route127の日記: 考える人(バカボンのパパの誕生日) 2
テレビ見てたらニュートンの話をしていた。
プリンキピアが微積分の知識に依らず書かれているというのは聞いた事があるにはあったが、その背景としての古代数学への回帰を志向していたというのは知らなかった。
大学での講義も割と実用性重視だったらしい。
個人的には現代において数学者とされるアルキメデスなんかにしても実態はエンジニアであるとは思うのだがあまり口に出して言った事はない。
個人的にはオイラーなんかもエンジニア扱いしたい。
今の数学は厳密性とか抽象的であることを大事にしていて、そういうことに魅力を感じていない工科系との間に数学観の不一致があるような印象がある。
不一致それ自体は別にあっても良いと思うのだが。
九大の産業数学系の研究所なんかもやってることは面白そうだけどなんか個人的にエンジニアの味方という感じはしない。
書籍なんかでもタイトルに「工科系のための~」と入ってるのが家政関連本の「ぶきっちょさんの~」みたいな文句を思い出して嫌な感じがしなくもない。
仕事の上で数学上の成果を使うことがあっても上述のいきさつがあって「数学が好き」とか「数学の美しさ」みたいなことを言ったり聞いたりするのには抵抗がある。
そんな中でニュートンが機械学的な数学を行っていたというのは、抽象的思考能力に劣る自分にあっては大いに勇気付けられるところであった。
17~18世紀くらいまでは数学を物理学で解くような方法も使われていて、ベルヌーイ兄弟が最速降下曲線の導出を競った際にもスネルの法則を利用したという話があった。
普通最速降下曲線というと変分の話になってしまうところだけど他にも物理的な解法があるよ、という方が気は楽だ。
その分汎用性はなくなってしまうというデメリットはある。
物理学で数学というと機械じかけの数学がそういった話を取り扱ってた。
実用性重視 (スコア:1)
> 大学での講義も割と実用性重視だったらしい。
> 個人的には現代において数学者とされるアルキメデスなんかにしても実態はエンジニアであるとは思うのだがあまり口に出して言った事はない。
> 個人的にはオイラーなんかもエンジニア扱いしたい。
エンジニアで数学者の一面もあった・・・それが重要なのだと思います。
実用性というかエンジニア的な考えをするのも、数学的な抽象思考もどちらがいい悪い
ということはないにしても、技術革新をもたらすのは両方の分野の架け橋となる人だと思います。
そういう意味では「科学技術」という言葉は意味深ではあります。
科学に実用性(技術的アプローチ)を、技術に科学的アプローチをといった相互補完的な関係ですね。
レガシーな技術だけで成立するビジネスは、同じことは誰でもできるのでコスト競争の
世界に巻き込まれるでしょう。(数学などの)技術を使うだけでなく、技術を生み出す側になれないと、現場的には技術の賞味期限での使い捨て人材にしかなれない。
実用性という点では、技術だけでも駄目、科学だけでも駄目、両面が必要。それが現場ですね。
3Dプリンターとかエンジニア的な分野に高分子化学などのノウハウを応用するとか、レガシーな技術にない実用性は複数の分野をつなげて生まれる気がします。
ジョゼフ・デシモン: 3Dプリンターを100倍高速化する技術
http://headlines.yahoo.co.jp/ted?a=20150714-00002216-ted [yahoo.co.jp]
> 仕事の上で数学上の成果を使うことがあっても上述のいきさつがあって
> 「数学が好き」とか「数学の美しさ」みたいなことを言ったり聞いたりするのには抵抗がある。
「好き」「美しさ」レベルの理解だと実用性皆無ですからね。
その「美しさ」を抽象的でなく、具体的にいうなら「対称性」でしょう。
ラングランズ・プログラムとか物理学の統一理論で登場する
「対称性」に着眼したアプローチは思考ツールとして非常に実用的なものです。
実用的でかつ美しい (スコア:1)
そうですね、例のオイラーさんの有名な公式 [wikipedia.org]は実用的でかつ美しいと思います。
優秀なエンジニアであることが純粋理論とこの世との懸け橋になれるのだと思います。