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9998183 journal
日記

kuremaの日記: 複数の判別できないデバイスが判別基準に一致するため、要求されたシステムデバイスは判別できません。

日記 by kurema
最近、適当な知識で間違ったコメントをして+1を貰ってしまったのでお詫びに珍しく/.らしいネタを。

UEFI環境下で、インストールディスクのコマンドプロンプト等の"bootrec /rebuildbcd"や"bcdboot "で「複数の判別できないデバイスが判別基準に一致するため、要求されたシステムデバイスは判別できません。」のメッセージを貰った時、原因はEFIパーティションが複数存在するからのようです。
例えばUbuntuとデュアルブートをしているとか。私の場合はそうでした。
取りあえず起動したい場合は、正しいか分かりませんが余分なEFIパーティションを削除してしまえばコマンドが通るようになります。
今回の場合、削除するのはUbutnuのEFIパーティションで、自分の場合Windows関係(4つくらい)→Ubuntu関係(3つ)→データパーティションの順になっているのでデータパーティションの直前のパーティションでした。番号は作成順で8。
diskpart -> list disk -> (容量を見て適当なディスク番号を覚える) -> select disk * -> list partition -> (容量や順番を見て適当なパーティション番号を覚える) -> select partition * -> delete partition
この後自分の場合は"bootrec /rebuildbcd"
でうまくいきました。ただしUbuntuは起動しなくなります。当然ながら。
取りあえずこうすれば起動はするんだろうな、と思ってはいましたが、delete partitionを確定する時はかなりビビりました。間違えるとバックアップを取ってない大量のデータが削除されてしまいますからね。
皆さん同じ状況になったら少なくともバックアップは取っておいてください。適当なOSをUSBからブートすればレスキュー出来ますから。

この後、Ubuntuのインストールディスクから削除したパーティションにEFIパーティションを作成すれば多分Ubuntuも起動するようになると思います。気が向けばやって追記します。
無意味にUEFIのアップデートなんてしなければよかった。挙句操作ミスでバージョン上がってないし…

追記
Ubuntuが復旧しました。
概ねLinuxのブートCDを使ってGRUBを修復するに従い、grub-installの部分をこちらの手順の/boot/efiにマウント後、

$grub-install target=x86_64-efi --efi-directory=/boot/efi --bootloader-id=Ubuntu --recheck

に変更しました。
Ubuntuも無事起動し満足ですが、EFIシステムパーティションが単なるFat32パーティションになったのは見栄えが悪いので残念です。気分が悪いのでそのうち直すと思います。gpartedでbootフラグを立てればEFIシステムパーテーションになります。

9240123 journal
日記

kuremaの日記: ヘイトスピーチを禁じる国ではアファーマティブアクションを行うべきではない? 3

日記 by kurema

現代、多くの国で「言論の自由は尊重されるべき」との主張は受け入れられています。
しかし、一方で中国や他の独裁国家はもちろん、西側諸国であるヨーロッパ各国(ホロコースト否定の禁止等)・或いは韓国(死者名誉毀損罪を用いたもの)等でも言論の自由が大きく制限されています。
或いは人種差別撤廃条約を口実とした言論制限も多くの国で行われています(なおこの条約は国籍による差別を対象としません)。
各国各々の理由でそれを正当化し、かつ現状それらの言論制限下で行われた議論は有効な物として取り扱われています。

仮定の話として、極めて深刻な人種差別が存在し、私的な虐殺が広範に行われている様な場合等そのような言論制限は許容されるべきです。
即ち、言論の自由を制限されるべきと考えられる状況は想定し得ます。かつ、その場合当該国を処罰するのは妥当ではありません。
結果として、妥当性さえ証明できれば各国の恣意を持って言論の自由を制限できる、かつそのペナルティーは受けない、という結論となります。
妥当性のない言論制限は罰せられるべきとされていますが、逆に言えば国際的な非難さえ許容できれば言論の自由を任意に制限でき、その結果の言論を自国世論として示すことができます。
これが現状です。

