大きかったという話もあるようで。
川柳「店中の尻で大家は餅をつき [google.com]」
Re:何か違和感 (スコア:1)
お侍さんの糞尿は高かったそうだが、きっと女子高生の糞尿も…
「本PCで使っているカーボンナノチューブは xxxx 女子校製 100%」でプレミアがついたりするんだろうなぁ。
オフィス街といわれる所は、近郊から糞尿が集まってくる一大生産地と言う事に…
fjの教祖様
Re:何か違和感 (スコア:0)
これが流行ったらバイオエタノールのように、糞が高価値->牛を殺さない->牛肉の値段が上がるとか、
糞が高価値->たい肥業者と取り合い->肥料が高くなる->農作物の値段が上がる。
なんてことも有り得るのかな
Re:何か違和感 (スコア:1)
豆腐を作ったらおからが出るみたいに、メタンガスを回収した後の牛糞は普通にたい肥にGO!でしょう。
っても。すでにバイオエタノール云々で穀物の値段が上がっていて、牛の飼料の値段も跳ね上がってるんで有りますよね。
下手をすれば、値段が上がる云々以前の問題になる可能性も……
Re:何か違和感 (スコア:1, 興味深い)
いやいや。たくさん糞が欲しければ飼育頭数を増やせば良いわけで、長生きさせる必要は無いでしょう。
メタン発酵法は糞を跡形も無くメタンにするわけではなく、残渣が残ります。
残渣をどうしているかというと、牧草などの肥料にする場合が多いと思います。従ってこちらもそれほど心配ないというか、むしろ肥料として引き取ってもらえない場合のほうが心配です。
さらに言えば、これはそんな心配をするほど高付加価値の物を生むのだろうかという疑問も…
財団法人室蘭テクノセンターのPDF資料にカーボンナノファイバーの電顕写真がありますが、もやっとした網状の物体で 配向性も無さそうです。カーボンナノチューブと言えば革新的なナノデバイスのイメージがあるかもしれませんが、 ああいうのは基板の決められた位置に決められた向きで作れて初めて機能するものですから、絡み合った塊みたいなナノファイバーの使い道は限られてくると思います。(上記の資料では電磁波シールド建材への適用を検討しているようですが。例えばアルミ箔に対して優位性があるんだろうか…)
Re:何か違和感 (スコア:0)
Re:何か違和感 (スコア:1)
だから、長さがものすごく短くて、向きもばらばらになってるものをどうやって軌道エレベータにするのかと。
軌道エレベータに必要なのは、一本で36,000kmのナノチューブであって、
そんな長さが1mmも無いようなものなんて、
自転車のカーボンフレームやゴルフクラブに混ぜ込んで子供だましに使うのが精精。
このプラントから、長大なナノチューブを取り出そうとしたら、
結局、石油から作るほうが安いし、確実性も高いと思うが。
Re:何か違和感 (スコア:0)
現状主に(実用を見据えて)研究されてるのは単なる材料としての方が多いかと。
配線材料/ナノデバイス材料としては、他のナノデバイス系と同様配置法がないため基礎研究
どまりですが、材料としては高熱伝導性材料、電磁波シールド材などで一部実用化まで行って
います。(チップの樹脂パッケージなどに使われる場合もあります)
金属単体と比しての利点は、樹脂埋包とすることで絶縁性の高熱伝導/電磁波吸収材として
使えることや、加工温度が低くていい(樹脂を加工できる程度の温度でよい)ため高温をかけ
られないような素材の被覆等でも利用できることなどがあります。
また、まだ(多分)実用化までは行っていませんが繊維に織り込む技術だとかCNT自体を織って
布状にするだとか電場/磁場中で分散させて整列させる(これは一部実用例あり)なんてのも
可能になってますので、素材としての利用はまあ進むんだろうと思います。
日本には (スコア:1, おもしろおかしい)
牛糞だけに (スコア:2, 参考になる)
#さすがに恥ずかしいのでAC
ところで・・・(よけいなもの) (スコア:1)
-- gonta --
"May Macintosh be with you"
Re:ところで・・・(よけいなもの) (スコア:1)
Re:ところで・・・(よけいなもの) (スコア:1)
追伸 (スコア:1)
そのうち (スコア:0)
#バニリンも抽出されたし,今度はカーボンナノチューブだもんなあ
バニラ香料 (スコア:0)
http://www.youtube.com/watch?v=J13VQXFHazE [youtube.com]