cyber205の日記: 腕に装備する原子力(発光バイアル)夜光時計を物色中 2
日本では夜光時計よりも蓄光時計のほうに力点が置かれてしまったので、
ほとんど製造されていないようですが、海外ではまだあるようです、トリチウムの出すベータ線を使って発光する時計。
昔はラジウムだの、もちっと安全なプロメチウムだのと、今よりヤバい物質を使っていたんですが。
(夜光時計の文字盤に夜光塗料を塗る仕事をする女工さんの間では、口に癌ができる人が多発。筆先を舐めて調えたから)
トリチウム発光は、ダイバーウォッチとか軍用ウォッチには採用しているケースが多いですね。
でも軍用においても放射性物質を直接塗布するのはダメだってことで、
スイスあたりでカプセルに詰めて光らせる方式が開発されたため、現在はこのトリチウムを封入した
ガスチューブによって光る「発光バイアル方式」が主流なんだとか。
トリチウムってのは要するにちょっと重いけど水素ガスなわけで、ベータ崩壊してもヘリウムになるだけなので、
ベータ線なんて貫通力低いから封じ込めはアルファ粒子ほどではないにしても楽だし、割れても軽いガスだから
すぐ拡散してしまうということも考え合わせるとそのテの放射性物質の中ではかなり安全な素材のようです。
(多量に割ったら知らないぞっと)
有名どころだとLUMINOX、そのOEMだったかTRASER、軍用モデル一辺倒のMARATHON(マラソン)、
セイコー製ムーブメントを搭載したPHOTON、まぁ、ロレックスとかオメガにもあるんだろうけど、
そんな成金趣味の時計が欲しいわけじゃない。Niteなんてのもあったかな。
一番安いモノがあるのはやはりLUMINOXらしい。安っぽいプラボディのモデルもあるからかな。
いろいろ調査してみると、それこそ1万7千円台からある。カレンダーとかクロノグラフといった
派手な機能は無いけれど。クロノ搭載の高級モデルは5~6万かな。
そういえば、LUMINOXネイビーシールズなら明日の午後1時までのタイムセールで 14,980円 ってのがある。
ただし20コ以上購入の価格だそうだ。残り5コ(汗 ということは、実際には15,000円?
(20以上購入者が現れるとちょっと安くなるギャザリングってシステムなんだそうだ。だから現在は14,980円で正しい)
直輸入すれば円高だからもっと安いかもしれないけど、国内価格と考えると微妙に安いよね。ポチって買おうかな。
T25が残ってるってのがちょっと気になるね。もしかすると古い品物だったりして。
(古ければそれだけ放射能が落ちているから、光る量も減ってくる)
ストッカー&イェール(愛称は[SandY]サンディーというらしい)のレプリカだと2万ぐらい。
Sinn モデル503.EZM1なんかが夜光であれば最高なんだが、
そんなのがあっても、きっと高いだろうなぁ。
P.S
そうそう、あの発光バイアル部分だけ売ってた業者(K-BROS)は捕まったんだってね。
放射線障害防止法違反(無届け)により逮捕、文部科学大臣への届出がないことが法律に抵触だそうで。
一応、回収する決まりになっているらしいけど。
わざわざ1000円ふんだくられて、ほとんど危険のないモノを処分させられるという面白くない結果になっている。
文部科学省によれば、
>販売されている製品に封入されているトリチウムから発する放射線は、ガラス管で遮蔽されるため、
>同製品を所持していたとしても、安全上の影響はありません。
>また、仮に壊れたとしても放射線障害の恐れはありません。
というわけで、安全なのは分かりきっているにもかかわらず、法的にひっかかるので回収ということに。
現状でも、実際には持っていても(単純所持でも法的には違法らしいけど)いきなり捕まることはない
ということなので、早めに買っておけばよかったか?(でも回収期限あるんだよな、これ)
ちなみに、時計に使う場合でも国内の規制はあって、昔は上でも挙げたT25表記というものが
必要だったらしい(現在はスペックを満たしていればわざわざ表記する必要なし)
25ミリキュリー(25mCi)以下に抑えてますって意味で、1/40キュリーってことになるか。
1Ci=3.7*10^10Bq[37ギガベクレル]だから、0.925*10^6Bqとなる。0.925GBqだから、
だいたい1ギガベクレルぐらいか。製造時には毎秒十億個ぐらいの原子が崩壊して、
トリチウムからヘリウム3に化けるわけね。もちろん半減期があるから時間が経てばどんどん減少する。
法規制では1ギガベクレル([壊変毎秒]=毎秒1G個の放射線が発生)以上の放射性物質の扱いには
いろいろ必要な措置があるということなのだけど、時計は確かにその規制から外れるように抑えてある。
しかしこのK-BROSのシロモノは27ギガベクレルもあったので、0.73キュリーってことか。
なかなか凄い量だ。でもこの単位は放射線のエネルギー量を考えてないからねぇ。
おそらく、夜光時計はともかくとして、1GBq程度じゃあの大きさではちっとも光らないのだろう。
なんで輸出元のイギリスではこんなモノを手軽に通信販売できるのかというと、
懐中電灯/フラッシュライト/LEDライトのファンサイト[Flashlight FAN]の情報によれば、
あっちじゃ、(トリチウム)ガスライトに関しては、
一律にかかる法規制から免除される物品の対象となっているからなのだとか。
> RSA1993 ExemptionOrder No.6 GaseousTritiumLightDevices
なるほどな。日本はそのへんの規制緩和が遅れていたわけね。
k-brossのアレ (スコア:0)
廃棄費用+送料を購入者に払わせたら誰も回収に応じねぇーだろ
Re:k-brossのアレ (スコア:1)
もともと安全なように作ったシロモノだし、どうせ放っておけば規制値以下になるのに。
って、27GBqなら1GBqに落ちるまで半減期計算してみると60年ぐらい必要か。
# 60年/12.33年[半減期]=4.866 2^4.866=29.161分の1まで低下
# 59年だと27.5分の1だからOKだけど、58年だと25.99分の1でちょっと足らない
そういえば、
自衛隊でトリチウム入りのコンパス(4.4ギガベクレル)を使っていて破損したので処分したい [mext.go.jp]
という相談も上がってましたけど、結局、法律が法律なだけに、無届けでの違法な使用だったということになってますね。
今は放射線管理区画に移送して厳重に保管中だとか。なんだかなぁ。