カーボン・ナノチューブ、 45nm以降は銅配線よりも有効に 30
タレコミ by Arc Cosine
Arc Cosine 曰く、
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EETimesより
米Rensselaer Polytechnic Institute(RPI)は、45nm以降のプロセス技術ではカーボン・ナノチューブを使った配線(インターコネクト)の性能が、銅を使った配線の性能を上回ることが判明したと発表した。いつの間にカーボン・ナノチューブを使った配線技術が確立したんだと思い、よくよく記事を読んで見ると、
量子力学効果の詳細なシミュレーションをスーパーコンピュータで行ったとの事。
タレこみ人はシミュレーション分野に詳しくないので、このシミュレーションが正確なのかどうか判断に迷うが、シミュレーションとは言え、微細プロセス技術の発熱問題回避にカーボン・ナノチューブが効果的だという結論が出たのが、また一つ技術革新に繋がったと思うのだが、/.の方々はどう思うだろうか?
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CNT配線は低発熱 (スコア:5, おもしろおかしい)
CNT配線は低発熱、ってことはもしCNT配線のCPUが出来ても
炭火焼鳥は出来ないわけだな(違
Re:CNT配線は低発熱 (スコア:1, すばらしい洞察)
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
炭化シリコンも使われているのだろうか?
Re: (スコア:0)
ねずみが、ちゅう皮腫に (スコア:2, 興味深い)
カーボンナノチューブでねずみが中皮腫に [dti.ne.jp]とかって話も出てきてますね。
体内で分解されるような物じゃないと、避けられないんでしょうね・・・。
富士通が (スコア:1, 興味深い)
構想は良いのだけど (スコア:1)
現在の問題はどういうところにあるのでしょうか?
チューブが長さ無制限で生成できるようになる日を
首を長くして待っています。はい。
〜後悔先に立たず・後悔役に立たず・後悔後を絶たず〜
Re:構想は良いのだけど (スコア:3, 参考になる)
現在は大量に作ってから選り分けて使っているというのが実情じゃないでしょうか。
応用性は、ここにブレイクスルーが産まれるかどうかにかかっているのだと思います。
例えば、カーボンナノチューブは巻き方によって半導体タイプと金属タイプが出来ます。
配線には金属タイプが必要ですが、この作り分けが出来ません。
今後、成長システムの解明と生成プロセスの確立が望まれます。
Re:構想は良いのだけど (スコア:2, 興味深い)
> 現在の問題はどういうところにあるのでしょうか?
アスベスト状の毒性を示す可能性があると指摘されている点が気になります。
今のうちに徹底的に調べてほしいですね。
アスベストみたいに世に広まってしまってからでは処理が難題だし。
現状は知りませんが (スコア:1)
>チューブが長さ無制限で生成できるようになる日
それはもしかして軌道エレベータ用ですか?
独立行政法人産業技術総合研究所がこんなプレスリリース出してます。http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2007/pr20070207/pr20070207.html [aist.go.jp]
用途は活性炭に代わる電気二重層キャパシタの電極素材だとか。
産総研の「スーパーグロース法」はCVD法の一種ですが、ミリ単位のCNTを短時間にグラム単位で合成できるそうですから、ナノじゃなくてマイクロの材料として使えるのかな?
Jubilee
理論から量産までの総合力での勝負になりそう(Re:現状は知りませんが (スコア:2, 興味深い)
単純に集積回路の基板素材の代表的な物の一つであるシリコンウェハ上での生成を既に成し遂げているようですから、問題は基板の上に焼き付けられる半導体薄膜を傷つけずに高温雰囲気下でCNT配線するか薄膜として一旦焼き付けてから何らかの手段で余計な大半のNCTを除去する生産方法が確立できるかどうかにかかっていそうですね。
# そうなると、今までの手法だと配線となるCNTと素子として機能するドープ素材 [wikipedia.org]や半導体薄膜やSOI工程 [wikipedia.org]などでの絶縁体薄膜
# との相性問題が出そうだな(;´Д`)特に基板直上のCNT生成層の相性が歩留まりの足を引っ張る悪寒が…
産総研が開発したCNTの合成法 [aist.go.jp]は、生成温度を500~1,200℃と規定していますから、この温度設定を上手くやれば半導体基板自体は無問題で済みそうな感じがします。
どちらかというと数段繊細な絶縁膜がCNT生成雰囲気下の高温度で特性を損なわないという担保が必要そうな…(;´Д`)
この領域になると、純粋な化学屋や研究者というよりは生産技術屋の領域に近くなってくると思いますよ。
多分、今のようなフォトエッチング法だとCNT薄膜からのCNT配線の生成は困難でしょうから、集積回路生産の工程全般を見直す必要が出る。
研究所レベルでがどれだけ特性のいいものを作れても、集積回路の場合には出来るだけ大きなウェハ上でまともに動くチップの歩留まりの方が売り物作るときにはえてして判断材料になりますから、生産技術の部門の基礎技能や技術蓄積と研究開発グループとの連携が取れないと歩留まり上げられずに計画放棄の憂き目に遭う企業が続出しそう
…航空宇宙分野の軍事部門のコア電子部品とか極めてロット数が少なくても高く売れる、ある程度度外視できる分野から先に実用化されるんでしょうね。
汎用MPUやASSPのようなマスプロ製品で普通に見かけるようになるのはかなり先になりそうな。
CNT配線にしてもSiC [nikkeibp.co.jp]基板上の大規模集積回路にしても、半導体の最大の問題である発熱や無駄に消費する電力で決定的なブレークスルーを起こし得る素材要素で、夢がありますから何とか何処かが物にしてセカンドソース生産権を安めにばらまいて欲しいです…。
Re:現状は知りませんが (スコア:1)
チューブの長さ制限 (スコア:0)
もしかしてそれって理論的に不可能 or 非現実的なエネルギーや時間を要するってことはない?