この方法は幾つか問題が有ります。
一つは、「妥当性」の恣意性です。例えば現状、人種差別に関する表現の自由はかなり広範に制限を受けて良いとされています。その根拠はホロコースト他の反省だけで妥当しうるのか。
二つは、言論制限により誘導された世論が世論として受け入れられる事です。例えば反日教育と言論制限の結果国民が反日的になったとして、世論としての意味があるのか、という事です。
言論制限はそれ自体としてあらゆる場合にも望ましくないものです。それだけでなく、それが与える影響が広範にわたるというのも顕著な特徴としてあります。

私の提案は以下のものです。

言論の自由が制限された議論の結論は、その自由が制限された議題に関し、例外なく妥当と認められない。

これは国家による明確な言論制限のみならず、社会的圧力によるもの、議論における明文・暗黙のルール、名誉毀損や侮辱罪の様な正当とされるもの、或いはどんな些細な制限に関してもです。
また妥当と認めるべきでないとは、まず国際社会に於いて議論の前提等として用いる事が出来ない(「我が国世論が沸き立っています」「貴国は日本に対する態度に言論制限が行われている為何の意味もありません」)他、国内法の制定事由にできない、(学術的な目的に於いて認められるとしても)学問領域に於いて妥当と認められない、等の結果を伴います。
これは罪と罰の理論でなされる懲罰ではなく、不当行為による効果の取り消し、正しい現状認識に基づく適正化としての物です。
それらを受け入れる余地のある場合に於いては言論制限が認められます。なお、その悪用を行う場合は他国における議論の援用等がペナルティーとなるでしょう。

具体的には以下のような結論を認めるべきでしょう。

  • ドイツ、フランス、イスラエルに於いてホロコーストの存在は認められていない。その為、当該国に於いてホロコースト賠償請求及び賠償行為は行うべきではない。
  • 中国・北朝鮮・韓国に於いて日本による支配や侵略の不当性は認められていない。その為、当該国に於いて日本に対する謝罪や賠償・反省の請求は行うべきではない。
  • 人種差別言論の禁止を行う各国に於いて、国家政策としての人種差別が妥当かどうかは結論が出ていない。その為、暫定的にはあらゆる人種政策は行うべきではない。

卑近な例として昨今のヘイトスピーチに関する議論を持ち出しましょう。
初めに、現行憲法を超えた議論として、国家によるヘイトスピーチ規制が行うべき状況が有りうるか、については先に述べた議論で有りうる、と考えます。
次に、単純な現状認識として現状深刻な事態に陥っているかについて、※1を無視し在特会の行為を人種差別的言動と認めた場合についてもそれほど深刻な事態ではない、と結論します。特に街宣右翼は長くこの国に存在したが言論制限は行われなかった事が一つの基準になるでしょう。
仮にヘイトスピーチ規制を行う場合、先の議論に基づき日本国内のアファーマティブアクションを撤廃しなくてはなりません。日本におけるアファーマティブアクションは特別永住権、その他各種の「在日特権」が当たります。存在を疑われている「在日特権」に関しては仮に実在する場合はそもそも取り消されるべきものでしょう。
つまりヘイトスピーチ規制を行う場合はその随伴的な規制として在特会の要求を満たし、そもそも規制を行う根拠が失われる、という皮肉な事態に陥るでしょう。

なお、ヘイトスピーチが言論の自由にあたるか、という議論についてです。
これは、あらゆる言論は言論の自由の対象である、という私の主張からすれば無論当たる、となります。これでは話にならないので一歩後退し以下のような態度を前提とします。

ヘイトスピーチと指摘されている言論と同意義であると表現者が信じられるヘイトスピーチに当たらないと言論がある場合、後者を用いれば実質的な言論を担保出来るので前者を規制しうる。

