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日記

quaternionの日記: 研究資金のクラウドファンディング 11

日記 by quaternion

ドローンを使った大ピラミッドの調査のためのクラウドファンディングをチームで始めてみた.

もちろん国からの運営費交付金や科研費,民間からの資金も研究にあてているのだが,やはり資金が足りない.

このような資金調達の試みは賛否両論あると思うのだが,スラドの諸賢はどのようにお考えだろうか.

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  • by Anonymous Coward on 2018年09月16日 23時14分 (#3481922)

    研究資金、特にアカデミックな研究には、既存のクラウドファンディングは向いてないと思う。
    事業に投資しているというより、オマケに投資してるように見えてしまう。
    今回のものなら、データを一般公開するのではなく、出資者にデータを提供するとか、開発した解析技術を出資者に提供するとかなら賛成できるんだけど。

    あくまで、今現在の既存のクラウドファンディングが何となく向いていないと思うだけです。
    研究資金を広く一般から集めるのはいいことだと思う。
    ただ、既存のクラウドファンディングの事業とは住み分けた方が、お互いに問題になりにくいのではないかなと。

    • by Anonymous Coward

      #3481922を書いた後に、なぜ向かないと思うのかまとまって来たので追記。
      向かないと思う理由は、研究の成果を分割して還元することが難しいからです。

      分割できないなら、公開してまとめてみんなに還元するか、秘密にして少数に還元するのが良さそう。
      前者は国や学術機関の研究のようなもので、税金等で非常に広く薄く資金を集める。
      後者はパトロンや企業からの出資での研究。

      それに対して、クラウドファンディングは粒度が中途半端で、対応した研究成果の還元方法が思いつかなかったのが向いていないと思った理由です。

      • by Anonymous Coward

        こういう科学研究に投資する人って、自分だけが秘密を知りたいのではなくて、「自分の好きな分野において人類が一歩前進する」ことそのものに投資するんじゃないでしょうか?
        だから出資の結果得られた成果が出資者の一般に向けて公開されることもリワードたりうると思います。

        • by Anonymous Coward

          ×出資者の一般 → ○出資者以外の一般

        • by Anonymous Coward

          出資する人の目的はその通りだと思う。
          学術機関に寄付をする際は、そのような目的で説明されます。

          それなのに、既存のクラウドファンディングの枠組みに入れようとすると、あなたの知的好奇心を満たすのが報酬ですとか、人類の進歩が報酬ですとか設定できない点が向いていないのかなと。

          • by Anonymous Coward

            なるほど。出資を募る側も応じる側も意図しているのは「人類の知識への貢献に3万円投資した(ついでにTシャツを貰った)」であるはずだけど、既存のクラウドファンディングでは見かけ上「3万円のプレミアムなTシャツに投資した」ようになってしまうってことですね。

            • by quaternion (18655) on 2018年09月17日 7時54分 (#3481989) 日記

              皆様のコメント大変ありがとうございます.

              これまでに取得したピラミッドの3D情報は加工方法も含めてオンライン上でバージョン管理する [pineapple.blog]ことで将来の研究者向け公開に備えているのですが,これらの活動が人類の叡智にどのように貢献していくのか,また一般向け公開はどのようにするのか,しっかり説明していかねばと思いました.

              最終的には誰でもが(ライセンス的にも技術的にも妥当な方法で)扱える3Dデータの公開を目指していますので,今後も発信を続けます.

              親コメント
    • 論文不正と同じで,研究資金でも不正はあってはなりません.

      たとえば大学の教員(つまり研究者)は個人から直接寄付や出資を受け取ることが禁止されているのが普通です.
      少なくとも国立大学なら,寄付は一度大学を通して,それから教員に配分されるようになっています.

      理由は不正防止です.
      個人間で直接お金のやり取りをし始めると,賄賂とか裏口入学とかなんでも有りになります.
      そこで大学や文科省(科研費を出す公的機関)などは,
      お金を出す人,お金を管理する人,お金を使う研究者,と3つの役割,機関を独立させて伝票をしっかり管理しています.
      大学教員はお金に対してはクリーンでな

      • 興味深いご指摘に感謝です.ご指摘された懸念点をまとめてみました.

        1. 大学教員がクラウドファンディングを行うことは収賄(裏口入学を含む)を誘発する恐れがあるため避けるべきである
        2. 大学教員がクラウドファンディングを行うことは,研究不正を誘発する恐れがあるため避けるべきである
        3. 大学教員がクラウドファンディングを行うことは,勤務先の就業規則上問題となり得る
        4. 大学教員が商行為を行うことは避けるべきである
        5. 研究クラウドファンディングは税制上問題がある
        6. 本研究クラウドファンディング(大ピラミッド調査)は知財の管理上問題がある
        7. 本研究クラウドファンディング(大ピラミッド調査)は商業倫理上問題がある
        8. 日記著者(quaternion)は研究資金をどんぶり勘定で運用しており研究資金の不正利用を指摘されかねない

        6, 7, 8 を除き一般論と解釈しましたが,誤読していたらすみません.

        親コメント
      • by Anonymous Coward

        大学の資産(これまでの撮影データ)や設備、人材を使うことになるのだから、さすがに大学の事務や経理にも話を通してあるのではないのかな。
        そうしないと、前回撮影時に資金提供してくれたところとの権利調整もできないはず。

        そうであれば、通常の共同研究とか、委託研究と同じように扱えばいいだけ。
        資金提供者の人数多から、事務方の対応は大変だろうけど。

  • by Anonymous Coward on 2018年09月16日 23時48分 (#3481933)

    "キャッチーな基礎研究"という(たぶんニッチな)領域に限れば、国や大企業などを経由せずに直接夢やロマンを売る商売ができるので効果的なのかなと感じました。

    仮に期待されたような成果が出なかった時に理解してもらえるかどうかという心配も多少ありますが、経緯を論理的に説明されて理解しないような人はそもそも基礎研究プロジェクトに投資なんてしなそうだから問題ないかもしれませんね。

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あつくて寝られない時はhackしろ! 386BSD(98)はそうやってつくられましたよ? -- あるハッカー

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