あんな堅いものが延々と伸びてる状態って、なんかそういう壁がありそうな気がするんだわ。
Re:チューブの長さ制限 (スコア:1)
the.ACount
Re: (スコア:0)
>現在の問題はどういうところにあるのでしょうか?
従来と明らかに製造プロセスが異なり、
当分無理のような気がします。
従来はプリント技術の延長だか、CNTは原子レベルでの工作プロセスなので
難易度がちがうのでは。
特性(導電性・強度)は銅よりはるかにいいようなので、CNTの製造と配線プロセスが確立
できれば、すごいことです。
Re: (スコア:0)
見たいな話はよく出てくるけど、実用品として市場に出てきた例が
皆無な気がする。
まだ未来の材料なんですかね。
これなら商品化可能? (スコア:2)
フラーレン含有接点復活剤「SETTEN-F60」
値段次第かな?
Re:これなら商品化可能? (スコア:1, おもしろおかしい)
よく分からない (スコア:1)
低発熱になるってのがよく分からない。
LSIの発熱(消費電力)のほとんどは、トランジスタの部分で、
残りは配線間の容量による損失だと思っていました。
CNTにしたら、何が解決するのでしょうか。元記事を読んでもよく分かりませんでした。
量子力学で、その辺りが説明できるのでしょうか?
高温環境下での金属内電導の限界(Re:よく分からない) (スコア:3, 参考になる)
例によっていい加減に翻訳してみますB)
この記事では、銅配線に対するカーボンナノチューブの優位性の根本自体には触れられていないようですが、カーボンナノチューブ自体の特性として、
http://www.nano-dev.jst.go.jp/nanodev/handbook-shino.html [jst.go.jp]より抜き出して引用:
フラーレンと言う物質自体が非常な曲者で、同じページの解説によると、
最低でも電子を極めて通しやすい現存のカーボンナノチューブ内部での電子の挙動と45nmプロセス以下の細さの銅配線内部での電子の挙動をシミュレーションした場合に、対象カーボンナノチューブの方が余計な電子の励起が確実に少ないと言う結果が出されたという事では無いですか?
これは、簡単に言えば、微細配線の素材があくまでも銅ならば、極低温で超電導状態にしなければ得られない特性を、比較的高温の(室温程度が目論見?)カーボンナノチューブで実現可能だということではないかと思いますけど。
ひょっとしたらフラーレンなどと組み合わせて高温超電導体化したカーボンナノチューブでの高温超電導環境下での電子の挙動についても調べたのかも知れませんが、この辺は論文が我々の目に入るようになってからでないとなんとも言えないです。
要するに低抵抗という話なのだと (スコア:4, 参考になる)
Y. Zhou et al., J. Phys.: Condens. Matter, 20, 95209 (2008)
アブストラクトはこちら。 [iop.org]
流し読んだだけなのですが、ざっとまとめてしまえば、銅細線は幅40nm程度にまでなると古典的なオームの法則で予測された以上に抵抗が増大する、一方で同じ太さのCNT束を評価してみると銅細線よりも抵抗が小さかった、という話のようですね。
発熱についてプレスリリースで触れているのは、単にわかりやすい話だからではないでしょうか。実際に抵抗が大きくなってくれば無視できなくなるだろうし。トランジスタと比べてどの程度になるのかは知りませんが。どちらにしろ、遅延の問題もありますから、配線抵抗は小さいにこしたことはありません。
もっともプロセス技術が開発されないことにはどうしようもないわけですが。水平方向の引き回しについてはどうにも難しそうですが、垂直方向のビア配線なら最近はだいぶ研究が進んでいるようですね。こっちなら実用化も夢ではないんじゃないかなーなんて思ってます。
Re:高温環境下での金属内電導の限界 (スコア:1)
配線抵抗は、LSIの消費電力にあまり影響しないでしょう。動作速度には影響しますが。
消費電力は何かと考えると、結局のところ負荷容量の充放電です。(最近はこれに加えてリーク電流もあります)
MOSのゲート容量や、配線容量が下がれば消費電力も減るでしょうが、
抵抗が減っても充放電が速くなるだけで、充放電のエネルギーは変わりません。
CNT配線で配線遅延が減れば、同じ速度を保つなら、その分銅配線よりもMOSを遅くすることができ、結果的にリーク電流が減る。
こういう、遠まわしな考えはできなくもないですが。
Re:高温環境下での金属内電導の限界 (スコア:1)
the.ACount
絵に描いたもち (スコア:0)
Re:絵に描いたもち (スコア:1)
量産までの道 (スコア:0)
などなど、色々と課題はありますね。
机上でできるようになることが確認できたところから、実際に工業に転用できるまでのハードルはかなり高いので、今後数年ですぐにカーボンナノチューブが主流になることはたぶんないんじゃないでしょうか。
タグの (スコア:0)
が気になって・・・
美希?
Re: (スコア:0)
新世代のなのてくのろじぃ
Re: (スコア:0)