この立場に基づいて当該表現がヘイトスピーチにあたるかは議論しません。しかしこのような表現がある場合は、ヘイトスピーチ批判の方法論はその規制を要請するのではなくまず代替表現の提案という形を取るべきでしょう。
提案した結果を表現者が受け入れなければ話は終わりです。別の表現を探してください。受け入れた結果、敢えて傷つける表現を用い続けるならばそこで初めて規制議論が起きうるでしょう。

また、このような(国籍による差別)主張自体が言論の自由に当らない、という主張に関してです。
これは笑止ですが、仮に対象国で日本人が多数虐殺された、さらに日本国内に多数のスパイやテロリストが潜伏している、といった国籍による差別の主張が正当な状況を想定しうる事から、国籍を民族や人種に変えても少なくとも一般には正しいとは言えない事は明白です。
対象国における日本人差別や財産の侵害、スパイの存在までは程度の差が有れ認められていますから、後は主張者の事実認識次第となり、認められるべき言論とするべきでしょう。

最後に、単純な私個人の意見として在特会の様な行為の一部は、日本国民の怒りの表現としても望ましくないという態度を示しておきます。

注意点
※1 在特会は在日外国人を対象としている事から国籍による差別政策を主張するもので、帰化人を攻撃しない限り人種差別撤廃条約の対象となる、或いは一般的な人種差別の対象ではありませんが、今回はそれを無視し、ヘイトスピーチ関連の議論として扱います。
※2 私は差別と区別を区別せず、どちらも差別と呼んでいます。これは語用による政治的主張は議論の混乱を招きうるからです。
※3 民主主義国家であり、実質的な民主主義であるべき、という事を前提としています。

9114319 journal
日記

kuremaの日記: PSYのランキング工作の犯人は 4

日記 by kurema

要するに4chan民のような連中だったんじゃないかと。
というわけで、今回の日記はどうでもいい上に推測だけの話です。

PSY 「江南スタイル」は異常な再生数増加から再生数工作が疑われた事で有名です。
しかし、現状の処決定的証拠は挙げられていないし、Googleも疑いながらもおそらく明確な証拠を持っていないように思えます。
さらに、韓国が積極的に宣伝するには不自然との指摘もありますし、足がつかないように行うには大規模すぎるのではないかと思われます。

私としては実際に再生数工作を行ったのは韓国の機関や韓国民が主体ではなく、米国主体で世界中の愉快犯達ではないかと推測します。

これ以前から韓国は強引なマーケティングや再生数工作・インターネットを介した各種の広報(ステルスマーケティングとか)が知られていました。
一方で海外の一部では日本のコンテンツに依存していながら、日本を文化的侵略者とみなし(Wapanese,Weeaboo)、また自分たちのコンテンツの魅力が(彼らにとって)敵わない事を苦々しく思い、また日本人による空気の読めない・時に差別的な書き込み等を鬱陶しく思うようなコミュニティーが存在していました(規模の大小は議論しません)。
彼らにとっては韓国は腹立たしいし、日本の鼻も明かしたいとも思っていたはずです。
彼らにとってPSYの動画はそれや以下の様な目的に最適だったのでしょう。

  • 韓国が再生数工作を行なっている事を知らしめる。
  • 動画が洗練された国家イメージを示さない。
  • 韓国人が(裸の王様だとも知らずに)無邪気に喜ぶ。
  • 日本人の各種の(K-POPの「流行」と再生数工作への怒りといった)否定的反応を引き出せる。
  • 日本のコンテンツの魅力を否定することが出来る。
  • (社会的地位やスクールカーストにて自分より上位に位置したりする)無知な米国人等が流行に乗りたがるのを見て楽しめる。
  • Googleが見えない敵相手に慌てふためくのを見て楽しめる。

