1998年、Microsoft社のビル・ゲイツ氏はVanity Fair誌のインタビューで、「Apple社がMicrosoft社より大きく、また儲けるようになる状況が想像できない」と答えており、翌年のMicrosoft社の時価総額は6200億ドルをつけた。しかし20年後の現在、先週のApple社の時価総額は6830億ドルをつけておりMicrosoft社の2倍以上となっている。Apple社の勝因はどこにあるのだろうか(本家/.、New York Times)。
企業が成功するにはビジョンが必要であるが、両社ともビジョンを持っていた。だが、Apple社のビジョンの方が、より急進的で長期的な視点に基づいていた。Microsoft社はすべての人の机上にコンピューターがあるのを予見していたのに対し、Apple社はさらに一歩先を見ており、すべてのポケットにコンピューターが入っていることを予見していたのである。
また、伝記「スティーブ・ジョブズ」の著者ウォルター・アイザックソン氏によれば、「Microsoft社は長い間より良いビジネス・モデルを持っていたようにも見えたが、最終的には、至極の美しさを持つプロダクトを創ることができなかった。スティーブは、最初から最後まで、全行程をコントロールしなければならないと思っていた。それは、彼がコントロール・フリークだったからではなく、完璧なものを創るという情熱を持っていたからである」とのこと。
また、Microsoft社はWindowsを守ることに必死になり過ぎて他の分野への進出が遅れてしまったが、一方のApple社には、亡きジョブズ氏のDNA が刻み込まれており、大型iPhoneの出現によりiPadの売上げが落ち込むことも考えられたが、それでも大型iPhoneの発売に踏み切ったように、「自身の肉を貪ることを恐れない」とのこと。だが、過去のMicrosoft社の最高時価総額を超えた今、Apple社は今後もジョブズ氏の信条に沿い続けることができるのだろうか。