Googleはてんやわんやだったでしょう。
一定規模の再生数工作が多数行われている証拠は有ったでしょうが、殆どは通常の再生と区別できないものだったはずです。
しかもそれは韓国が行なっているとしてはあまりに大規模で多様なものでした。
一方で、冷静に分析しても本当にそれだけ流行っているという結論に至ることは出来ない。
動画の再生数は音楽ランキングや広告収入にも影響します。その為十分な証拠がなければ告発などできません。そして証拠等なかったはずです。
結果がランキング方式の改定やその際にPSYの動画の順位を短期間一気に下げるような嫌がらせに出るしか有りませんでした。
これを傍から見ている、と考えると楽しいのも分かります

以上は推測でしか有りません。
これが仮に非同期的に世界中で自主的に行われたものであれば(Stand Alone Complex的な)おそらく証拠はどこにも出てこないでしょう。
しかし、人知れず起こっていたかもしれない世界的な現象を、邪推してみるのも面白いのではないかと思います。
同時に、世界版ニコニコ動画にはなれなかったYoutubeの悲哀のようなものも感じます(これは次回)

9070614 journal
日記

kuremaの日記: 「進化」の持つ「意識」 9

日記 by kurema
(結論は段落4から。)

インテリジェント・デザインという考え方がある。
要するに、生物は何らかの「知性ある存在」により設計された、というものだ。
この主張は以下のような点で問題がある。

  • 生物が進化により発生したという事はほぼ疑いの余地が無い。
  • 「知性ある存在」による設計は、進化による設計に対して以下の制約が有り、総合して設計の困難さに有意な利点があると言えるか疑わしい。
    • 極めて短時間に、かつ大量の実験的生物の創造なしに設計された事。
    • 恐らくヒューマンデザインの延長にある設計手法を用いている事。

    以上の点を逸脱すれば、進化さえ一種の設計手法として認められ、そうすればインテリジェントデザインと進化論の関係は対立ではなくなりうるためだ。

私は概ねインテリジェントデザインを支持しない。
ただ、少なくとも一つの点でこの理論は示唆的であると考えられている。
つまり、生物は意図的な設計が存在したと思えないほど精巧で完成されている、という事だ。

暫時話を変える。
機能的には意識があるように見えて意識を持たない存在、つまり哲学的ゾンビは存在するのだろうか。
「存在しない」と主張する者に対して、私たちは一つの明確な反論を持つ。
それは小説の登場人物であり、或いはごく単純なアルゴリズムで設計されたボットあるいはブロックヘッドだ。
前者は本を読むという極めて限定された観測に対して、後者はチューリング・テストと呼ばれる文字による会話という観測に於いて、人間と区別できない。
一般的には彼らは意識を持たないと考えられている。とすれば「哲学的ゾンビは存在する」と認めざるを得ないだろう。
私はその考えを支持しない。彼らは時間を超えた意識を有するというのが私の立場だ。
小説の登場人物は作者や作者が引用・参考にした文の作者の脳内に、ブロック・ヘッドはそのプログラムやデータベースを作った設計者の脳内に分割された形で意識を有する。
纏めれば、私の立場は機能的に意識を有するように見える存在は意識を有するという事だ。

私が提唱したい可能性は、「総体としての進化は意識を有する、そしてそれは知性をも有しうる」というものだ。
確かに進化の仕組みはごく単純なものだ。小学生ですら理解できる。
しかし、神経細胞が単純な振舞をするからと言って人間は意識や知性を有しないという結論を下す者はどこにもいないだろう。
進化が意識を有しないとするものはそれと同じ誤謬を犯していないだろうか。
人間が意識を有するかの判定は総体としての機能から判断されるだろう。
同じ方法で判断した場合、進化は意識を有すると判断する他ないだろう。
(もっと明確で強力な論証を期待していた方には申し訳ない。現状の根拠はこの通り無いに等しい。飽くまで可能性の提唱としてとらえてほしい。結局我々には意識を有するかの判定関数など持たないのだ。)

意識を持つとしてどのような物だろうか。
実験室でも進化は起こりうる。隔離された二つの存在が一つの意識を有するとは考えにくい。意識を有するとすればその内部では極めて頻繁な情報流通が行われているはずだ。
恐らくは遺伝子の交流が行われる範囲、おそらく一つの動物種に対し一つの意識を持つ、言ってみれば氏神の様な存在だろうか。
勿論、時間意識は極めて緩慢。そして私たちと同様の思想など殆ど有しないだろう。ただ「美しさ」の感性は多くの点で我々と共有するだろう。それは我々に教えられたものだ。
無論我々の創造主であり、神に近い存在だろう。

では我々はこの地球最初の知的存在と対話できるだろうか。
それは種の虐殺や生態系の破壊を意味する。
困難だろうが、可能性としては存在する事は認めておこう。
将来、謎の宗教や或いは地球外の知的存在がこのような対話を試みない事を望む。

8106890 journal
日記

kuremaの日記: 地球外の知的存在との対話 3

日記 by kurema

現在、地球外の知的存在と対話する方法として、「二次元ビットマップデータを送信する」という方法が一般的に良く知られている。(他にPCMデータを用いる例もある。まさかのMP3でした。)
この方法は極めて単純で、小さな通信量では現実的だ。しかし、彼我が相当共通していないと理解は困難であろうし、理解が妥当であるかの検証は事実上不可能だろう。
より大きな通信量を用いる場合、かつ理解を確実なものにする為にプログラムを送信するという方法を提案したい。

そのプログラム(CPUの命令列やソースコード)言語は以下の条件を満たさなければならない。

  • 極めて単純で有る事。
    相手に数の概念がある、という仮定でさえこの計画を失敗に導くかもしれない。
  • チューリング完全を満たす事。
  • データとプログラムを区別しない事。

有力な候補としてBrainfuckを挙げる。2bit CPUのような極めて単純なCPUでもいい。可能ならデータを簡便に扱える言語が望ましいが複雑すぎるだろう。

ただ、宇宙人がBrainfuck等を知っている事は殆ど期待できない。その為、その言語の説明も同時に送る事が望ましい。
そして、その説明を別の言語で記述しなくても済むように、言語の説明自体をその言語で書くことが望ましい。
その方法として、Quineを提案したい。これはプログラムの実行出力結果がそのプログラム自身になるようなものだ。ブートストラップコンパイラは出力先が別の言語になってしまうし、ブートストラップインタープリターは説明力に欠ける。
実際のプログラムはQuineの後に記される。

この方法だと、我々の様々な知見を相手に知らせる事が出来る。例を挙げる。

  • 数学や論理学の証明。
    定理検証プログラムと形式的な証明文を用いる。有名な「数学原理」における1+1=2の証明の様なものだ。
  • 物理物質・物理学の知見。
    物理演算プログラムで物理学の様々な知見を、さらにあらゆる物質を記述できる。
    厳密には量子コンピュータを要したりするかもしれない。その場合、対象の宇宙人はますます狭まるだろう。
  • 生物。
    上に、DNA配列からその細胞・受精卵を構成するプログラムを加えれば、極めて効率的に地球上の生物を宇宙人に教える事が出来る。人間も例外ではない。
    もちろん、安全保障上の問題は無視できない。
  • 動画・音声。
    或いは、圧縮形式動画・音声を展開し物理演算プログラムに動的に展開するプログラムを加えればあらゆる形式の二次元/三次元動画・音声・だって送る事は出来るだろう。
    その意義はともかく。
  • 宇宙の有り様。
    大きなスケールに於いては重力だけのシミュレーションで十分である。宇宙図はそのようにして送る事が出来る。
    ただしこの場合、三時限ビットマップの方が望ましいだろう。
  • 電子回路。
    電子回路のシミュレータは物理演算のそれを用いずとも十分だろう。我々の20世紀以降の多くの発明は電子回路シミュレータに回路図を添付する事で送る事が出来る。
  • データ圧縮・エラー訂正。
    言語にもよるが、大規模なプログラムやデータを送信する場合、冗長化したり圧縮し、それを展開し実行することでその利益を得る事もできる。
  • 重要なNP問題の証明。
    数学的証明の解が一例だ。しかし他に何らかの重要な問題が有れば、それも相手にとっては有用かもしれない。

それがQuineである事を発見するのは容易ではないだろう。しかし、一度気づけば、プログラムを実行しその便利を得る事は出来る。
さらに、同じテーマを研究する際にはその知見を用いる事が出来る。そして、十分賢明なら何を意味するのかを理解できるだろう。
哲学や言語学的な知見を共有する事は諦めた方がいい。それらにはおそらく何の汎用性も無いだろう。地球外の知的存在が会話を行う、それどころかそれが生物である、物理世界に興味を持っているという推測自体が楽観的すぎるだろう。

現在、例えばSETIプロジェクトなどでこのような通信を受けた場合、それに気づけるだろうか。
それは難しいと思う。Quineを付けてデータを送信してくるような親切さがあったとしても。
最初の一歩として、このような場合を考慮する事を推奨する。

さて、送信できる情報の中で最も重要なのは何か。
それは我々人間自身だろう。
ワープ航法・光速に近い移動・世代宇宙船の現実性が将来否定されたとしても、我々はこのような手段が存在する。
即ち、物理シミュレータと人間自身を送り、彼/彼女が情に訴えたり、クラックしたり、或いはそうしなければ非倫理的な事態が発生するようにしたり、偶々誰かが過ちを犯すことを期待して、シミュレータから現実世界へ出させることだ。
知的生命体が宇宙に十分多数存在するなら、これは一定の発展を得た知的存在にとって極めて有効、かつ恐らく唯一の汎宇宙的な繁殖手段だろう。
これと同じ事はそれなりの知的存在ならば必ず気付くに違いない。ならば、我々がそのような通信を発見できないなら、宇宙の、我々の通信が届く範囲に知的存在が溢れている可能性は絶望的だろう。

無論、この方法は大きなリスクがある事は言うまでもない。
一つは、人間の弱点を含む全てを宇宙の潜在敵知的存在に晒す事。
二つは、その星の既存の知的存在を破壊してしまうかもしれない事。
三つは、その星で人間が非倫理的な扱いを受けるかもしれない事。例えば奴隷にされたり、拷問を受けたり、永遠の生を強制されたりする事だ。
四つは、それを元に我々が脅される可能性がある事だ。彼らの望む研究をし報告しなければ、何千光年先で100億の人間が拷問・虐殺すると脅されれば、我々は屈するほかないだろう。
このような事は多少プログラムが書け、大きめのアンテナを有する人ならだれでもできる。
それが上記のような極めて大きな安全保障上の問題を引き起こしうる事は、極めて危険な状態だろう。

逆に我々が宇宙で拾ったプログラムを実行する事も大きなリスクだろう。
それが自分の囚われている実行環境をクラックする手段を見つけ出すかもしれないし、倫理的な問題を引き起こし我々がそれを存続させたり物理世界に実現させる事を余儀なくされるかもしれない。
或いは、我々にかわいらしい笑顔を向けてにっこりほほ笑むかもしれない。

#このネタをエイプリルフール用に投稿しようと思いましたが、きちんと解説したいと思ったので没にしました。
#SETIプロジェクトは4月1日、宇宙外からの通信と思われる信号を確認したと発表した。通信はクアインと呼ばれるプログラムで、BrainFuckに近い極めて単純な言語で記述されていた。…みたいな感じ。
#その手の世界で常識だったとかならここまでの長文の読破乙と言っておく。

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私は悩みをリストアップし始めたが、そのあまりの長さにいやけがさし、何も考えないことにした。-- Robert C. Pike

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